先日、久しぶりに用事で1日出かけてかなり歩いた。
歩くのが好きだし、歩く事にすごく自信を持ってる。


2〜3キロ歩くのは全然苦じゃない。
東京の人ならわかるだろうけど、、、
じゃあ、例えば、中目黒駅から渋谷駅は僕にとって、全然徒歩圏内だ。
つまり、30分くらいなら、むしろ時間に余裕があれば歩きたい方だ。
  
ただ、年明けからいろんな事情もあって体調を崩していたので、
少し疲れたな、、
と思った帰宅時。
最寄駅から家に向かう帰路で、右の靴底が、カサカサと道路を擦るようになった。
   

       
「あ、、、靴底剥がれたな・・・・」


思い出のいっぱい詰まった靴だ。

    
エアマックス95 イエローグラデーション。
もちろん、95年のオリジナルではない。
何度目かの復刻版だ。

   

1995年7月。 
僕は当時、京都で宝石店の店長をしていたのだけど、

会社を一週間お休みしてオーストラリアに行った。
永住計画を進めるために、英語で書いた履歴書を40セットほど用意して
オパールを主に扱う店を探して
    
「これこれこういうわけで、オーストラリアに住みたいと、
だから、まずビジネスビザをとってもらって、
永住権を取るサポートをしてほしい、
その代わり、僕は間違いなくあなたの店の武器になるよ」
       
って、街を歩いてめぼしい店をかたっぱしから、飛び込み営業で就職活動してまわった。
   
その時、もちろん就活にはスーツに革靴だったけれど、、
それ以外の普段着用には、新品ピカピカのエアマックス95を履いていった。
      
確か、、発売してすぐに買った、
ただねぇ、、、なんとなく、僕はエアマックス95、
94年に発売したような気がしてならないんだけど、そんな記述はどこにも見当たらないので、
僕の勘違いなんだろう・・・

その後「エアマックス狩り」などといって、この靴を履いているとギャングに襲われて剥がれたりという、バカバカしい現象がたくさん起こった。

だから「持っていても履かない」そういう靴だった。
僕は普通に履いてたけど・・・
        

        
初めてオーストリアに行った1988年も、お気に入りの靴を新しく買っていった。
その時はコンバースの白地に赤い星ワンスターだった。
  

紆余曲折を経て、永住の夢と十分な準備を抱いて再度オーストラリアに渡ったとき、
気に入ったこの靴を履いていくことに、きっとなんか意味を乗っけてたんでしょうねぇ。。。

なんにも乗りゃしないと思うんだけどね。

可愛いねぇ・・27歳(かな・・)の僕。

  
    
無事に第一希望のゴールドコーストで、サポートしてくれる店を見つけ、
翌1996年に渡豪して、、

たった20万円持って単身乗り込み、
ビジネスビザも取得し、永住権も取得し、家も買い、
いつの間にか、ミュージシャンを志し、日本へ完全撤退を決め、
永住目的で渡豪してから17年後の2013年

      
撤退の最終仕上げ、、、家の売却のため年明けから、奥さんをゴールドコーストに帰し、
奥さんを間に不動産屋とやりとりをし、オークションの日時を決めて、
ゴールドコーストに最後の用事のために戻った。

   


女性の声がするのは、奥さんではなく、友達のかずれちゃん。
(本名はかずえ)

           
オークションで家も無事に満足のいく形で売れ、、
ほっとして、最後の我が家を満喫していたのが、この動画。


家を買ってくれた生まれたばかりの子供がいる夫婦はすごくいい若者たちで、
一番いい形で家を引き渡したい。
そうやって掃除なんかしながら最後のゴールドコースト生活してたある日のこと、、
   

ふと思い立って思い出のクラブ跡地に行った。 
17年前、就活が終わると、普段着でエアマックスを履いて、ホテルをでてすぐのクラブで飲んでた。
僕が1988年に最初にオーストラリアに来たばかりの時からあったクラブだった。
残念ながらそのクラブは2013年にはもう無くなっていて次になにをするのか空き家の状態になっていた。
そのクラブ跡地の前で写真を撮った。
  
これがその時の写真。



この直後、まちをフラフラ歩いてたら、、、
FOOT LOCKER に、あのエアマックス95が飾ってあった。
  

あれから、、

時々、復刻版みたいのが売ってるな・・とは思ってたけど、別に欲しいと思わなかった。

あったら意外とカッコいいかもな、なんて思ったりはしてたけど、特別買いたいとは思わなかったのだけど、



飾ってあったのはすごい大きなサイズで、
店に入って、店員のお姉ちゃんに、
「これ、僕のサイズあるかな???」
って聞いたら、

「ごめんねー、残念だけどない」って言われた。

 
そしたら、別のお姉ちゃんが後ろから来て、
   
「取り置きがあるじゃない、、
 あれ、あのお客さん
 もうずいぶん経つのに、2回も電話して全く連絡してこないし、
 もし、サイズが合うなら出しちゃっていいよ」  

  

       
で、、、僕のサイズだった。



この写真、上のエアマックスが新品だった時の写真です。
2013年、9年前の写真です。
facebookに、これを買ったという投稿を9年前にしているのです。
なんだろうね、、
運命なんて大袈裟な事じゃない。

ただ、いつでも売ってる靴じゃない。
今、買おうと思っても、たぶん、探した探して四万円くら出さないと新品は買えないんじゃないかな・・
それだってデッドストックであって、厳密には新品、じゃない。
この時は、たまたま復刻版がでて、フットロッカーに置いてあった最後の僕のサイズ、
取り置きしたヤツが取りに来ないから残っていたんだ。
  


そうやって、僕は、
1996年に、永住権取得計画ためのオーストラリア入国の第一歩をエアマックス95を履いてブリスベン空港で踏み出し、
2013年に、ミュージシャンとして日本で生きるため撤退を決め、ゴールドコースト空港から、エアマックス95を履いて、オーストラリアの地を離れたんです。


足にもよく合うし、なにかと便利な靴で、割と高頻度で履いてた。
で、9年経って、




そうだよね、
靴底が剥がれただけじゃない、もう、それなりによれよれだ。
まあ、9年履いた靴、と考えたら、結構いい状態だけど・・・
色もずいぶん褪せた。
  


靴底は、直すことはできます。
クリーニングもできるから、すこしは綺麗になる。


ただ、もういいかな。
バカだなぁ、、って思うかもだけど、
記念に取っておくの。

こいつらと一緒に。



で、また、いつか、エアマックス95イエローグラデが復刻して
それなりに納得のいく、普通の値段で買えるならまた買おう。
僕は、プレミアムついて高くなって、みたいなものは決して買わないんだ。
普通の値段でしか買わない。
   

     
    

そういえば、、

こういうムックがあります。


これの、右のVol,2 だと思うなぁ、、

こういうデザインのエアマックスが載ってます。

  



  

      
その写真、実は、僕の足です。
  
表参道サカスの前くらいで、たまたま歩いてて、
靴の写真撮らせてもらえないか、って言われて、
協力したの。
 
この写真が載ってるんじゃないけど、
現物これ。



だよーん。