奈良公園の大好きな場所のひとつ。
桜の天井と桜の絨毯の美しい桜の園。
ここは楽園だった。

 2019年

久しぶりに桜を見にやって来たら、景色は変わっていた。
工事の柵で仕切られ、その中では苔むした土は埋められ道を通す準備がされ、木が何本も切り倒されていた。
奈良時代の遺跡跡の復元整備をするらしい。
私には理解できない。
いつの間に決まって、いつの間に始まったのか?
 
あまりにもの衝撃とショックだった。
やり場のない悲しみと喪失感、憤り。
 
今ある美しい自然を壊してまで、必要のあることなのか?
柵の中に囲まれてしまった立派な美しい桜の木は、切られてしまうのか…。
自分の体を切り刻んでいるようなものなのに。
 
それは私にとっては、大切な家族や友達を殺されるくらいの痛み。
どうすることも出来ず、壊されてゆく桜の園を見てるだけしか出来ない無力感。


毎年桜の季節になると、ここでお弁当を食べな
がら、美しい景色に魅せられて癒されて、沢山の愛をこの空間からもらって来た。
時には、鹿に追いかけられたり、
悲しい出来事があった時は、桜の木の下で友達に電話したりしてた。
この場所で、どれだけ生きる力をもらい、救われて来たか。
愛するこの空間に感謝しかない。
 
せめて感謝の気持ちを伝えたくて、二日後に聖水を撒きに訪れた。
 
私はここで沢山の癒しと活力と愛を頂きました。
美しいこの空間の命達が、私達の中で永遠に生き、
そのエネルギーは未来に美しい森や林となって復活しますように。
人間の意識が宇宙スピードで元々の大調和に戻りますように。
人間が森羅万象全ての命を敬い、共存共栄していけますように。
そして何より私自身が、森羅万象全ての命と大調和して生きてゆけますように。
私の中でずっと生き続けます。
愛してます。
感謝してます。
 
柵の外からでは聖水は木に届かなかった。
木に抱きつくことも出来なかった。
まるで罪のない人が収容所に入れられて、殺されるのを待ってるみたい。
収容所の柵の外から。差し入れを届けようと、こっそり会いに行くみたいな感覚だった。
 

私は泣いた。
切なくて悲しくて、だけどどうすることも出来なくて、泣いた。
 
人間はどれだけ自然を破壊すれば気が済むのか?
人間なんて滅んでしまえ!とまで思った。
 
そしたらタイミングよく、友達があるブログを送って来た。
 
桜だけは、人間が滅んだら人間の為に泣いてくれるらしい。
 
もし人間が滅んだら、
原発は制御不能になって爆発し、
人工衛星は全て落ちてしまうらしい。
人間は生きていても、滅んでしまっても厄介な生き物。
そんなどうしようもない人間が滅んだら
動植物は喜ぶかもしれないが、
桜だけは、人間の為に泣いてくれるという。
 
何故なら、桜(ソメイヨシノ)は挿し木で増えていったから。
挿し木ということは、同じ一本の木のクローンということらしい。
日本じゅうの桜(ソメイヨシノ)はなんと、全て一つの桜のクローンになる。
挿し木ということは、人間の手で植えられたということ。
 
だから桜だけは人間が滅んだら、人間の為に泣いてくれるのだという。
 

 

 

ならば、桜の為に私が泣くよ。
おこがましいけど…私が泣いた。
自分でも不思議なくらい込み上げて泣けて来る。
 
 

その翌朝、友達から送られて来たニュースレター。
東北の奥山が風力発電の工事で物凄い面積壊されるという。
熊を始め住みかやエサを失った動物達は、里に近づき、捕獲されて殺されている。
木の無い山は雨が降れば山は崩れ、土砂災害が起こる。

 
今、日本の残された自然がものすごいスピードで殺されて行ってる。
コロナ禍の情報隠蔽の裏で、着々と進む自然破壊。
ソーラーパネルや風力発電や環境整備にかこつけて、知らぬ間に起こっている自然破壊に呆然とする。
悲しくて、切なくて、酷すぎて、やりきれない。
 
人間はどこまで愚かで、日本はどこまで落ちぶれてしまったのだろうか?
目先の利害に魂を売ってしまったのだろうか?
人間よ、本来の大調和の意識を早く取り戻して!
 
私は泣いた。
山々の森の川の海の動植物達の悲鳴に、悲しみに圧倒されて、無力な自分に泣いた。
そして、その時わかった。
なぜ、桜のことで、あんなにも泣いていたのか?
 
私が泣いているのではない。
桜が泣いていたんだ
日本中の山や森が破壊されていってるのを桜達は知っている。
桜が泣いていた。
桜は人間の愚かさを悲しんで、人間の為に泣いてくれてたんだ。
私の中で桜が人間の為に泣いてくれていた。

(続く)
 
2019年


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