<妄想Story#04>青い恋人 2019.8 | =A MY ROOM~ゆりりんの部屋=

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佐藤勝利くんとSexy Zoneさんのお仕事記録メモ
なんか消えてしまったのでぼちぼち復元中・・・
(差し支える画像は削除しています)

1年2ヵ月ぶりです

勝利くんと付き合いたくなると書くやつです(えυ)
いや、いつでもずっと付き合いたいんですけどね(やめれυ)

Sunshinesmileが好きすぎて
あの世界で遊びたくて最初に書いたのが2年前で
それから幾つも書いていないけど
私の脳内ではリアルタイムで時は進んでいるので
付き合いだして2年経ってて(*´艸`*)
(戯言なんでスルー推奨)

付き合いを続けていったらどうなるかなー
というのを考えていって出てきたものなのだけど
ここは、自分ともリンクしていて
結婚しないで生きていくためにはどうしたら

と考えたところで。

6月終わり頃に書き始めたのだけど
秋になってしまった・・・
真夏のお話なのですが。

今回、内容重めなので
ドキドキ、キュンキュンする展開ないなぁ(-ω-*)

若干のイメージ補足を・・
歩道橋が出てきますが
道路を渡るだけの一本道のものではなく
交差点の上に四角く架かってるような
大きいもののイメージで・・
広いからいても目立たない感じで。

東京タワーは、今はもうテレビ塔ではないですが
赤いテレビ塔って言ったら、やっぱりこのイメージなので。





ということで、ここから先は
自己責任でお願い致しますm(_ _)m




















<妄想Story>

(#01)Sunshinesmile  2017.8

(#02)イルミネーション  2017.12

(#03)Twilight Sunset  2018.8



(#04)青い恋人  2019.8

TLにあったニュースの見出しにスクロールする手を止めた。

へえー、と思っていたら。

「勝利、ご飯食べに行かない?」
「いや、今日はちょっと」
「えー、優とデート?」
「ちげーわ! 人の彼女呼び捨てにすんな」
「だって僕も優とはカフェ友だもん」
マリウスは無自覚に人の心に踏み込んでくる。
マリウスは優とカフェでよく会うという。
女の子と一緒にいてもスルーされるのはマリウスの特権だ。
「ご飯、お姉ちゃんも一緒なんだけど」
「へー、お姉ちゃんには会いたいなぁ」
「なんだよー、それ!」
マリウスがプンスコする。からかい甲斐のあるやつだ。
「お姉ちゃんかっこいいからなー」
「勝利のお姉ちゃんも素敵でしょ。優もね。自立してる女性って魅力的だよね」
「そんなに頑張らなくていいんじゃない、女性は」
マリの好きそうな話題には訳もなく反発したくなるが・・・
「勝利、考え方が古いよ。自立するから自由に生きれるんだよ。結婚しなくても自力でね」
と、マリウスは言いたいことを言うと行ってしまった。
食事の誘いはなくなったらしい。
反感を覚えたのは図星を突かれたからだ。けど・・・
何だろう、何かが見えた気がして。
ぐちゃぐちゃのまま放置していたパズルが
ピースが見つかって嵌っていくような。

スマホがテーブルを振動で響かせた。
電話の着信・・・優からだ。でもコール1回で切れてしまった。
俺はいてもたってもいられず飛び出し、タクシーを拾って飛び乗った。

* * *

優から転職したと聞いたのは、春ツアーの合間だった。
優は大学の図書館に勤めていた。大学で資格を取得したものの求人は少なく、新卒で一般企業に就職したけれど、その仕事がしたくてその後転職したと聞いていた。それなのに。
「どうして?」
「正規職員で働けるところを見つけるのは難しくて。先のこと考えたら、安定したお仕事に就きたいと思って」
俺はなんかもやもやした。ならなんで最初に勤めた会社を辞めたんだよ。先のこととか安定とか・・・俺は無性に苛立ちを覚えた。リアルなワードが出てくることが不安だったんだと思う。多分、自分が彼女とリアルな日常を生きていなかったから。

新しい仕事は団体の正職員で、今は研修や資格の勉強なんかが色々あるという。めっちゃ現実的だ。
「忙しいんだ?」
「今はちょっと・・・」
それから、ツアーもあって俺も忙しかったし、何度か連絡をした時も、優が職場の懇親会があったりとかして、俺は不機嫌になり、優からも連絡はなく、俺は勝手に思い込んでいた。優は普通の人たちと楽しく過ごしているんだと。優がそうしたいなら、俺は身を引くしかないじゃないか。

「あ、次の交差点の手前で降ります!」
キャップを目深に被りシートに身を沈めていたが、窓の外の景色に気づいて慌てて声を掛けた。
タクシーを降りると、幹線道路の大きな交差点の向こう側を見渡した。
もう迷いはなかった。伝えたい、今度こそは、本気の覚悟を。
俺はメッセージを送った。
- 待ってる
と。その時、道路を隔てた向かい側の地下鉄出口から人が上って来た。
彼女は手元のスマホを見ていたが、顔を上げてこちらを見た。

* * *

片側3車線の広い道路を隔てて俺たちは向き合った。
ここが、ゲームのスタートポジション。
ここで俺たちは何度もゲームをしたね。



付き合い始めた頃、別々に帰るデートの帰り道に優が電話をかけてきて
呼ばれるまま引き返してみると歩道橋を渡った向こうに優がいた。
-もう一回会える?
「もちろん。どした?」
-じゃ、上で
優は歩道橋を指さした。
「おお」
-会うまで誰にも見られなかったらね
「見られたら?」
-そのまま別々に帰ります
「それ、何のゲーム?」
優は笑った。なんだかわからなかったけど「オーケー」と返事をした。
階段を上り、歩道橋の端と端で向き合うと、笑いそうになるのをこらえてポーカーフェイスで距離を縮めていく。そして距離0地点。
「ゲームクリア? ネクストステージはあるの?」
勝手に終了して声をかけると、優は慌てて - 誰もいなかったけれど - 俺を歩道から隠すように手すり側に押し付けた。
そこから見えた景色--
「おー」
「さっき、ここを渡った時に見て」
「ケンティーがブログに上げそうな景色だね」
「ね」
角度的にちょうど、高層ビルの細い隙間からライトアップした東京タワーが見えた。
絶景とかでもない街中で見られるありふれた景色だったけど
そんな普通が俺たちには得難いものだったから。
「ケンティーには教えないよ。二人の秘密の場所がいい」
「じゃ、ゲームクリアのご褒美ね」
そう言って隣で微笑む優を見たら、もう他に何も欲しいものはないと、愛しさが募っていった。

* * *



久しぶりに会った優は髪を切っていた。
指を通したら、肩に届くまでに通り抜けてしまう。
「勝手に失恋してんじゃねーよ」
「そのつもりはなかったよ、私は」
優の真剣なまなざしが真っ直ぐ見つめてくる。
繋いでいたはずの手がいつから解けてしまったんだろう。
素直になることが出来なくて、強がって。
「あのさ・・・あのさ、転職したのって、俺のせい?」
「自分のためだよ」
「俺が・・・結婚出来ないかもしれないから・・・自立しようと思った?」
「私が、勝利くんとずっと一緒にいたいから」

気付いたんだよ 僕以上 君は僕を
いつも愛してくれていた


「ごめんね・・・」
肩に置いた手は首筋を伝い上り頬を包む。指先が唇に触れた。
「愛してる」
唇を寄せようとした時、日没でちょうど点灯した東京タワーが視界に入って我に返った。
俺はキャップを被り直すと、いつものように歩道に背を向けて - 誰もいなかったけれど - 二人で並んで東京タワーを見た。そして、手すりに置いた優の手を上からそっと握った。



「今日、何の日か知ってた?」
「勝利くんの告白記念日」
「それな。なんかもっと言い方ないの?」
優は笑った。
「私たちが付き合い始めた日。正確には日じゃないけど」
はくちょう座流星群の極大日だ。2年前、海で俺が告白した日。
あの晩、二人で見た流れ星に、俺が優とのことを願ったように、優は俺とのことを願ってくれたのだろうか。その願いは叶ったのか・・・俺は叶えてあげられたのか。
「今日も見えるかな?」
「東京では見えにくいんじゃない?」
「じゃ、車で行く?俺の。と言いたいところだけど急に外泊とかさせられないよな」
「行きたいけど・・・もっと早く連絡すれば良かった」
優の緊張が解けて、数ヶ月の距離感が消えていくのがわかった。
止まっていた時計の針が動き出したように。

ごめんね今日まで少し 待たせたね

「来年また一緒に行こう。再来年も、その次も。ずっと一緒にいる。約束する」
「うん」
二人でいる幸せがずっと 続くよう、星に願いに行こう。






Fin.
 
 
※ タイトルと歌詞は、Sexy Zoneの『青い恋人』より引用させて頂きました。
 
 
 
 
 
 
 

Posted by ゆりりん

(佐藤勝利/ブログ)