■目的のために、頭を真っ白に”している”
今の自分が適応できないような状況に
直面したときに
「頭が真っ白になる」
という表現が使われたりします。
それは、
何をどうしたら
この状況を改善できるのかが
わからない状態を示す言葉です。
しかし、これを、
アドラー心理学の立場で見ると
頭が真っ白に「なる」は誤りで、
頭を真っ白に「する」が正しいのです。
思考は短く、
本能的、反射的にやっているので
「頭が真っ白になる」を
自ら引き起こしている自覚は
感じにくいです。
しかし、
感情は目的がなければ発生しません。
「頭が真っ白になる」という感情も
何かの目的を持っているから
発生しているのです。
その”何かの目的”とは、
その状況に社会的に適応する、
という目的です。
この目的を確認できると、
「頭が真っ白になった」と感じても
混乱を最小限にとどめるとともに、
自分の主導権を手放さずに
持ち続けることができます。
■こないだ頭が真っ白になったとき
先日、フィットネスクラブの
平日午前中のヨガクラスに
出たときのことです。
ヨガは普通に終わり、
さあとっととプールに行って
泳いで帰って仕事しよう、
と思って立ち上がったときに
声をかけられました。
声をかけてくれたのは
以前からの知り合いの人だったのですが、
その内容が
「ねえ、今日仕事休みなの？」
との質問でした。
この方は
「皆、平日の昼間は
勤務があるから来られない」
という固定観念をお持ちの方で、
今までに何度か
「働く時間は自分で決めてやってるんですよ」
と説明したことがあるのですが、
どうしてもわかっていただけない方です。
今でもこの方は、
私が平日の昼間に
フィットネスクラブに居ると
「仕事を休んで来ている」とか
「有給休暇を使って来ている」と信じており、
私の説明を聞いてくれません。
そんな方から
「ねえ、今日仕事休みなの？」との質問。
ああ、またこの質問か...
また説明しても
わかってもらえないのだろうな...
プロコーチ始めてから
毎日何かしら仕事してるので
「休みの日」というのはないのだけどなぁ...
何と言ったらこの人は納得してくれるのか？
なんて考えていたら、頭真っ白になりました。
つまり、
質問されてフリーズしている状況です。
この方に納得してほしいし、
自分も嘘はつきたくないしで、
この両方を満たす回答が
思いつきませんでした。
だからといって
何もしないわけにはいかず、
目の前に私の返事を待っている人がいます。
だから「頭が真っ白になる」を
自分で選択して、
それを実施しているのです。
そう思うと
今自分はこの状況に
適応しようとしていると感じられ、
脳までフリーズせずに
「今自分には何ができるか？」を
見ていくことができました。
これがわからないと
混乱してフリーズをし続けることに
なりがちです。
改めて相手を見ると、
頭の上に「？？」が見える感じで
私の返事を待っていました。
そして選びました。
この人の正確な理解は、
もういいや、と。
そうして返した返事は
「はい、そんな感じです！」でした。
笑顔で元気に返事をしたので
「まあ、そうなのね。」と
私の状況をこの人なりに
理解してくれたようで、
立ち去っていかれました。
この状況に社会的に適応する、
すなわち対人関係を悪くせずに
まあるく納められてよかったです。
お読みいただき、
ありがとうございます。
プロコーチ１０年目、常楽でした。
