そんなに怖くないけど、
怖い話だめ、な人は、読まないで。




ある中学校でクラス対抗で、全校生徒、体育館で1日かけてのグループ自主研究発表会があった。
ほとんどがひと班6人編成、2年2組B班(以降B班と呼ぶ)もやはり6人だった。
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B班は、学校創立以来の「七不思議」と呼ばれる都市伝説を調べ上げ、特に怖い、不気味、な話を6つの話を選び、
6人それぞれ1話づつ発表し、最後に全員で、せーの、で、
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「七不思議、と言っておいて、6不思議しかなかった、ってのが、最後の不思議です」
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というオチを用意して、はっきり揃って聞こえるようにしっかり練習をして望んだ。
        
    
本番は、無事に6人それぞれのネタを滞りなく発表し、せーの、で最後のオチもキレイに揃い、6人みんなが、
      
「決まった!」
   
と思ったのだが、会場の生徒たちの反応は、何か、え?というか、ポカン・・と言うか、なんとも釈然としないものだった。
    
意味が通じていないのだろうか・・、最後のオチでスベってしまったとなったと、意気消沈した。
    

  
教室に戻り、その日の最後の授業、反省と感想を各班、発表する際、担任の教師から、
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「B班は、惜しかったなぁ、、、
 ちゃんと7つ不思議を発表しておいて、
 
 6つしか発表していない、
 7不思議なのに6つしか無いと言うのが、7つ目の不思議だ、
   
 って真顔で言うオチは、不思議な不気味さがあって、僕は好きだったけどなぁ、、、」 
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クラスメートたちは口々に、


「そっかー、あれ、わざとだったんだ?」
「なるほど、そう言うことだったんだぁ」
「7つ発表してるのに、何言ってるの??って思った」
 
と、みな、やっと理解した、かのようないいぶりだ。
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B班のリーダーの女子が、

「ええ、、何言ってるのみんな、6つしか話してないよ
 7不思議って言っておいて、6不思議ってのが7つ目の不思議、
 っていうオチなんだから」
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と言って、班のメンバーの顔を見る、みな、そうだよそうだよ、と頷く。
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担任教師が、

「それもネタなのか?
 全員7つ聞いたと言ってるのに、6つだって言い張るってのは・・・。

 教室に戻ってまでネタがあるって、本当によくできてるじゃないか、
 すごいな君たち」
  
教室のみんなが、すごーい、と笑い、拍手をする。

B班リーダーは、

「違うって、本当に6つだったって!!」
  
と叫ぶ。

一人一話ずつ、6つしか話していない、と言い張るB班メンバーに、みな、だんだん呆れ始める。
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もういいって、
わかったよ、しつこいって・・・
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B班6番目に発表した女子が手を挙げて皆を制し、こう言った。 
     
「あの、6つ目の話を発表したのは私だったの、わかるよね、みんな
 6つ目の不思議です、って、私、最初に言ったから」
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皆、うなづく。
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彼女が次に放った一言で、全員が凍りついた。


「じゃあ、7つ目の話を発表したのは、誰だったの?」