■すべての女性的なものは劣っている、という偏見

アルフレッド・アドラーは、

男性優位社会においては

すべての女性的なものは劣っている

という偏見がある、と指摘しています。

 

この偏見は日常の習慣の中に

溶け込んでいるため、

「そういうものじゃないの?」と

感じるようなことが多いです。

 

男性的なものは、例えば、

価値があること、

力があること、

勝利すること、などです。

 

女性的なものは、例えば、

従順、奉仕、従属などです。

 

男性優位社会ですから、

優れたものはすべて男性的とされ、

劣ったものはすべて女性的とされ、

とくに女性的なものは

忌み嫌われるようなものと

されることすらあります。

 

例えば、

日本酒づくりなどで、

性別を理由に

女性が入ると穢れるからなどとして

立ち入りを禁止されていたようなことです。

 

また、

今ではあまり見かけませんが、

男性への最大の侮辱が

「お前は女のようだ」などと

女性扱いすることだと

されることもありました。

 

これは映画やテレビ番組でも、

そういう扱いをする描写があったほど

一般的だった時期もありました。

 

そのため、男性でも女性でも、

男性的なものを好み、

女性的なものは避けたくなるのが

一般的とされ、

子どもも

そのように振舞う大人を見て育つので

自然と男性優位を好むようになったと

考えられるわけです。

 

■子どもが無能に育つと安心する親

アドラーは、

この偏見があるとの証明は、

精神の発達が抑圧されたことだ

と指摘しています。

 

つまり、

自分で感じ、考え、判断することを

抑圧された結果として、

この偏見が助長されている

ということです。

 

とくに価値基準について

自分のものより既成のものを

選ぶ方が生きやすい状況と

なっているのが男性優位社会の特徴と

見ることもできます。

 

自分なりに考えて決める、

ということよりも、

世間一般で言われている通りに

(つまり男性優位を支持するように)

決めた方が生きやすいのだと

感じやすい社会となっている、

ということです。

 

この現象を支えているのが、

すべての女性的なものは劣っている

という偏見である、というわけです。

 

その結果として、親が、

子どもには才能があり、

何か立派なことを成し遂げることが

できると期待しているとの主張はせず、

この子は才能がないと育つ方を信じるのだ、

とアドラーは指摘しています。

 

つまり、

男性優位社会で生きる親は、

子どもの精神の発達を

歓迎していないのです

 

自分で独自に感じ、考え、判断することは

男性優位社会では生きづらくなってしまうと

信じているのです。

 

しかし、そんな中で、

才能が開花する子どももいます。

 

そんなとき、その親は、

子どもが才能のある子どもに

突然変身したかのように扱います。

 

これを細かく言えば、

親の自分は、

男性優位社会の中で

生きやすいようにしてきたつもりだが、

どこでどう間違ったのか、

無能な子であったのに

突然有能な子に変身したのです、と

言っているようなものです。

 

このような状況において、

男性優位社会で生きる親は

次のように思っていたのだと

感じます。

 

「親の自分は

男性優位を支持しており、

子どももそうなるように育てたので、

どこからどう見ても無罪ですが、

無能に育てたはずの子が、

突然有能な子へと変身してしまいました。

 

その変身は突然であったので、

親の自分にもそれはわかりませんでした。

 

子が有能になった責任は、

親の自分にはありません、

すべてはその子にあります。

 

責めるなら、親の自分ではなく、

その有能な子を責めてください。」

 

これは相手より自分優先なので

感じるしあわせが増えないのは

当たり前だと、よくわかります。

 

子どもを無能に育てたいのは、

親の自分が守れる範囲に

子どもをとどめておきたいことだけでなく、

子どもが親の自分への脅威と

ならないようにするためであり、

男性優位社会から親の自分が

責められないようにするため、

というわけです。

 

 

 

 

 

お読みいただき、

ありがとうございます。

 

プロコーチ10年目、常楽でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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