明日、京都に行きます。
本当に、いいお義父さんでした。
    

       
忘れられない思い出がある。
    

   
まだ僕が京都に住んでいた頃、僕は奥さんの実家の近くに住んでいて、奥さんは週のうち2日くらいは僕の社宅にいて、まあ、そんなだから、奥さんの実家にも時々顔を出していたし、奥さんの弟と三人でスキーに行ったりもしてたし、、
奥さんの実家の方では、ちゃんと結婚すんのかなぁ、、くらいに考えていただろうと思います。
     

    
当時、僕は、オーストラリア永住の夢に向けた最終段階で、京都の宝石店で店長をしていて、、結婚する気はあるけれど、オーストラリアでビジネスビザを取る際に、配偶者がいない方が取りやすい、みたいな事情があって、とにかく奥さんの家族へ、どう説明したものかなぁ、、って考えてた。
で、、もう、正直に、状況を説明しようと、きっちりスーツも着て、奥さんの実家に行ったわけです。
              

         
最終的に、オーストラリアに連れて行って永住したい、ビザを取る過程で、永住権の前にビジネスビザを取得する。まずビジネスビザを取得するまでは、結婚ができない。でも、ビジネスビザで1年ほどしたら、影響も出づらくなるので、それからちゃんと籍をいれます。結婚式はしません。
   

        

僕が、お義父さんに言った内容は、そう言う事です。

    

       

ふざけんな!って、ぶん殴られて当たり前みたいな話だよね、もちろんそういうつもりで言った。
なにを言われても、僕には僕の計画があり、最終的に二人で幸せになるために必要な事だという判断があるのだ、と、常識から外れていても、志を以って調べ上げた事情から、冷静に将来を考えての事である、と、説得をするつもりで言った。


   
そしたら、お義父さん、
  

「この歳まで好きにさせてきた娘だ、本人がいいというなら、それでいい。

こちらから言うことはなんにもない、まあよろしくお願いします」
   
それだけだった。

    
そして、「真珠とプラチナで、ネクタイピンとカフスボタンのセットを作ってほしい、出来合いの物ではなく、ユウ君のいいように作ってほしい。もちろん金は払う」って言うわけです。
      

     
僕は宝石屋の店長さんですから、一番シンプルに、なかなかシュッとした真珠のダイバー、カブスセットを作って、売ったわけです。
いえいえプレゼントします、とか、変な感じになっちゃうし、ちゃんと店の売り上げとして買ってもらいました。


       
数ヶ月して、埼玉から、うちの両親が挨拶に来た。

  
オヤジが、そこはちゃんと挨拶をせにゃならんって言うんで、京都まで来たわけです。
なかなか緊張するもんです。
    
お義父さんもスーツ着て、お義母さんも多少おめかししてですね、なかなか堅苦しい感じになるわけですが、
とりあえず、挨拶をした後に、お義父さんは、ネクタイを持ち上げて、僕がしつらえた真珠のネクタイピンを、僕の両親に見せ、
          

   
「これな、ユウ君に、作ってもらいましたんや」
       

ぶっちゃけ

「この人かっこいい!!」

って思いました。

   
物静かで、粋な人でした。
      
  
最後に、奥さんを実家に返し、少しの間でも近くにいられてよかった。
 
義父がいなかったら、僕と奥さんの35年間もなかった。
ただただ、感謝するばかりです。

明日(というかこのブログ記事が出る時は今日だな、)
会いに行ってきます。

通夜。告別式、

親族としてしっかり手伝ってきます。
    

  
京都、もうすぐ桜が咲くなぁ。