【若者の避難カフェ・フリースペースYURUYURU】6月26日編 


帰宅してからというもの、泣かずにはいられませんでした。 


陽が暮れる頃

「お腹空いてる子はいませんかぁ〜」 

と数名で固まっている警固キッズに声を掛けました。

 中学生の女子2名、その彼氏さん達が数名 

 「タダっすか?」「マジっすか?」と安全安心センターに入って来てくれました。 


 その中に意気消沈している女子中学生がいました。

 隣に座ったお友達に、声を振り絞るように悩みを語り始めました。 

 詳細には書けません。この細い肩に、どれだけの重荷を背負い、満身創痍の傷を抱きしめながら歯を食いしばって踏ん張っているのだろう。 


似たような境遇の友達と肩を寄せ合い、懸命に生きようとしている。 

 スクールカウンセラーも、先生も、警察も、何もしてくれはしなかった。 

大人を信じられなくなって当然です。 


 はじめは私と目を合わせてもくれませんでした。 

友達が立ち上がって彼女を抱きしめる。彼女は友達の腹部に顔を埋めて泣き続ける。 

友達は「幸せになろうね。嫌なことを忘れられるくらい幸せになろうね。みんなで一緒に幸せになろうね」 

とか細い声で言葉をかけ続ける。まるで自分自身に言い聞かせるかのように。 

 落ち着いた頃に彼女に語りかけました。 


 誰も助けてくれなかったんだね。貴女の味方になってくれる大人は誰も居なかったんだね。

 大人を信じられなくなっても仕方がないよね。 

今は友達だけが貴女の心の支えなんだね。

  ねぇ聞いてくれる?おばちゃんは直ぐにでも貴方の手を引いて然るべきところへ助けを求めに行きたい。 

でも今は友達の存在だけが貴女の救いなんだね。

 だから性急に貴女の手を引っ張って行こうとは思わないよ? 


でもね、もし貴女が、もうダメだ!もう限界!と思った時はおばちゃんを訪ねて来て。 

その時は貴女の味方になってくれる本当の大人を沢山連れてくるから。もちろんおばちゃんも貴女の味方だよ。

  彼女は初めて私の目を見つめ返してくれた。

 じっと見つめて話しを聴き、何度も頷いてくれた。 


派手なメイク、ネイル、身体中に付けたピアス。 

友達も彼氏さん達も皆そんな出で立ち。


  家に帰ればそこは地獄。だから帰りたくない。帰れない。


  家出少女?不良少年?更生?

 見た目だけで不良だ非行だと判断し、

立ち直させるだと? 


彼ら彼女らをそうさせたのは、

他ならぬ私達大人じゃないか。 


  助けを求めても求めても、大人の取り繕った身勝手な言い分しか信じない大人達。

  彼ら彼女らは、同じ境遇の仲間と肩寄せ合い慰め合い、支え合っていくしかなかった。


 そうさせたのは誰?何が不良だ、更生だ。


  帰宅して朝まで泣き続けた。私のインナーチャイルドも一緒に泣いているのを感じた。


  ゴメンね。申し訳なくて心が痛んで、涙が溢れて止まらない。 


  彼らは大人を信じていないから、大人に礼節を尽くさない。  

 しかし彼らは去り際に深々と頭を下げてくれた。

「また来ます」という言葉が何よりも嬉しかった。


 【本日の来店者】

 ※中学生 2名 

※高校生 13名 

成瀬元市議と高校生の娘さん。

 支援者2名。 


 タングドラムは思いの他好評です。

 来店してから1時間以上も奏でている子がいました。

 私はその子の横で「眠れ〜眠れ〜」と囁きながらタングドラムを打ち続けました。

「あっ、ほんとに眠りそうです。ふわふわしてきました。このままじゃ本当に眠ってしまいそうなのでそろそろ帰ります。」

 私からの細やかな誕生日プレゼントを手に

女子は避難カフェを後にした。