隔離中に図書館から借りた本 | 優作のひとりごと 英国日記

優作のひとりごと 英国日記

英国の田舎での一人暮らし
日々のランニング、色んな病と格闘しながらも
ペットのうさぎに癒される毎日

日本に一時帰国して

2週間の隔離生活中

妻が図書館に行って

本を借りてくれるというので

 

折角日本にいる間に

読みたい本は何かなと考えて

思いついたのは

食べ物の事を書いた本で

 

題名がなかなか思い出せなかった

のですがもう2-30年も前に読んだ本が

何故かもう一度読みたくて

妻に相談したところ

 

直ぐにその本のタイトルを思い出してくれて

図書館のホームページで

その本を予約してくれました

 

翌日に図書館からその本を入庫したとの

知らせがありすぐ妻が取りに行ってくれました

 

これを機会に

以前日本に住んでいたときに

読んだ本を次々と思い出し、

懐かしく、もう一度読んでみたいと

思いはじめました。

今読んだらきっとその時とは

また違った感想や発見が

あるんだろうなと思います。

読書感想文を書いてあったら

おもしろかったのですが...。

 

 

さて、その本についてですが

 

川島四郎さん

サトウサンペイさん

の共著で

『食べ物さんありがとう』

という日本人栄養学講座

と称して

元食料産業研究所長の川島さんが先生で

新聞連載漫画フジ三太郎を描いていた

サトウさんが生徒という設定で

対話形式で話が進んでいくのですが

とてもテンポが良く

分かりやすく栄養の事を

教えてくれます。

 

他に続編で

 

『続食べ物さんありがとう』

『続々食べ物さんとありがとう』

『もう一度食べ物さんとありがとう』

 

(日本にカスピ海ヨーグルトをもたらした

冒険病理学者/家森幸男教授

が上記お二人に加わり対談)

 

これを全て読み終えた後は

健康になるには何を食べれば良いのか

全て分かったような

気になってしまいました。

 

それ程、経験と実話、実験に基づいた

お話の為、とても説得力がありました

 

実際に軍隊の兵士に与えた

食料で実践的にデータを取った

上での見解は特に説得力があります

 

戦中に軍隊の携行食品として

小型乾パンを作ったのは

この川島先生のようです

 

日本の歩兵大隊の持っていた

特殊な携行食品を見て

米軍は驚いたそうで

終戦後 進駐軍の陸軍武官が

その川島先生の研究資料を

貸して欲しいと何度も願い出て

借りた後、マッカーサー司令部から

感謝状とともに半年後に返却されたそうです。

 

 

 

特に記憶に残った事柄、言葉は

 

”海の水は美味しいだし汁

土はカツオブシのだしがら”

海の中で生きている魚には、

海草同様

今の地球ができる時、陸地から海に

流れ込んでしまった貴重な栄養分、

稀有元素があるそうです

 

”火山国の地上にはカルシウムが少ない”

”ドーバーの白い崖はカルシウムの証明’

”カルシウムはイライラを鎮める”

明治後期にドイツから栄養学者

が来日して、東大で初めて栄養学を

講義したロイブ教授は

コーヒーを飲むときカルシウムの粉を

入れていたそうです。

日本滞在が6年の予定だったため、

日本の食べ物を分析し、

ドイツと比較して他の成分はほぼ同じ

だけれどカルシウムだけは日本の食物に

少なかったためだそうで

好きなコーヒーにしょっちゅう入れて

飲んでいたようです

ドイツ近辺の土は欧州では

カルシウムが少ない方で、

それでも千葉でとれたほうれん草と

ドイツのそれとでは

4倍の違いがあるそうです。

 

”ヨーロッパで大豆は育たない”

今から700年前ジンギスカンがヨーロッパに

攻め込んだ時、進軍していった土地で

ソバと大豆を蒔いたけれど

ソバは育っても大豆は育たなかったそうです。

ヨーロッパの大地には大豆の実をならせるのには

なくてならない根粒菌がないからだそうです。

(ルーマニアとか東ヨーロッパでは

育てているようです)

 

明治時代のウィーン万博で

日本は寒天と大豆を出品したそうで

その時、

フランス人は”真珠のごとき豆”

ドイツ人は”畑の肉”

と賛美したそうです。

そこで、ドイツでは大豆の成分を徹底分析し、

日本から大豆を輸入し、栽培したけれども

どうしても実が出来なかったと。

 

第二次大戦中当時のロンドン・タイムズ紙も

大豆を「肉の代用となる魔法の豆」という記事

を書いているようです。

 

 

最近は英国でもスーパーで

パックの豆腐が手に入るようになって

ありがたいことです。

値段は日本の3-4倍しますが…。

 

 

ライオンがシマウマの腸から食べた

ライオンはまず真っ先に

シマウマがついさっきまで食べていた

草が一杯つまった緑色の

腸を食べたそうです。

肉食獣でもどうぶつには青い草が

欠かせないようです

 

 

 

この書の初版が1985年とありますので

もう35年も前にこんな素晴らしい

書が出ていたとは驚きで

しかも今でも現代の人々の健康な

食生活を送るためのアイデアを

与えてくれる永遠の教科書だと思います。

 

時が経てば栄養学などは

もっともっと進化するというわけでは

ないような気がしました。

それは、この書にある

 

「人間の頭脳は発達したけれど

“はらわた”は北京原人と同じ」

 

という言葉が

その理由を上手く説明してくれている

ような気がします

 

 

一生一度

好きなものを好きなだけ飲んで食べて

死ねれば本望という人もいれば

お酒又はタバコを止めるくらいなら

死んだ方がマシという人もいま

その気持ちもとても良く分かります

 

この書の中で

サトウサンペイさんが

 

“私は長生きしたいわけではない。

死ぬまであまり長患いしたくないだけである”

 

と述べているのですが

それも

ごもっともと思いました。

 

 

さて 早速 明日は

 

この隔離期間中

二週間次女が夕食をほぼ毎日

作ってくれていたので

お返しに

お魚、お豆腐、青物野菜で

健康的な食事を作ってみようと

思います

 

 

本日も当ブログにご訪問頂きありがとうございました。