私の所有しているEF58のお召機は、2001年にお召列車1号編成が製品化された際に発売された「EF58-61 お召機」(品番3038)と、同一製品を利用してボディだけASSYパーツで調達して組み替えた「EF58-60 お召予備機」(品番3050)の2両です。カプラーを銀色のナックルカプラーに交換しようと試みましたが、交換出来ませんでした。
 

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EF5860(左)とEF5861(右)の両機のカプラーは、2001年の購入時点では銀色のアーノルドカプラーが装着されていましたが、過去に交換して現在に至ります。
 

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自連形のナックルカプラーに交換してはいるものの黒色が装着されており、銀色の物に交換することに決定。後年に再生産されたEF5861では、機械室の内装カバーが薄緑色からベージュ色に変更され、カプラーも自連形のCSナックルカプラー(銀)が付属するようになったと記憶していたので、店頭で見つけた「CSナックルカプラー(銀)」(品番Z01M0282)を購入してきました。
 

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各種のお召用機関車に使用する銀色のナックルカプラーには、左側の製品と今回購入の右側の製品(CSタイプ)の2種類があります。
 

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両者の違いはお尻の部分の形状にあります。一般的な左側はコの字形をしているのに対して、右側(CS)はお尻の先端が▲の尖った形状をしています。 EF58には右側の▲に尖ったものを使うようです。
 

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先台車を下回りから外して作業します。スノープロウ取付座、エンドビーム、黒色カプラーを順に抜き取りました。他の電気機関車のように板バネではなく、EF58では先台車なのでコイルスプリングが装着されており、交換用のカプラーには先が▲に尖ったCSタイプを使用する理由に納得しました。
 
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銀色のCSナックルカプラーを装着しようと試みましたが、カプラーの横幅が広くて両側に当るため固定枠が広がってしまい装着することができません。
 
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銀色のCSナックルカプラーのお尻側の▲の突起は、コイルスプリングを嵌める棒(ピン)に当るどころか、重なる始末で全く使い物になりません。
 
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CSタイプでない一般的なナックルカプラーでも試してみましたが、CSと同様に横幅が広く取り付けはできません。今迄装着できていた黒色のナックルカプラーを良く見ると、客車台車用の「かもめナックルカプラー」でした。
 
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今春に再生産されたばかりの「EF58上越形ブルー」と、装着・付属のカプラーを比較して見ると、アーノルドカプラーさえも形状が全く異なっていました。(右端の黒色ナックルカプラーは、お尻が▲のCSナックルカプラーが付属していますが、既に装着済みで手持ちに予備パーツがないので一般的なナックルカプラーで代用撮影しています)


以上から、そもそも先台車のカプラー保持構造が異なるのではないかと、両車の先台車を分解してみました。
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先台車の先端にあるカプラー保持部の構造も、コイルスプリングを保持するピンの長さも、全く異なっていました。
 
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一番手前に置いたエンドビームの底面には、最新形ではナックルカプラーの保持用ピンまでありました。


結論として、2001年製の初回ロット品では、かもめナックルカプラーは装着できるものの、CSナックルカプラーは装着できないことが明確になりました。そこで、先台車だけ最近の製品に使用されているものに交換すれば、晴れて銀色のCSナックルカプラーを装着できることも判明しました。この製品の改良の流れを良くご存知の方ならば、当たり前の事なのでしょうが如何せんEF58には疎いので、今回は暑さボケの頭に程良い刺激になりました。

次回、大阪市内に出掛ける際に、ASSYパーツとして販売されているEF58の先台車を探してみることにします。

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