ここで取り上げているテレワーク定着促進助成金は
こんにちは。東京政策フォーラム、奥本有里です。
まず、テレワークについて伺ってまいります。
新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの働き方は大きく変革しています。
東京都は、出勤者数7割減を目標に掲げ、テレワークを推進するため、
中小企業向けにテレワーク定着促進助成金を実施したり、
サテライトオフィス利用キャンペーンを展開し、
大田区内でもカラオケ店やホテルなどがご協力をいただいております。
現在、都内企業のテレワーク導入率は6割程度となっています。
鉄道各社は混雑状況の見える化など、時差出勤への取組も行っており、満員電車の混雑も少しずつ解消しています。
緊急事態宣言後、飲食店の営業時間短縮のご協力もあり、夜間の滞留人口は大幅に減っていますが、昼間の人口はまだまだ増えており、より一層のテレワーク推進への取組が必要となっています。
そこで伺います。
大田区も率先してテレワークや時差出勤などに取り組んでいられると思いますが、
区の現状と取組についてお知らせください。
続いて、起業家支援について伺います。
新たな生活様式として定着しつつあるテレワークですが、
自宅にいながら働くという生活スタイルは、感染症対策だけでなく、
満員電車の苦痛から解放され、子育てや介護の時間を確保でき、
家庭と仕事の両立ができるなど様々なメリットがあります。
国も会社員の副業を支援しており、才能を活かし、活躍の場を広げ、
独立したり、定年後も起業して働き続ける人たちも増えています。
また、電通やタニタなど民間企業が社員を個人事業主化する動きも見られ、
企業の雇用形態は終身雇用契約ではなく業務委託契約に変わってきています。
このように、テレワーク推進と雇用形態の変化により、自宅で起業する人たちが増え、
自宅を住居兼事務所にしたい人たちが増えています。
しかし、誰もが自宅ですぐに起業できるわけではなく、マンションの場合、
管理規約の制限があり、居住用物件では、自宅に会社を登記したり、
ネット上に住所を公開したり、ポストに法人名義の表札を掲げることはできません。
自宅で起業するには、戸建ての持家か、もともと住居兼事務所の物件でない限りできません。
起業家にとって事務所の家賃は最も大きな負担となる経費です。
不動産情報サイトアットホームに掲載されている賃貸事務所の数は、
(2021年2月25日現在)港区が3040件に対し、大田区は421件です。
大田区内の賃貸事務所の数は少なく、住居兼事務所の数はさらに少なくなります。
人口73万人の大田区で住みながら起業したいとなった場合に、あまりにも物件が少なく、
優秀な起業家たちが区外へ出ていってしまうことも考えられます。
これからは新しい生活様式に対応し、住まいが仕事場として、事務所としても利用できるかどうかは非常に大きな条件になります。
区内でもテレワークスペースとして時間貸しを行うところが増えてきましたが、法人登記、住所、ポスト利用できるシェアオフィスは僅かです。そこで、大田区でもベンチャー企業を育て、起業家たちの活動拠点を確保する取組が必要だと思います。個人の財産であるマンションの管理規約に区が介入することは難しいと思いますが、
新たな生活様式に対応するため、例えば、区の施設にオフィスの住所を置けるようにしたり、
区内に新しく建設するマンションは住居兼事務所を推奨したり、
居住用マンションを事務所としても利用できるよう促したり、
区が新たに施設をつくらなくても、区内に増えつつある空き家を住居兼事務所として活用するなど、
スタートアップベンチャー企業が大田区で起業しやすく、働きやすく、住みやすいまちづくりへの転換が必要だと思います。
区は、羽田イノベーションシティや大田区南六郷創業支援施設を開設し、起業家への支援にも取り組むと伺っております。これらの施設では、起業家たちへの創業支援の取組はどのように行われる予定でしょうか。
東京都は、新型コロナを踏まえ、新たに改定した「『未来の東京』戦略」(案)を発表いたしました。
その中で最も注目されるのが、東京ベイeSGプロジェクトです。
大田区令和島を含む中央防波堤埋立地を中心に、100%クリーンエネルギーのまちづくりを進める大規模な開発計画を発表いたしました。この東京ベイeSGプロジェクトにより、ますます羽田イノベーションシティをはじめ、隣接する大田区がビジネスの拠点として注目されるようになると思います。
ワクチンの接種も始まり、新型コロナウイルスとの闘いは間もなく終わろうとしています。
コロナ前の社会に戻るのではなく、コロナによって始まった新たな生活様式に柔軟に対応し、
大田区から日本経済を牽引するベンチャー企業が生まれるよう、
起業家たちの支援を強力に推し進めていただきたいと要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○市野企画経営部長
私からは、テレワークなどの取組に関するご質問にお答えをさせていただきます。
テレワークや時差出勤は、新たな日常に対応した働き方であると同時に、職員の感染拡大防止、災害時における業務継続や業務効率化などに資する取組と考えてございます。新型コロナウイルス感染症の拡大による昨年4月の緊急事態宣言を契機として急速にテレワークが広まり、多くの企業においてもテレワークが実施されてございます。また、国や東京都におきましては、テレワークや時差出勤などの組合せによる出勤者数の7割削減を推進しているところでございます。区では本年度、庁内横断型のプロジェクトチームを設置いたしまして、テレワークの導入に向けた制度設計や環境整備などに取り組み、昨年6月よりテレワークの試行を開始したところでございます。また、本年1月の緊急事態宣言再発出に伴いまして、テレワークの対象範囲を全部局に拡大をいたしました。これまでの検証を通して、通勤による負担の軽減や作業効率の向上が期待できるものと考えてございます。一方で、時差出勤につきましては、育児または介護などを行う職員の早出遅出勤務、超過勤務縮減を理由とする正規の勤務時間の柔軟な変更及び新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に係る時差出勤の3種類の時差出勤を試行実施しているところでございます。コロナ禍におきましても区民サービスを安定的、継続的に提供するため、引き続き、全庁を挙げてテレワークや時差出勤をはじめとした働き方改革に取り組み、区民サービスの一層の向上につなげてまいります。私からは以上でございます。
○山田産業経済部長
私からは、今後の創業支援の取組についてお答えをさせていただきます。議員お話しのうち南六郷創業支援施設につきましては、本年10月の開業を目指しまして、現在、整備の最終段階に入っております。これまで創業支援施設として稼働してきたBICあさひの機能を引き継ぐとともに、新たに交流拠点としての試作スペースやセミナールーム、コワーキングスペースなどを設置する予定でございます。あわせて、インキュベーションマネージャーによる創業相談を受け付けるほか、定期的なセミナーやイベントなどを開催し、大田区内に集積する中小町工場との連携機会を提供していく予定でございます。また、大田区産業プラザPiOに開設されておりますビズ・リーチ・コワーキングでは、フリーエリアとミーティングエリアが設置され、多様な用途での空間利用ができるとともに、会員利用者は郵便物保管サービスを受けることも可能でございます。このほかにも、大田区産業振興協会における創業者支援事業におきましては、専門の創業相談員がスタートアップにおける様々な課題を解決するため、起業者に寄り添う伴走型の支援を行うとともに、ベンチャーキャピタルなどからの出資、協業の機会を提供するような取組も行ってございます。アフターコロナを見据え、ニューノーマルに対応した新たな事業を立ち上げる方も今後ますます増えてくることが想定をされます。区といたしましては、昨年オープンいたしましたハネダピオの交流空間の活用も含めまして、ハード・ソフトの両面から様々な創業支援を行ってまいります。私からは以上でございます。