招いてくれたA友人夫婦は南イングランド出身で、以前は大変人気のある歯科医院を経営して居たけどビジネス仲間に売却してそれを元手にこの国立公園に大きな家を二軒購入、一軒は自宅に、そしてもう一軒は貸別荘にしたご夫婦。
昨夜はその貸別荘へ招いてくれました。
南イングランド出身でポッシュなアクセントで話す素敵なご夫婦。
もう1組、B夫妻は先生(奥さん)とペンキ塗り屋さん。我が家のペンキ塗りもやって貰いましたが、彼は腕利きで大人気なので、雇うとその料金も高いです。
この二人は40代ですが、地元出身で10代の頃から付き合い始め、結婚して15年。一緒に世界中を旅して回った(日本はまだ)現在も仲睦まじく可愛いお二人。
さて。
とても楽しい時間を過ごしたのに、さあ帰るかという時に夫がB夫妻の旦那さんをブレキジター(離脱派)と揶揄してからかった。
あああ、来たよー。
来た来た。
軽く討論した後、夫が
「まさか君達全員、ブレキジターじゃないよね」
と言うとA夫妻もB夫妻の奥さんも
「離脱派。離脱に入れて何の後悔もない。」
と言い切ったからさあ大変。
A夫妻は「移民のコントロールを自分達で舵取りできる様にならないとこの先不安だから」
B夫妻の奥さん「中学校に来てみなさい。英語の話せない子供達のせいで物凄いお金と手間が掛かってるのよ、そんなお金が有ったら自国の子供達の教育に費やしたいわ」
これには夫がドカーンと大噴火。
「移民のコントロール?君は違法な移民達全員がEU出身だって言うの?移民して来て生活保護受けて暮らしてる数が多いのはアフリカ、南アジア、中国だろ?それにしたってイギリス人の生活保護受けてる人数と比べたら微々たるものだ。その国々の移民は良くてEU出身はダメなのか。大体移民問題はEUを離脱したら解決するのか。それはイギリス政府を責めるべきだ。EUを抜けたらEUに口出しできなくなるんだぜ」
B夫妻の奥さんには
「じゃあ聞くけど、6、5ポンドの最低賃金で働く移民たちの子供の事もそう思ってるの?ケアホーム(老人ホーム)や病院の掃除、道路工事なんてしてくれるのは今や外国人だ。その子供達が英語を必死に学んで地元の学校に通うのもダメなのか。EUからの子供達が居なくなれば教育現場は良くなるのか。じゃあ君は学習障害や他のしょうがいを持つ子供達に掛かる資金もそう思ってるのか。そうやって移民して来た人たちの子供が医師や先生になってるよね?そのことはどう思ってるの。」
あちゃー。
白熱する議論@午前12時。
更に続けて夫は「移民して来て何が悪い。俺だって戦争地域に生まれてたらこの国にくる。頼られる国である事に誇りを持つ。そしてこの国はそうやって発展して来たんだ。人助けをして発展する、素晴らしいじゃないか」
するとB妻
「じゃあ聞くけどユリ。」
え。
なんすか。
B妻「あなたはこの国に来る時、この国で生活保護を受けようと思って来たの?」
えええええ。
それって数百万円持参して2年で使い切った元日本人留学生に聞くことか。
私「うんにゃ。私日本人だから」
夫「日本は全く関係ないだろう、彼女は私費学生だったんだぜ」
B妻「そこなのよ、そういう人なら来て欲しいのよ」
えええ。
その後も会話にもなってませんでした。
そしてついに
夫「ファラージとボリスと安い新聞に言いくるめられたお前らとは話にならない」
うおおおおお
それ言うなー
でもそれ言われても険悪にならずにさらっと返すイギリス人の社交術には天晴と思いました。
と言うわけで昨夜は午前二時に帰宅しました。
今夜は別の友人夫妻(博士夫婦)から
「トランプが当選してこの世の終わりが近づいたぜパーティー」
にお招き頂きました。
でもB夫妻も来るらしい。
帰り際に「リファレンダムの話はしないでよね!」
とB妻から釘を刺されました。
手綱をしっかり握りしめておきますわ...。
暴れ馬だからどうかなー。汗
夫は「俺は離脱派に囲まれてるのか。なんてこった。俺の友達はまともだと思ってたのに!」
といじけて居ます。今夜は大人しくしてくれます様に。