「今度、ある人にさそわれて個展に参加することになったんです。
先方からは「作品に値段をつけて(販売して)もOKです」と言われています。
絵を仕事にしたい気持ちはあります。
でも、思いを込めて大切に描きあげた作品に、値段をつけることを、どうしてもためらうというか。
手放すのがさみしいというか、惜しいというか。
だからといって、最初から売ることを意識して作品をつくろうとしても、納得のいく仕上がりにならないんです。
わたしには絵の販売は向いていないんでしょうか?」
っていうご相談をいただきました。
思いを込めて大切に描きあげた作品に、値段をつけることがしっくりこないのであれば、
わたしは普段、色とりどりのパステルを見ているだけで、気持ちが明るくなります。
継続レッスンの図案のイメージを考えているうちにテンションがあがってきて、「ああこれもいいな、こんなモチーフどうだろう?なんか楽しくなってきたあ~!」と、テンション高くひとり大盛り上がりすることもあります。
「いままで苦手だと思っていたモチーフでも、こうやったら描けるんだな!いろんな角度から物を見るって大事だな~」と、自分の中では驚くような、新たな発見と出会うこともあります。
絵を描きながら、自分の感情と向き合ったり、癒されたりする。
絵を描くという行為が生み出す成果は、作品そのものだけではないよなあ、とよく思います。
時間をかけ、時に自分と向き合いながら試行錯誤して描きあげた作品に、思い入れがあるのは当然です。
いわば自分の分身みたいなものだと思うから。
その分身に値段をつけて販売する(売れるかどうかは現時点では決まっていませんが)ことをためらうのであれば、無理して売ることもないですよ。
せっかく楽しくて好きでやっているのに、絵を描くのが楽しくなくなってしまうんじゃないかなあ。
だからって、「私には絵の販売は向いていない」と、絵を仕事にするのをあきらめてしまうの?
ちょっとそれ、極端だと思いますよ~。
例えば個展に出すならば、作品を見た人から「こんな絵を自宅に飾ったら毎日癒されそう」とか「こんな絵がほしい」といった反応を何かもらえるかもしれないですよね。
それか、個展の主催者の感想とか。
作品を見てくれた人の反応から、「その人のために」新たな作品を描いて販売することになるかもしれない。
そうやって、絵を仕事にするきっかけができることもあります。
「売るための絵」って、自分のために描く絵じゃなくて、目の前のお客様のために描く絵です。
自分の癒しや気づきはおまけに過ぎず、あくまでお客様がよろこぶ絵を描くんです。
自分の描きたいものを描いて売れ続ける人なんて、一部の天才だけだと思います
わたしは天才じゃないので、お客様ウケをめちゃくちゃ重要視します。
今までに50件以上オーダーアートを販売しましたが、すべてお客様に描いて欲しいものをヒアリングし、その内容をもとに描きました。
絵を通じて目の前のお客様の要望に応えていきましょう。
それが絵を仕事にするってことです!
ではまた!