予算特別委員会が開かれています。

 

総務費の中で5Gの整備とICT政策について質問しています。

◎テーマ◎

大田区における5G環境の整備とICT戦略について

大田区におけるスマート自治体とは

AIロボットの災害時の活用について

ネットリテラシーについて

ICT教育について


 
以下原稿です===========

総務費の中で大田区における5Gの整備とICT戦略について伺います。今回の質問を作成するにあたって、ICTに関するいろいろな資料を調べたのですが、どれもカタカナが多く、分かりづらいので非常に苦労しました。今日はなるべく、誰にでも分かりやすい言葉で、質問をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは早速質問に入らせていただきます。

2020年3月より日本でも第5世代移動通信システム5Gが順次導入される予定です。まもなく、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4社が5Gサービスを開始します。

Gは従来の4Gに比べ100倍の通信速度になります。そして1キロ平米当たり、100万台の同時接続を可能にし、従来の10倍の端末台数を同時につなぐことができます。

通信の遅れが従来の10分の1に改善がされ、より正確な作業を行うことに適しています。これが大きな特徴です。

 

世界各国で5G環境の整備が進められ、企業間競争が過熱しています。日本においても、これまでの民間主導での整備から、民間事業者と行政が連携し、公民連携の整備が進められることになっております。

国は昨年12月に「デジタルガバメント実行計画」を、東京都は昨年8月に「東京データハイウェイ基本戦略」を策定し、5Gサービスの導入を推進しています。

まずデジタルガバメントとは、行政サービスにデジタル技術を取り入れ、オンラインで手続きができたり、行政サービスがより便利になり業務の効率化を図るものです。しかし非常に分かりにくい言葉です。

東京データハイウェイは、東京都の資料を見ると、電波の道と書かれていますが、東京に高速データ通信ができる環境を整備していくことです。

大田区でも国と東京都の取り組みを踏まえ

「大田区情報化推進指針」が先月策定され、ICT戦略に取り組んでいるところです。この指針は分かりにくいカタカナ英語を使っていない所が、素晴らしいと思います。今後改定されたりすると思いますが是非、広く区民に周知を図るため、こういった分かりやすい日本語の施策を打ち出していただきたいと思います。

大田区もこの「大田区情報化推進指針」を策定し、ICT戦略に取り組んでいるところです。

 

質問①

そこで伺います。

大田区において、5Gを今後どのように活用し、取り組みを行っていかれるのでしょうか。

またICTを活用した区のこれまでの取り組みはどのようなものだったのでしょうか?

 

 

質問②

東京都は東京データハイウェイ基本戦略の中で

都の保有している施設、バス停、都立公園などを開放し、基地局の整備を推進することを計画しています。重点エリアとして、西新宿や東京オリンピック・パラリンピック競技大会での活用などを進めています。

東京都と連携した区内での整備計画はあるのでしょうか?現在の5Gの整備状況はいかがでしょうか?

区の保有する施設での基地局の整備計画はあるのでしょうか?

総務省は5G導入による経済波及効果は、日本全国で約47兆円に上ると予測しています。また東京都の調査では、東京2020オリンピックパラリンピック大会での5Gの経済波及効果は、約32兆円と発表しています。

Gはデジタルトランスフォーメーションを実現すると言います。デジタルトランスフォーメーションとは劇的な通信環境の変化と進化したデジタル技術を搭載したあらゆる商品やサービスを通して経済効果のみならず、私達が直面している様々な社会課題を解決し、私たちの生活をより良いものへと変えていくことです。

例えば、地方にいて移動が困難な状態にあっても遠隔医療や介護を受けることもできます。

少子高齢化社会では、生産人口が減少しあらゆる分野で人手不足が予測されます。ロボットが労力となったり、人工知能が窓口業務の対応することもできるのではないでしょうか。また、商品を手に取るだけでキャッシュレス決済ができ商品の補充も自動的に行う無人店舗もビジネスとして当たり前のようになるでしょう。

Gの普及により、時間や場所にとらわれないテレワークの働き方が容易になり、ICT教育や遠隔授業による学習機会の確保や、教育の質の向上など、様々な社会課題の解決をします。

性別、年齢、障害、環境に関係なく、自ら選択し、すべての人が自分らしく活躍できる共生社会を作ることが出来ます。

例えば区役所内でもAIによる窓口対応や、庁舎内をロボットが掃除をする時代も近いうちにやってくるかもしれません。特に危険、汚い、キツイと言われる作業には、ロボットが最適です。業務が大幅に改善されることと思います。

災害時には、災害対応ロボットが駆けつけ、人命を危険にさらすことなく救助活動を行い、火災現場や水害、放射能汚染など危険な作業を伴う場所でも迅速に作業を行うことも夢ではありません。災害ボランティアロボットが復興作業を手伝ってくれるかもしれません。ドローンは情報を伝達するだけでなく、物流の分野でも大いに活躍が期待できます。

顔認証技術で鍵が無くても自宅の解錠ができたり、外出先からスマホで、自宅のお風呂を沸かしたり、IOTに対応した電化製品のスイッチをONOFFする事ができたり、人感センサーで最も効率的な省エネを制御する住宅も既に実現されており、5Gの導入により、さらに便利になって行くことと思います。

Gの高速大容量通信によって、4Kや8Kという高解像度の映像の送受信が出来、映画やスポーツ観戦を、まるでその場にいるかのような臨場感で楽しむことができます。

Gが導入されることで多くの技術に革新をもたらすため、新商品の開発が進み、消費も期待できます。人手が足りないと言われる物流業界でも、ロボットや自動運転技術が活躍してくれると思います。あらゆる人手不足や危険な作業はAIやロボットで解決できるようになり、私の生活は、より安全で便利になっていくと思います。

 

さて大田区内では、羽田空港跡地第1ゾーン、羽田イノベーションシティが2020年7月3日にいよいよ“まち開き”を迎えます。

先端モビリティセンターには自動運転技術の開発の為のテスト路を整備し、イノベーションコリドーでは、現実と仮想現実を融合した「ミックスリアリティ」MR技術が体感できる施設が出来ます。また、足湯もあり日本文化を新旧融合したアプローチで紹介すると伺っています。さらに、羽田イノベーションシティの入り口であるシティーゲートでは、空中ディスプレイが設置され、羽田の歴史を紹介したり、手のひらサイズのAIロボットが観光案内をすると伺っています。まさに5Gを活用した技術を体感でき、都内でも類を見ないほど、先進技術が集結した施設だと思います。行政と民間事業者の公民連携事業のもと、整備されつつあります。羽田イノベーションシティでは、今まさに様々な企業の誘致が進められております。羽田イノベーションシティでのAI、医療用ロボット、IoT、自動運転技術への取り組みは

「5G環境を活かしたまちづくり」の先進事例となることを期待しています。

 

区は、羽田イノベーションシティにおいて、「スマートシティの構築を目指す」ことも公表しています。スマートシティとは、インターネットにあらゆるものが繋がり、環境に配慮しながら生活の質を高め、経済的発展をする都市のことです。羽田イノベーションシティの取り組みは、国土交通省のスマートシティモデル事業、重点事業化促進プログラムにも選定されております。羽田イノベーションシティを、「先端技術を活用した実証実験の場」と位置づけ、得られた情報を収集・分析し、区の様々な課題解決に向けた政策立案につなげる、と伺っております。区は、民間事業者の技術を最大限に引き出し、健康や観光、福祉分野など多岐に渡る課題解決につなげられる仕組みづくりを現在進めているとのことですので、5G環境の活用などとあわせて、その取り組みに大いに期待するところです。

ユニコーン企業と言われる、企業評価額が10億ドル(約1050億円)をこえる、創業10年以内の非上場会社は、20198月時点でアメリカが191社あるのに対し、日本はわずか3社しかありません。ICT分野において、日本の企業は大きく後れを取っています。特にWindowsMacintosh、アンドロイドやIOSに代わるオペレーションシステム、OSを日本企業が十分に開発出来なかったことは、致命的でした。しかしパソコンやスマホに頼らないIOTAIに対応した新しい製品やソフトウェアには、まだまだ開発の余地があり、日本企業にも大きなチャンスがあると思います。

Gが実用化されることで、ネットワークにつながる新製品を生み出し、ソフトウェアの開発が出来れば、日本のICT企業が世界で躍進することも期待できます。

ICTの分野は非常に早いスピードで成長します。

羽田のイノベーションシティは国内でも類を見ない研究開発施設であり、まさに日本の未来のユニコーン企業を支えていく拠点になっていくことを期待しています。

 

ここまで、羽田イノベーションシティでの5Gの事例を挙げて参りましたが、スマート自治体への取り組みについて伺います。

総務省が昨年8月に2020年に積極的に取り組むべき施策として、「Society5.0時代の持続可能な地域社会の構築」(総務省重点施策2020)」を公表しました。

Society5.0とは5G技術の導入によるIOTAI、ロボット、電子決済が活用され経済成長と

社会課題の解決が出来る超スマート社会のことです。

この総務省重点施策2020の中で、システムやAI等の技術を駆使して、効果的・効率的に行政サービスを提供する

「スマート自治体」への転換についても書かれています。

 

 質問③

そこで区として5Gの導入により、区民が円滑に行政サービスを利用できるよう、オンライン手続きなど利便性の向上にはどのように取り組んでいかれるのでしょうか。お答えください。

 

少子高齢化による人口減少は、避けられない課題です。

平成28年に策定されました「大田区人口ビジョン」によりますと、大田区においては、総人口の大きな減少には至らないとの予測が示されています。しかし、持続可能な地域経済の発展を支える15歳から65歳までの、生産年齢人口の割合は確実に少なくなっていきます。

また、労働者のワーク・ライフ・バランス、仕事と家庭や自分の時間の両立が難しいことは、まだまだ改善が必要な社会の重要課題となっています。女性が一人で仕事と家庭、育児、介護などを一気に抱えてしまうこともあります。

多くの人たちがワーク・ライフ・バランスの課題に直面しています。

 

質問④ こうした状況を踏まえ、職員の働き方改革や人材不足などを補うために、AIやロボット技術の活用なども、期待したいところですが、区はどのような検討をされているのでしょうか。

 

 質問⑤

次に防災分野における5G環境についてお聞きします。

 昨年の台風19号による日本全国に与えた甚大な被害は記憶に新しいところです。区では水害時の避難経路について、「区民に分かりやすい周知をすることの課題」が、明らかになりました。

総務省が昨年6月に公表した「第5世代移動通信システム(5G)の今と将来展望」という資料の中で、“地震、津波、火山噴火などによる自然災害が多発していることに触れ、災害時に街の中に設置された多数の映像センサーからデータを収集、活用し、災害情報の把握をし、被災者に最適な避難経路の情報を迅速に届け、災害に強い社会を実現することが描かれています。

 そして、東日本大震災や昨年の台風19号のような、火災、水害、放射能汚染などの危険な場所での救援作業に、5G技術を役立てていくことも、非常に効果的であると考えます。

救助にあたる人たちの人命を守るためにも、ロボットレスキュー隊、ロボット消防隊が活躍する日も近いかもしれません。

 

質問⑤近年甚大化する災害時の救助活動や、防災対策に区はAIやロボット技術の活用を検討されているのでしょうか。お答えください。

 

質問⑥

次にセキュリティ対策について伺います。

あらゆるものがインターネットを介してつながり、便利になる一方で、利用する人たちには根強い不安感があります。

便利になる半面、高速大容量通信を可能にする5Gによって、一瞬にして個人情報が漏えいしてしまうのではないか?という心配もあります。

マイナンバーなど個人情報のビックデータを管理している区は、情報の漏えいやハッキングなど、セキュリティ対策には、どのように取り組んでいますか?現状と今後の対策、取り組みについて教えてください。


質問⑦次にネットリテラシーについて伺います。ネットリテラシーとはインターネットを正しいルールで使うための知識と能力です。

プライバシーの公開や個人情報の流出、著作権や肖像権の侵害、ウイルス感染、迷惑メールなど、自分が被害を受けるだけでなく、悪意がなくても加害者になってしまうこともあります。不正アクセスによる、なりすましや、乗っ取り、サイバー犯罪への加担、SNSや掲示板での誹謗中傷やデマの拡散だけではなく、あらゆる違法行為へとエスカレートすることもあります。

警視庁が発表した2018年のサイバー犯罪の検挙件数は9040件で、過去最高になっております。未成年者の被害は年々増加しており子供がインターネットを介して様々なトラブルに巻き込まれるケースが報告されています。

今後ネットリテラシーがますます重要になってきます。

また、日夜どこでもネット環境につながることで、睡眠不足など不規則な生活に陥ったり、ネットショッピングによる買い物依存、オンラインゲームの依存、実社会でのコミュニケーションの断絶、引きこもりなど、生活に支障をきたすケースもあります。
区はこのような状況を改善し、ネットリテラシーを向上させるためにどのように取り組んでいますか?また違法行為への対策をどのように行っていきますか?


質問⑧

続いて、大人向けICT教育について伺います。
総務省が公表している「Society5.0時代の持続可能な地域社会の構築」総務省重点施策2020の中で

Society 5.0を支える人づくりとして、

・全ての国民のSociety 5.0への参加をサポートすること。

を掲げています。Gの導入にあたり、日常生活に飛躍的な技術革新が行われる一方で、高齢者など機械が苦手な人は取り残されてしまうことも考えられます。そんな情報弱者を無くすためパソコン教室のようなサポートや、大人向けのICT教育にも力を入れて頂きたいと思いますが、区はどのような取り組みをされる予定でしょうか?

 

とにかくICT関連の政策は横文字が多くて分かりにくい。でもそれだと、多くの人に広く正しく認識されないと思います。これから5Gにより私たちの生活がよりよくなって行きます。5Gは人々が抱える多くの問題を解決していく可能性を秘めています。本当は高齢者や情報弱者ほどICT技術が必要で役に立つと思います。そのためにはとにかく分かりやすい言葉で、行政が発信することが大切だと思います。

 

そんな中、大田区情報化推進指針は日本語のタイトルが使われていて、注釈も付いていて非常に分かりやすい指針です。今後改訂をされていくと思いますが、ぜひ、日本語で誰にでもわかりやすい指針作って区民に周知してほしいと思います。

映画の中でしか見なかった世界が今、始まろうとしています。

今後、都と区、民間事業者が連携し5Gの超高速通信網が区内に早期に整備されることを期待します。先端技術の効果的な活用により、社会課題を解決し、すべての人々が心身ともに健康で、豊かな人生を送れる社会を、大田区が率先して築いていくことを期待し、わたくしの質問を終わります。

ありがとうございました。