美徳の承認その30/52
【責任:Responsibility】

■責任とは

責任とは
完了させる力です。

完了とは
途中で投げ出さずに
最後までやり抜くことです。

自分が言った通りに
自分が行動することで
完了させることです。

結んだ約束は
満たされるように
実際に行動します。

約束の相手に
「約束は果たされた」と
認識できる状況まで
やり遂げます。

今の自分には
重すぎる負担を強いる約束なら
できる範囲に収まるよう
相手に相談して了承されたら
約束を結びます。

でも、もし
相手がそれを了承しないなら
約束はしません。

できる内容の約束しかしません。

初見で「できる」と思って
結んだ約束でも、
実際に着手してみて
自分の手に負えない内容だと
判明した場合は、
すぐに相手に相談します。

約束をできる範囲に変えることに
相手が了承してくれない場合は
結んだ約束を果たせないことに
謝罪します。

責任は
「自分より相手優先」を
体現する力です。


■最後までやる抜いてこそ

責任は誰もが
持っている力です。

途中まで責任を発揮していても
そこで責任を発揮しなくなると
無責任に見えます。

それは責任を
持っていないのではなく
途中で使うのをやめただけです。

途中でやめても
責任を持っていないわけではありません。

あらゆる人が
責任を持っています。

でも、責任は
約束が形になるまで
やり抜かないと
外から見ていたら
どうしても持っていないように
見えてしまいます。

約束の負担が重すぎるなど
進む中で新たにわかった情報は
約束の相手に共有しながら
進めることが大切です。

山も登ってみないと
途中はどんな状況で
どこからどんな景色が見えるのか
わからないように、

約束も進めてみないと
わからないことが
あります。

それに柔軟に対応していくことに
相手にも協力してもらいながら
進めていって、
お互いに「これなら」と思う状況まで
やりぬいてこそ責任が形になります。

そんな協力関係で
約束を完了させる取り組みは
お互いの信頼関係を育ててくれます。

それはすなわち
共同体感覚、
つまりお互いの
「自分の居場所がある感覚」が
育つということです。

それは「感じるしあわせが増える」
ということです。


■基本姿勢

責任において基本姿勢が
「相手より自分優先」だと
自分が損したくないことばかり
考えたり、

困難に直面すると怒り出して
自分が損しないような状況に
しようとしたり、

そもそも約束がおかしい、など
愚痴をこぼし続けてみたりしがちです。

約束すること自体は
対等なやりとりです。

その約束は「契約」ではないため
当初の通りに約束が果たせないと
絶対にいけないものではありません。

基本姿勢が
「自分より相手優先」だと
相手の理解や協力を得ながら
約束を柔軟に更新して
責任を果たしていくことが
できます。


■例えば腕立て伏せの約束

例えば
「自分は毎日、
腕立て伏せを50回やります」
と約束したとします。

最初の3日間は
そのとおりにできましたが、
4日目から腕がだるくなってきて
「毎日50回」に困難を感じるように
なってきました。

「相手より自分優先」だと
誰も見てないから
「訊かれたら今日も
50回やったよと言えばいいや」と
思ったり、

「毎日50回やらなくても
死なないから別にいいや」と
思ったり、

「なんで毎日50回も
やらないといけないんだ」と
怒り出したりして
やらなくて済むように
したくなったりします。

こんな状況は
「約束の更新」が必要です。

当初の約束の
目的が何だったのか、に
立ち戻るときです。

例えば当初の目的が
運動不足を解消したい、と
漠然としたものであったら、
「何を」「どのくらい」やることが
「運動不足の解消」なのかを
明確にします。

「何を」は
腕立て伏せ以外にも
いろいろとあります。

「どのくらい」も
回数なのか
時間なのか、
柔軟に決められます。

そうして約束を
「毎日10回腕立て伏せをする。
その先やりたくなったら
やりたくなった分だけ上乗せする。」とか

「お風呂に入る前に
腕立て伏せを15回やる」とか

「朝起きたら柔軟体操する」とか

できる内容に更新します。

そして
「やったら何が手に入るのか」も
感じることです。

例えば
「やると清々しい気持ちになる」
「やるとすっきりする」
「やると「できた自分」を感じられる」
「やると調子よくなる」
「やると誇らしい自分を感じる」
「やるとその分、筋肉が育つ」など
自分にとっての成果を挙げます。

あとはその繰り返しです。

目的の見直し。
更新でもそのままでも。

方法の見直し。

成果の見直し。

そして回数を適度に重ねてから
目的の見直しに戻る。

そうして更新し続けると
「最適化」されます。

こうして約束を無断で破って
「無責任」になるよりも
責任を発揮して
柔軟に進めていくことで
「できる自分」という
セルフイメージも育ちます。

この好循環は
運動不足の解消のみにとどまらず
様々なものに使っていくことが
できます。

使えば使うほどに
人生が豊かになります。

共同体感覚が
育ちます。



お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ9年目、常楽でした。


《関連記事》
人生の目的は、たやすく更新するもの
正解は、やってみるまでわからない
焦点の力を利用する
振り返るのは「何が良かった?」だけ
「批判される」よりも「批判させてあげる」
好調と不調の間で生きている


今、うまくいかないのは、親の責任ではない
支援するなら、相手を「依存的」「無責任」にさせない
対人関係によって責任が変わる