「孤独のグルメ」で人気の久住昌之さん、
僕は、アンダーグランドな感のあった、泉昌之時代から好き。
     
その久住さんのSNS投稿にバッシングがあったニュースが、とても残念だった。
せめて、まず久住さんの投稿をちゃんと読めよ、と思う。
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批判する前に、ちゃんと読もうよ、人々。
まあ、名前も顔も出さずに批判するような輩に何をいっても無意味だけど、
    

   

こんな事が当たり前になっていったら、日本は文化をなくすよ。

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飲食店は、飲食物を提供するだけ、でいい、と考えれば、
そんなものありだろう。
   
決まった仕事をするだけのスタッフが、決まり事だから「ありがとうございます」を言う店にもニーズがあるのだから否定しない。
一方で、チェーン店でタッチパネルだけど店員さんがとても感じがいい、と言うだけで嬉しくなったりすることもあるし、少なくとも僕は、人間なので、人から優しく、大切にされたら嬉しい。

 
飲食店に対して、、僕は、

そう言う人様に喜んでもらえる「気持ち」を

「美味しさ」と一緒に提供する

べきなのだ、
  
とは言わない。


でも、そうであった方が圧倒的に嬉しい。
人が嬉しい、と思うこと、を世の中に提供することは、尊く、美しいことだ。

   
そうやって、ご飯を食べて人の優しさに触れて、店をでて、さあ、午後も頑張ろう、
なんて、誰かが思う。そう言う人がいっぱいでてくれば、
それは国力だ。日本を強くする何かだ。
  
     
そんな話をするとき、いつも熊本のトンカツ屋さんを思い出す。
勝烈亭、と言うチェーン店だ。
 
熊本で、急にトンカツが食べたくなり、ネットで調べたら、新市街のアーケード入り口付近に大きめの店舗がある事がわかっていってみた。
すでに待ってる人がたくさんいて、どうしようかなぁ、、って思ったら、年配の男性従業員さんが、

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「だいぶ待ちそうに見えますが、回転が速い店ですので、

 おそらくは15〜20分ほどでご案内できると思うのですが・・」

 

と声をかけてくださった。
なので、待つことにした。

15分ほどで、店内に案内されたけれど、その間に、一度、
「もう、すぐですから」とわざわざ言いにきてくれた。
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入店時に、その男性従業員さんがギターを預かってくれた。
「お帰りの際、私がいなくても誰でも対応できるのでギターの件お声がけください。」
と言われた。
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メニューが豊富で、その時は、日替わり定食らしき、
ヒレカツ、ロースカツ、エビフライ、の定食を注文した。
こんな感じの定食だった。
(写真は勝烈亭さんのHPより拝借)

  
待つ間、お給仕係のおばさま方が、ソースのこと、食べ方のこと、漬物のこと、実に丁寧に説明してくれた。
 
定食は、カツの火入れも、本当にうっすら、とピンクがかっていいる、くらいの完璧なカツだった。
食べている間も、
  
キャベツのおかわりは、
ご飯のおかわりは、
お茶のおかわりは、
   
と、実に甲斐甲斐しく、従業員さんが見てくれていた。

始終笑顔で。

食べ終えて、会計をした時、レジに立ったのは、
高校生??っと思ってしまうくらい若い男性店員さんだった。
支払いを済ませて、ギターを預けている旨を話そうとすると、
こちらが言う前に、
   
「ギターをお持ちしますね」
 
と、言って裏に行き、戻ってくる時、彼は、
ギターを、

赤ん坊を抱えるように大事そうに抱えて持ってきて、渡してくれた。
  
  
めちゃくちゃ、感動しました。
なんか、うっすら涙出るくらい感動しました。
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日本って、すげえな、って思ったの。
 
これを、飲食店のすべてに要求はしない。
 

でもね、このお店は、特別高級店でもなんでもなくて、
特別なサービスを売りにしてるわけでもなくて、
ごく普通の値段、いや、むしろ安いくらいのリーズナブルなお値段の、
チェーン店です。
 
できるところはできる、と言うより、
結局のところ、店の「心」がすべてなんだろうと思うな。
世の中で、どういう店でありたいのか、と言う志の問題なんだろうと思う。
   
日本は今、どんどんそれを失っていると思うよ、僕は。