昨日から、京都一乗寺特集になってますが、、、、。
       
まあ、つまり、天下一品総本店を挟む形で、友達の店があるわけですよ。
       
一つは、昨日紹介した、

北大路白川西入二筋め南入20m東側
喫茶リュノウ
   

  
ほいで、、、
もう一軒。

これは、カレーの名店としてもう何十年も愛されてきた老舗、

「ガラムマサラ」


  
この店には実はいろいろドラマがある。
  

僕は、オーストラリア永住権取得を目指して、
宝石店での職歴と宝石鑑定士の資格を取るため、
と、今の奥さん、当時の彼女を追っかけて、という二つの理由で、
オーストラリアから帰ってきてすぐ、23歳で京都で宝石店に就職して住み始めた。
1992年頃だ。
   
1年ほどで、外商担当になって、毎日車でお客さんのところを回ってた時期がある。
その頃、北白川あたりの地域に行くと、よく行ってたカレー屋さんが「ガラムマサラ」
     
この言葉は今でこそ、スパイスの名称として耳慣れた言葉だから、初めて聞く人は、随分ベタな名前だな、って思うだろうが、当時は「ガラムマサラ」なんて言葉はプロかよほどのカレー通でなければ知らない単語だった。
     
   
すでに有名店で、小さな店舗に行列ができる店だったから、いつも開店と同時くらいに行ってた。
当時はお踊りに面してなくて、ちょっと西の奥に入ったところに店がった、

     
失礼を承知で、僕が無遠慮なクソガキみたいな若者だった当時、
そう呼ばせてもらっていたよしみで「ばあさん」と呼ばせていただく
          
    
初めて行った時、名物店主のばあさんに、
   
「あんた、初めてやな、初めてはビーフにしとき!」
  
と言われ、うーん、そもそもビーフのつもりなんだけど・・・
と思いつつ、ビーフカレーのセットを頼んだ。
まったく知らなかったカレーだった。
まったく知らない味なのに、ものすごく馴染みやすく、とにかくうまいカレーだった。
で、、北白川あたりに行く時には通ってた。
    

   
一見してサラリーマンではない派手なスーツに関東の言葉、
ってのも珍しかったんだろう、、
ばあさんに顔も覚えられ、僕はご本人をばあさんと呼び、

「面と向かってばあさん言われたら、ばあさんみたいやんか」

と言われ、
  

行っても自分で注文することはなく、いつも、ばあさんに

「あんたは、ビーフやな」
と言われて言われるがままにビーフカレーを食べ、
そのうち、
「あんたビーフしか頼まんな・・・」
と言われて、
いやそればあさんが決めてんじゃん、、と言い返した。
  
  

スーツの上着を脱がずに食べてると、

「あんた、背広ではちゃんと昼ご飯休憩にならん!!」

って行ってばあさんに無理やり脱がされた。
        

そういう店だった。



そういうことにすごい愛情を感じるばあさんだったし、
なにより、カレーが唯一無二だった。

僕の中ではガラムマサラのカレー、っていうより、
「ばあさんのカレー」
だった。
いつも忙しかったから、たくさんお話をしたことはない、
挨拶をするだけだけど、、でも、店の味、というより、ばあさんの味、だった。
    

    
ある日、当時の彼女(今の奧さん)を、
よく行ってるすごくうまいカレー屋があるから、、と連れて行った。
そこで、彼女の口から衝撃の事実が、、、

「ここ、同級生の家だけど・・・」


ガラムマサラには、ばあさんの他に、看板娘のような人がいて、
娘さんなのかな、、、とは思ってた。
それが、僕の奥さんの高校の同級生で、今の店主、
永原律子さん、
   
りっちゃん。


今のガラムマサラの凄さは、このりっちゃんにある。

詳しくはこちらで。

 

  

僕の中で、りっちゃんに申し訳なく、
また、僕があんまりガラムマサラに関して詳しくは語れる人間ではないな、って思ってることがある。

僕は「先代のばあさんの時代のガラムマサラ」をよく知っている人で、まだりっちゃんの味をしっかりしらない。
ガラムマサラに行くとついつい昔からのばあさんの味を継承した、ビーフカレーを食べてしまう。
もちろんこれだって、当時のそのままではない。
りっちゃんが進化させたものだ。
でも、あの頃のばあさんの味は、決して消えていない。
そりゃ娘だものね。


とはいえ、りっちゃんが若い時からインド、オールドデリーの老舗レストラン
モティマハルで4年間修行し、その後も通いつめて作り上げたりっちゃん独自のカレー、
っていうのを、奥さんが食べているのをちょこっとつまむ、くらいにしか食べていない。
めちゃめちゃうまい。

このあいだ、奥さんは、ランチの
アジのカレー、バターチキン、のセットを頼んだ。



両方とも少し食べたんだけど、、、、
めっちゃくちゃうまい。

懐かしのばあさんのビーフカレーの味から離れられずに、ついついビーフを頼んでしまったことを
ちょっと後悔するほどうまい。
 
りっちゃんが修行したオールドデリーのモティマハルは、
バターチキン発祥のレストラン。
タンドールで炭火焼したチキンを入れてカシューナッツでとろみをつけた
本物のバターチキン。

そして、アジのカレーは、すごくしっかりなのに嫌味のないコリアンダーの香りがキマってる、
サラサラのカレー。
 
めっちゃくちゃうまい。


そういう事もわかっていながら、ついつい


 
あの頃通った、ばあさんのビーフカレーを食べてしまう。

遠すぎるのよ、
京都だもん、

しょっちゅう寄れないから、ついつい、ってところなのね。

ちなみにレトルトがある。


ほんとに良くできてる。
そりゃ、お店で食べるのにはやっぱり及ばないけど。
これはこれの良さがあるし、家で食べられるってのもいい。
   

    
だから、ビーフはこのレトルトを食べることにして、、、
今度行った時こそ、絶対にりっちゃん独自の味、を食べる。
って今は決めてる。

当時からある、この、サモサ、がまた絶品。
そして、インドビールと最高。



当時はなかった、クラフトコーラ、自家製ジンジャエールもおすすめ


そして、カウンターには、僕がよく座っていた、
当時の店から続いているこの椅子。




ばあさんの味を伝承しつつも、
本場インドのカレーを長期学んで独自のスタイルでお店を発展させてきた
2代目店主、りっちゃん
  


最高に好きなカレー屋さん。
 
京都で、そうだな、銀閣寺くらいまできたら、一乗寺はもう少し。
もちょっと北。
    
ガラムマサラも喫茶リュノウも、べつに僕が宣伝するまでもない人気店。


なんだけど、
   
いずれは、ユウサミイの聖地、みたいに言われちゃうくらいに
まず、俺が自分の活動頑張れ!!

なんて、勝手なこと思ったりするのです。