いよいよ全面施行になります!

第1回定例会で大田区における受動喫煙対策と屋外におけるマナー条例について質問いたしました。

以下原稿です。
大田区における受動喫煙対策についてお伺いいたします。
いよいよ本年4月より、国の改正健康増進法、東京都受動喫煙防止条例が全面施行されることになります。大田区においては「大田区屋外における喫煙マナー等に関する条例」と併せて喫煙に関する3つの法令が施行されます。あと約一か月を目前に、区内では取り組みを強化し、国や東京都と連携した周知活動が展開されていることと思います。
国の改正健康増進法と東京都受動喫煙防止条例では、基準を満たした喫煙専用室を設置している飲食店を除き、原則屋内禁煙となります。
昨年7月には学校や病院、行政施設などの第1種施設が敷地内全面禁煙となりました。昨年9月より第2種施設である飲食店の店頭表示義務が課せられております。


区内には約6千件以上の非常に多くの飲食店が存在します。対象となる区内飲食店の店頭表示の現在の進捗状況について教えてください。また飲食店だけでなくホテルや事業所に対して、大田区はどのように取り組まれてきたのでしょうか?


全ての店舗、事業所が店頭表示義務を果たせるようにするために区は今後どのように取り組まれるのかお知らせください。

WHO世界保健機関の2017年の報告では、たばこが原因で、世界で毎年700万人が亡くなっており、そのうち89万人が、受動喫煙が原因で死亡しているとされています。また健康を悪化させ、医療費の負担も増えており、経済的損失は155兆円に上ると指摘しています。
2005年WHOは「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」を定め、その中で、受動喫煙防止、たばこの広告の制限、未成年者へのたばこの販売禁止などを定めています。この条約により世界各国では屋内全面禁煙化が進められてきました。2005年当初より日本もこの条約を締結しています。しかし日本での受動喫煙に対する法整備は遅く2016年WHOは、受動喫煙防止に関する法整備がないことなど3つの項目で日本を「世界最低レベル」と評価をしました。2018年12月時点で181カ国が「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」を締結し世界中で受動喫煙防止のための法整備がされてきました。法整備により原則屋内全面禁煙とした国はすでに55カ国を超えています。


IOC国際オリンピック委員会は、WHO世界保健機関と協定を結び「たばこのないオリンピック」の実現を目指しています。
近年行われた開催都市は原則屋内禁煙となっており、日本も受動喫煙対策の法整備が求められてきました。

日本ではサイゼリアや、すかいらーくなど、大手ファミリーレストランなどが条例施行よりも早く、独自に全面禁煙を実施しています。
飲食店の禁煙には喫煙者の客足が減り、売上が下がるという一部の反対の声もありますが、逆に企業イメージの向上や女性客、ファミリー世帯の客数が増えたという声も寄せられ、飲食店にとってメリットもあるようです。

受動喫煙防止条例は2010年に神奈川県で初めて施行され、その後東京、兵庫、広島、静岡、千葉、大阪、愛知などでも、条例が可決されています。

2020年、国の改正健康増進法と東京都受動喫煙防止条例の全面施行により、ようやく日本でも原則屋内禁煙が施行されます。この2つの条例はいずれも屋内禁煙を規定していますが、国の改正健康増進法では、100平米未満の飲食店は規制の対象外となっており、対象となる飲食店は全体の45%にとどまっています。

東京都受動喫煙防止条例では、従業員を雇っているすべての飲食店が対象となり、全体の85%の飲食店が対象となります。
喫煙できる場所として定着しているスナックやバー、ナイトクラブ、パチンコ店も全面禁煙となり、喫煙するには店内に喫煙専用室を設置しなければなりません。タバコを吸うことを目的としているシガーバーなどは、主食を提供しない事や、未成年者を立ち入らせてはいけないことを表示すること、従業員を雇っていない事を条件に一部規制の対象外となっています。

そこで伺います。

区の指導員が繰り返し指導にあたっても店頭表示義務に従わない悪質な店舗には、どのように対処をされる予定でしょうか?また罰則を伴うことはあるのでしょうか?

店頭表示義務の指導のために区の職員が区内の飲食店の立ち入り調査、指導をする事はこれまでにない取り組みです。この条例が無ければ実施されることは無かったと思います。巡回することで今までなかなか立ち入ることが出来なかった違法営業の取り締まりや抑止力にもなると思います。

実際に指導にあたる職員は非常に大変な労力だと思いますが、区民の健康を守るためにぜひ頑張っていただきますようお願いいたします。


続いて屋外における喫煙マナーと路上喫煙禁止エリアについて伺います。

大田区は「大田区屋外における喫煙マナー等に関する条例」を定め、屋外における喫煙の禁止事項をさらに明確にいたしました。この条例は屋外における喫煙マナーを定めた先進的事例として高く評価できるものであります。本年4月より受動喫煙防止条例と同時に施行されます。

「大田区屋外における喫煙マナー等に関する条例」では、区内全域の歩きたばこ、ポイ捨て、自転車運転中の喫煙の禁止、区内すべての公園での喫煙が禁止となります。努力義務ではありません。
子供の遊び場である公園内には、喫煙所を設置しないことになっております。しかし区内公園にはその注意喚起があまり見受けられません。喫煙所を設置しないことで、逆に吸い殻のポイ捨てが増えないよう取り締まる必要があります。
条例を知らない方がいないように、禁止事項の表記やアナウンスが必要と考えますが、今後どのように周知をされていく予定でしょうか。
現在公園内に置かれている灰皿や、喫煙所は撤去することになっておりますが整備計画と併せて教えてください。


次に路上喫煙禁止エリアの指定に関してです。
大田区では蒲田駅東西口に加え、京急蒲田駅、雑色駅、大岡山駅、大森駅の、駅周辺の道路を路上喫煙禁止エリアに指定し、喫煙所も整備すると伺っています。
現在区が設置している公衆喫煙所は蒲田駅東西口に各1か所、大森駅東口に2か所、うち一か所は閉鎖型を設置する計画があります。今後区が整備する喫煙所は、可能な限り閉鎖型にするとのことは、受動喫煙防止のためには非常に喜ばしいことです。しかし、パーテーション型に比べ、閉鎖型喫煙所の維持管理費用は年間1000万円とも言われております。夜間の施錠をする必要もあり、人件費もかかります。長年設置していけば区の財政負担は大きくなります。
2020年1月に厚生労働省が発表した2018年の日本の喫煙率は、
17.8%となっています。
今後、区が閉鎖型の喫煙所を設置していくことは評価できますが、区民の健康を守るため、今後喫煙率をさらに下げることを目標としているので、利用者の減少も考慮し、必要以上に喫煙所を設置しないことも考えなければいけません。

東京都では「子どもを受動喫煙から守る条例」を2018年4月に施行し、「いかなる場所においても子供を受動喫煙させることの無いように努めなめればいけない」と規定を設けています。大田区内でも通学路や子供があつまる公園、学校周辺の路上でも努力義務の対象となっております。しかし努力義務が必要なエリアにその表記が足りません。対象エリアには「ここは子供たちの通学路です。路上でタバコを吸わないようにしましょう。」といった具体的で分かりやすい啓発が必要です。
大田区内にも、電車に乗って学校に通う未成年の子供たちがたくさんいます。すべての駅周辺の道路は、子供たちが通学で使う通学路と捉え、路上喫煙しないように努めるべきだと思います。

喫煙マナーに関する区民の意識は徐々に高まりつつあるように感じられます。しかし、いまだ歩きたばこやポイ捨て、路上喫煙に関する区民からの苦情はたえません。


歩きたばこの多い住宅街、駅周辺や学校周辺道路の路上の取り締まりはどのように行っていかれるのでしょうか?


また、区民からの屋外での喫煙に関する苦情や、私有地に設置している喫煙所について、区はどのように対処されていくのでしょうか?
お答えください。


都内では本格施行を前に、飲食店が集中しているエリアを中心に、カウントダウンキャンペーンとして各自治体で様々な啓発活動の取り組みを行っております。
大田区ではこれまでにクリーンキャンペーンなどで喫煙マナー向上のための周知を行って参りましたが、より一層の周知のための取り組みが必要です。
受動喫煙対策や喫煙率の減少は、東京だけでなく日本全体、さらには世界全体で取り組むべき課題です。

遅れてきた受動喫煙対策をまずは東京から、そして大田区から喫煙マナーのモデル地域となるよう、すすめて頂きますようお願いいたします。

本年度はオリンピックパラリンピックを控え世界各国からアスリートや、多くの観光客をお迎えします。大田区は国際都市おおたを掲げており、先進国基準の喫煙マナーが行き届いた街としてお迎えしていただきますようお願いいたします。
以上で私の質問を終えます。ありがとうございました。



【健康政策部長】私からは、この4月からの東京都受動喫煙防止条例等の全面施行に向けた対策に関するご質問にお答えいたします。まず初めに、区内飲食店における店内の禁煙状況等をあらわす店頭表示の進捗状況です。令和元年11月以降、受動喫煙防止対策等指導員が区内にある約6000の飲食店を訪問し、店頭表示確認やチラシ配布等の啓発活動を行いました。その後、表示が確認できない店舗を中心に2回目の訪問を行い、現在3回目の訪問を行っているところです。その結果、店頭表示の増加につながり、11月時点の約1400件から1月の時点では約2000件に増えております。また、ホテルや事業所に対する取り組み状況としては、令和元年6月1日号の区報及び区ホームページにより周知をし、7月1日からは相談窓口を開設し、相談や苦情などの問い合わせに答えるとともに、これまで大田区商店街連合会や行政指導講習会等に出席し、説明を行っております。次に、全ての店舗、事業所が表示義務を果たすための今後の取り組みです。4月以降も区報や区ホームページでの広報に加え、受動喫煙防止対策等指導員が区内の飲食店を訪問し、店頭表示確認やチラシ配布等の啓発活動を強化いたします。また、6月には区内全ての店舗、事業所を対象とした受動喫煙防止対策に関する施設管理者向け説明会を開催する予定です。さらに、区の相談窓口にて区民からの通報を受け、施設管理者への啓発及び指導を徹底いたします。今後も様々な手段による屋内の環境整備をすることで、受動喫煙のない国際都市おおたにふさわしいまちづくりを進めてまいります。最後に、悪質な店舗に対する対策ですが、法令に関する違反の状況をした場合には、まずは啓発により正しく制度を理解していただくとともに、適正に助言等を行うことで法令の違反状態を早期に是正するよう促します。法令の啓発や助言を行っても改善されない場合には書面等を交付し、指導等を繰り返し行います。それでもなお違反状態が続く場合には、勧告、公表、命令や過料徴収という行政処分を行う場合もあります。私からは以上です。

【環境清掃部長】私からは、大田区屋外における喫煙マナーに関する条例に関する三つのご質問にお答えいたします。初めに、区内公園の喫煙禁止の周知についてのご質問ですが、本年4月の大田区屋外における喫煙マナーに関する条例の施行を踏まえ、区が管理している区立公園の灰皿につきましては、これまで撤去を進めており、現在、大規模公園について撤去予告の掲示を行い、3月末までに全ての公園の灰皿を撤去予定でございます。また、公園の禁煙表示についても順次実施しており、3月末までに表示する予定で作業を進めているところでございます。区では、大田区屋外における喫煙マナーに関する条例成立以降、公園の禁煙を含めて条例の趣旨を区民の皆様へ周知するため、喫煙マナーアップキャンペーンの実施や区報、区設掲示板、ホームページなどによる広報に取り組んでまいりました。引き続き、電車及びバスの区内路線の車内広告や、在勤者に向けた企業への戸別訪問等を行うなど、あらゆる機会や媒体を活用して、屋外喫煙ルールの周知に取り組んでまいります。次に、歩きたばこの指導啓発についてのご質問ですが、来年度、蒲田駅周辺や主要駅周辺に加え、新たに公衆喫煙所を設置予定の駅周辺での集中的な指導啓発を予定しております。主に人が多く集まる駅周辺を中心に指導啓発を実施することで、喫煙マナー向上を図ってまいります。また、住宅街や学校、児童福祉施設等の周辺については、所管部局や地域の皆様のご意見を伺いながら、喫煙マナー向上路面表示シートやステッカーの貼付、指導員による指導啓発について検討してまいります。3点目の苦情や私有地の喫煙所についてのご質問ですが、これまでも私有地に設置している灰皿については職員が現地確認を行い、設置者に移動や撤去のお願いをしてまいりました。今後も同様の対応を行いながら、事業者に対しては条例の内容を説明し、特に喫煙していない区民等にたばこの煙を吸わせることがないよう、必要な環境整備を行うよう配慮を求めることや、従業員に対し喫煙ルールについて啓発を図ることを依頼してまいります。また、区民の皆様からの屋外での喫煙に関する苦情については、喫煙マナー向上の啓発物の貼付や掲示の依頼を行ってまいります。人が多く集まる駅周辺での苦情につきましては、喫煙防止指導員の配置日数を増加するなどの対応も検討してまいります。今後も粘り強く周知啓発を実施することで、喫煙マナー意識の浸透を図ってまいります。私からは以上です。