今日もカスミ草でいいですか?」
由梨「あ、今日は百合の花も入れてもらっていいですか?」
女「?構いませんよ」
馴れた手つきでブーケにしていく店員さん。
そして出来たブーケを貰って、私は代金を払った。
すると包装された箱を貰った。
由梨「これは?」
女「いつも来て下さってるお礼です。
由梨さんって確かチョコレートお好きでしたよね?
異国まで旅行に行った時に買ってきたんですよ。
由梨さんに前にお話していた
世界トップショコラティエのチョコレートです」
由梨「いいですか!?」
女「はい(*^_^*)」
これは味わい過ぎて飲み込むのに時間がかかるぞ!←
由梨「また来ますね!」
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山奥の華崎家の別荘まで来た。
ここは父が持っていた別荘の一つで、
遺産を相続した時に私の物になった。
玄関を開けて二階に上がり、
目的の部屋の鍵を開けた。
ガチャッ…
由梨「お姉ちゃん!!」
チョコレートを机に置いて、
ブーケをお姉ちゃんに見せるように持った。
由梨「誕生日おめでとう!!
今日で28歳だよね?
店員さんに頼んで今日はね、
カスミ草と百合のブーケ作って貰ったんだよ!
綺麗でしょ?今花瓶に入れるね!」
花瓶から少し萎れ気味のカスミ草を取り出して
ゴミ箱に捨てた。
花瓶の水を洗面台で捨てて水を入れた。
そしてブーケから取り出した花束を
花瓶に入れれば一気に華やかになった。
由梨「今日は一杯やる事があるね。
体拭いて、食事したら…
新しいアロマオイル買ったから、
その匂いを嗅ぎながらクラシックでも聞こう?
後、お姉ちゃんが大好きなドラマも!
いつも以上にお話もするし、今日は私もここに泊まるし、
とっても楽しい一日になるわ!!」
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相変わらずお姉ちゃんからは何の返事も無かった。
管で機械に繋がれたまま、ただただ眠っていた。
折角のお姉ちゃんの誕生日なんだから
元気な笑顔のお姉ちゃんと過ごしたかった。
でもお姉ちゃんの口元が少し緩んだ気がした。