若い頃、結構本気でプロミュージシャンになるつもりでいた。
歌じゃなくて、ベースって楽器だったのね。
    

 




   
でも、まあ、いろんな事あって諦めて、
     
で、オーストラリア行って、、、
いろいろやったけど、永住権取るのは難しくて、
一度日本に帰って、
永住権取得計画の第一歩として京都に行って、
     
5年半、
        
その間に、職歴つけて、
アメリカ宝石学会の宝石鑑定士の免許とって、
1996年にオーストラリアに、本格的に永住目的で戻った。
      
その間、まるっきり音楽をやめたわけではなかった。
       
    

京都にいた時代も、木屋町のアニエスBの前でストリートミュージシャンやったり、
プロミュージシャンの友達と趣味のバンドをやってみたり、、    
でも、もうプロになるってつもりは全然なくなってた。



オーストラリアで永住権とって、完全に移民になって、
普通にこのままここでずっと暮らしていくんだろうなぁ、、
って思うようになって、、、
   
で、また、ちょいちょいストリートミュージシャンやったり、
バーで歌ったりし始めて、そんな風に、

〜 昔、僕はミュージシャンを目指していた 〜
を、どこかに引きずりながら暮らしていた。
  
   
「僕は昔ミュージシャンでした、
 今でもそこそこはできるよ」
  
みたいなね、、
そんな風に思っている自分がだんだん嫌になってきて、
          

(ゴールドコーストってこんなサイズの酒屋さんが
 いっぱいあるよ)
       
        
自分もだいぶおじさんになったなぁ、、なんて思った頃の事だ。
           
まあ、もういい加減で話してもいいのかな、って思うから、
最近はあんまり隠さないけれど、、
    
その頃僕はなぜか、心を病んで、
           
                   
このまま、ちゃんと生きていけるのかな、、って思っていた頃、
音楽をもう一度やろうって思って
(まあ、それを勧めてくれた人がいたのだけど)  
この歌を作った。
   

 

         
       

その時の思いの全てがこの歌の中にあって、
僕はこの歌を作って、できあがった音源を聴いた時、たぶん、
       
        
僕は絶対に歌で生きていける!!
いや、歌で生きていく以外に、おそらく僕が生きていく方法はない、、
死なずに済む方法は他にない、、
それでダメなら、もう僕はたぶんもうダメだろう、、
       
  
くらいまで思い詰めていた。
        
            
     
チャレンジ、ではなかったのです。
       
それ以外に、僕にはもう選択肢がない、と思っていた。
そこに悲壮感、とかはなくて、そこで初めて、
        
これだ、これ以外にない、
       
と、たった一つ、照らされていた道だった。
だから、希望の光、だった。
        
       
事実はどうあれ、あの時の僕は、
自分で「そう思いこむこと」にすがっていたのだと思うし、
そういう、すがるほど強い心で、自分はいける!!って信じたんだと思う。
       

        
     
自由になったなぁ、
あれから僕は、ほんとうに自由になったと思う。
    
今だっていろんな問題の中で生きている。
でも、少なくとも、たくさんの光が見えるところで生きてる。
      

        
あの頃、何がいけなかったのか、何故、心を病んだのか、
今になれば、だいたいわかる。

でもね、その当時はやっぱり若かった。
自分の体や心が発していた悲鳴を、
完全に無視できるくらい若かった。   
         
      
そして、全てを自分の責任で考える意識も薄かった。
誰かのせいにしたかった。

      
   
    
    

   
     
             
なんで、こんな事、書いたかって、
  
メールをもらったんです。
匿名で。
    
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  
    
今回の僕の新作「Now and Back Then」を、
お知り合いからプレゼントされたのだそうです。
        
「今、この人の歌を聴いて欲しいから」って、プレゼントされたと。
                   
     
匿名ではあっても、プライベートで送ってくれたメールです。
詳しい内容は話さない、
       
       
       
ただ、
Flowerを、
何度も何度も何度も、繰り返し、聴いてくれたそうです。             
     
            
僕は、この歌を作って15年以上たって、
あの時自分をこの歌で救ったように、、、
たぶん誰かの人生を、
とりあえず、崖っぷちからは救う手助けができたのだろうと思いました。
             
とにかく、一旦、崖っぷちから手を取って安全なところに連れていって座らせるところまで、を、
手助けできたのだろう、と思いました。
     
         
     
僕は、僕自身のために歌を作って歌っているだけです。
誰かに、同意を求めてもいないし、誰かを救おうとも思っていない。
メッセージ性、は、きっと強いのだろう、そう言われるから。
だけど、思想を伝えようなんて思ってやってるんじゃない、
         
僕にはまだ世の中にわかんない事ばっかりで、
できない事がいっぱいあって、今も、たくさん間違って
誰かに道を示せるような、立派な人間じゃない。
                
ただ、自分はこう思うのです、
自分はこう感じました、
と言う自分の歌を歌いたいだけです。
         
         
        
でもね、今、ギリギリのところで、たった一人で踏ん張っている人に、
    
僕もそうだったんだよ、、って
そういう時があったんだよ、って
             

だから、あなたにも、絶対越えられるはずだ、と、
言ってあげるくらいの事はできると思うんだ。
         
        
        
             
もう、ほんとうに明日どうやって生きたらいいのかわからない、
生きていたいのかもわからない、
と思って生きていた事がありました。
  
夢も叶えた、お金もある、住むところも、仕事も、食べ物もある、
なんにも不自由していないのに、
    
なぜか、ただ毎日が怖くて、明日どうすれば生きていられるのか・・・
を必死に考えていた日々がありました。
         
              
例えば、火の元を確認せずに家を出てきてしまったのを
1時間後に50キロ離れた場所で思い出したようなモーレツな不安感、   
30階建てのビルの屋上の角に立って強い風が吹いてきた時のような恐怖、
次にどんな(理由のわからない)恐怖感や悲しみが襲ってくるのだろう、、、という恐怖、
                    
      
なぜ、そう感じるのかも、
どうすればそんな気持ちを拭いされるのか、
原因がわからないから取り除けないままのそれらが、
突然に襲ってくる恐怖をずっと感じて縮こまっている中で、
          
どうやったら、明日、生きていられるのか、を、
          
ベッドに入って、
30分考え、30分ウトウトして、
30分考え、30分ウトウトして、を繰り返し
そうやって、気づけば外は明るくなっていて、
       
僕は寝ていたのか、起きていたのか、
ここはどこなのか、なんでこんなに全体にグレーなのか、、
   
    
僕はこの後仕事にいかなければいけなかったんだっけ? 
寝た気がしないな、もう何日も・・。
熱があるな、7度5分はある、測っておかないとな、、
頭が痛い、体が痛い、胃がいたい、お腹がいたい、
口の中に口内炎がいっぱいできてて、何も食べたくない、
ヘルスメーターにのって、、、55キロか、そろそろヤバイな、
    
     
でも、なにが原因なのか、なんにもわからない。
そして、説明のしようもなく、誰にも理解もしてもらえない。
   
     
まさか、自分がそんな風になるなんって考えたこともなかった、
そんなものは、心の弱い奴が甘えで言ってるだけだ、
僕もそう思ってた。
       
      
病気、、  これ「病気」なんだ、、
って、初めてそこで認めざるおえなくなった。
                     
         

そうやって、Mental disorder だと、、
Depression と診断されて、医者にもらった薬と生活していた時期がある。
それもかなり長い間。 
     
                   
でも、それが、僕が、歌を歌うきっかけになった。
それがあって、今がある。
つらかったけれど、
全て、が悪い事ではなかったんだ。
      
    
     
      
もう、54歳だからね、
そういう事が僕にもあったんだよ、と話してもいいんだと思います。
   
明日、もうダメかもしれない、、
と思っていた頃からもう20年もたった。
   
後遺症、のようなものは、今もずっとある。
      
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
        
 
越えるんです。
今を越える。
     
弱くていい、強くなろうとなんかしなくていい、
せめてまず、今を越える、だけを考える。  
            
だからそのために我慢する事を覚える。
どうやったら、我慢する時間を超えていけるのか、耐えていけるのか、
             
          
今、ここに生きている「感覚」を覚えて、集中する、
肌に空気があたるとこ、布地があたるとこ、
ジーパンから、靴下に、下着のパンツにかわるとこ、
顔が汗ばんだら、汗が顔についているに集中してみる、
その時、どこかで車の音がしていたら、音に集中してみる、
どのくらい遠くにいるのか考える、
そこからここまで同じように空気があって、その間に人がいて、店があって、
そして、皮膚にあたるところまで空気があって、そこから自分の肉体になる。
僕は、間違いなくここで生きている。
順序立てて、そこで、自分が生きている事、なにも問題なくそこに現実がある、を感覚で覚えていく。
   
        
空を見る時も、海を見る時も、月を見る時も
靴を履く時も、買い物に行く時も、いつもいつも、
体に触れる何かの感覚と、視覚聴覚で受け取ったものの関係性を、確かめながら歩く。
       
     
スーパーに行けば、果物の匂いがある、魚の匂いがある、野菜の匂いがある、
そこに、間違いなく、現実の命がある。
それを、いちいち確かめていく。
   
         
左足をだして、右足を出せば、人は歩ける。
フィジカルに動けなくなって倒れない限り、
僕はもう自分が負けることを自分に許さないって決めた。
熱が出ても、口の中が痛くても、歩けるなら歩く、
      
       
苦痛は無視する、
腕をもがれた、足がとれた、そんなたいそうな苦痛じゃないはずだ、
声を出さずに我慢できるなら、無視する。
          
        
倒れたら、誰かが助けてくれる、だから人のいるところにいる。
どこにいても決して一人にならない事、って、あの時、僕は決めてた。
              
体が動かなくなっても、呼吸が止まりそうになっても、
そこに、なん人かの人がいれば必ず救急車を呼んでくれる。
必ず誰かが助けてくれる。
        
それをしっかりわかれば、一番怖い事のうち一つはなくなる。
不思議なもので、それだけで、倒れるこむようなPTSDはなくなる。
  
頼っていいんだ、を知れば、
恥ずかしい事じゃない、病気なんだと開き直れば、
そこに少しの心の余裕ができる。
少しの余裕を毎回重ねていけば、自分でなんとかできる、と思い始める。 
  
             
         
それでやっと、自分でなんとかするんだ、
僕に起こる事、すべて、自分の責任なんだ、
これを一人で越えれば、次もきっと大丈夫だ、
          
    
って思えるようになってくる。
      
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
        

がんばれ、って言うな。

・・・って言うよね、よく。

    
鬱の人にがんばれって言っちゃいけないっていう。
      
たくさん勉強したお医者さんが言うんだからある程度正しいんだろう。
実際に、がんばれ、では、どうにもならない事だってあるだろうし、
逆効果になることもあるんだろう。
    
         
でもね、
        
がんばる、以外に、僕は出口をみつけられなかった。
少なくとも、僕はにはみつからなかった。
がんばらなくていいよ、って言われて、どこにいけばいいのか、何をすればいいのか、
全くわからなかった。
    
       
俺は絶対にがんばる、と、絶対に治す人生を取り戻す、とあの時、死に物狂いで決意しなかったら。
脱出する事ができたのか、、僕に、今は、あったのか??
正直、疑問だ。
         
           
   
だから、知ってる事しか話せない僕は、
僕は頑張りました、としか言えないのです。
         
         
そして、もう一つ、そこ越えてしまったら、
      
あの時を、あれを越えた、と思ったら、
もう、怖いもの、ないです。
   
世の中にもう、大事な人が死ぬこと、
くらいしか怖いものって、
なくなるんです。
          
     
全てが、無事に自分の周りに、
       
ちゃんとある。
    
というだけで、もう、いいや、って思うようになるもんです。
  
          
「Flower」は、そのくらいの頃に、

絶対に今を越える
って思う、気持ちの全てを注いだ歌です。
        
      
I only wanna live like a flower

「僕はただ花のように生きたい」


    
        
だから、
     
がんばろー。
      
しか、僕は知らないから、がんばろー、しか言えない。
 

  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ユウサミイのCD