私はシングルマザーです。22歳の時に子どもを産み、息子はもう24歳になりました。私は大学を卒業してすぐに結婚し出産しました。
当時は子育ての大変さなんて全く分かっていなかったと思います。でも、妊娠が分かったとき、産まないという選択肢は自分の中にありませんでした。
なぜなら、当時人気絶頂だった安室奈美恵さんが前年に結婚、出産されて、安室ちゃんと同い年の私は、なんとなく安室ちゃんも産んだからきっと大丈夫。私も育てたい!という根拠のない自信と夢だけで、子どもを産みました。
周囲は心配もしたけれど、子どもを産んだことは自分の人生の最大の素晴らしい経験でした。
周りは育児もやっていないし、何にも分からない中で育児をして、大変でしたがとても楽しく幸せな日々でした。
その後様々なトラブルがあり離婚。
ただ、子どもに出会えたことで「私はこの子のために生きていく」と強くなりました。
振り返ってみても大変でしたが、子どもを産んだことを後悔したことは一度もないし、あの時産んで本当によかったと思います。
私は今までたくさんの不慮の妊娠をしてしまった女性たちの相談を受けました。
でももし迷っているくらいなら、絶対に産んだ方が良いと私は思います。
最初は手がかかるけど、本当に可愛い天使です。
子どもは親に対し絶対的な愛情を与えてくれる存在で、どんな時も最大の味方でいてくれます。
親が子に与える愛情より、子が親に与える愛情の方がずっと大きいことを実感しました。
周りは独身が多かったし、子どもがいることを職場の同僚たちにもなかなか言えなくて、子どもが風邪を引いて、保育園から電話が来た時も、当時はとても言える雰囲気ではなかったです。
でも勇気をもって話してみると、会社の上司もみんな理解を示してくれて、同僚たちにも助けられました。
子育ての大変さなんてよく分からなくても
きっとなんとかなる、
安室ちゃんも産んだからきっと大丈夫、
そんな小さな希望が持てたから
子どもを産めました。
嘘みたいな話ですが、そういう希望となる存在が、今の社会には必要だと思います。
若い世代の人たちは、結婚も、子どもを産むこと、育てることが、不安や恐怖になっているようです。
やっと少し経済力が持てる頃には、男性も女性も高齢出産の年齢になっている。
今大切なのは、きっと何とかなる、産んでみようと思えること、
「子供がいる未来は、きっと幸せに違いない」と思えることが大切だと思います。
若い人たちの税負担率が高すぎるから、自分ひとり生きていくだけで精一杯です。
今の日本は、現役世代を頼りすぎています。
少子化対策に必要なこと
①高校までの教育無償化。子育て無償化。
②現役世代、子育て世代の税負担率を下げ、自分や子どもにお金が回せるようになること。
③社会全体で子育てを。(ソフトとハードの支援)
④不慮の妊娠へのサポート体制。シングルマザーへの支援。
特に20歳から40歳までの出産適齢期の人たちの税負担率を下げることが重要です。
少子化対策で余計なことをすることより、この二つの政策を実施し、子どもを育てていく自信がなくても、大丈夫だと思える安心感を社会全体で作っていくことだと思う。
出産や子育てを、不安や恐怖にしないこと。
母親一人の仕事にしない。保育園や、学童保育の整備。
社会全体が子どもに寛容な目で見守ることが、子育て世代の支えになります。
私の子どもが小さかった頃は、保育園の待機児童も経験しました。待機児童が非常に多く1年以上待ちました。まだまだイクメンなんていう言葉さえなくて、父親の育児参加なんて、理解がなく、子どもが少し騒ぐだけで怒られたり、子どもや母親に対して、今よりずっと冷たい世の中でした。
今思い返すと、本当に子育てしにくい時代に子育てをしていました。離婚している人に対する社会の目も今より冷たかったと思います。それでも何とか子どもを育ててこられました。
子育て環境は大きく変わってきたと思います。
でもまだまだ安心感にはつながっていない。
若い人たちの安心感につなげていくことが大切だと思います。