スロット界隈で頻繁に使われる単語の一つに「激熱」なる言葉がある。

 

元々、出目で期待度を表現していたスロットは大抵「チャンス目」なる出目があり、ボーナスが成立している事もあれば成立していない事もあり、比率的には30%以上、条件によってはリーチ目へ昇格したりなどとそういう場面に出くわすことを人々は「熱い」と表現した。

 

その「熱い」は時代と共に予告音や液晶演出へと対象が変わってゆき、リーチ目が止まれず、他リールの停止出目の絡みから偶々生まれる「チャンス目」とは異なり、演出においての「熱い」は製作者が多様な期待度を意図的に組み込む事が出来る。

 

そこで極限まで期待度を高めたものを「激熱」と呼ぶようになったのはここ数年の事だ。

 

激しく熱い、つまり「激しく期待度が高い」と言いたいのであろう。

 

無論、猫も杓子も「激熱」を連呼していればSANKYOの「FEVER」のごとく独自の「激熱」に匹敵する言葉を模索するのは自然な事で、「神熱」だの「極熱」だの「灼熱」だの、もはやその言葉が本来の激熱がもつ期待度に匹敵するのかはたまた越えているのか、そうなると従来の激熱の立場はどうなるのだとか、ややもするとこれまでのチャンス表現の遍歴のごとく「チャンス」の立場は近い将来「激熱」に取って代わられるのではないかとか、そこまでいくと一周回って「チャンス」はレトロ演出的な立ち位置となって確定演出に使われ出すのではないか、とか余計な思案を巡らせる事になる。

 

ちなみに「FEVER」「フィーバー」はSANKYOが商標権が有しており、他メーカーは使う事が出来ない。

 

 

さて、タイトルにもある「激熱」の話に戻るが、私はとてもこの言葉が嫌いである。

 

もちろん出現すれば大抵のスロットではほぼ大当りが確定するので嬉しいには嬉しいのだが、なんともプレイヤーをバカにした言葉だな、と感じるのだ。

 

音や光で表現するにはコストの問題か技術的な問題かはわからないが先に「激熱」がスロットの新しい煽り文句として登場したのは間違いない。

 

パチンコ屋の並びや食事中などに「激熱が云々」といった会話を聞いていると初めて「激熱」を考えた人間の思惑はものの見事に的中していたのだなあと感心せざるを得ないと同時にそんな会話をしている人間の顔がなんと輝いている事よ。

 

そんなに目をキラキラさせて「中チェでフリーズ!10連チャンしてさ!」なんてこれまでの負け分なんて1ミリも頭にない会話を聞いているとこちらが耳を塞ぎたくなる。

 

 

今、「俺には関係ないな」と思った君も立派なそのアホ面の1人である可能性は大だ。

ギャンブル打ってて「俺はアホ面下げて胴元(やそれらに関係する立場)に踊らされている」なんて思っている人間はいない。

つまり、ほぼ100%の人間の指向と同様だ、という証拠に他ならない。

結論として「俺には関係ない」と思った君にとっては相当高い確率で当てはまることなのだ。

 

そんな妄想を繰り返していたら口にする事も憚れるくらいに、よほど激熱が嫌いになりました、というお話。