今でも子供達との思い出となっている。仕事をしつつ、実家で引っ越し先の手続きやガス・水道・電気の手続き、冷蔵庫や引っ越し用品の搬入の準備を一人でやっていた。しかし、ガス開栓だけがどうしても間に合わなかった。あの時は初夏の少し蒸し暑い時期だった。実家から荷物も搬入され、とりあえずの寝泊り出来る環境にはなったこれからの我が家。時間はもう18時を過ぎていて、さて…夕飯どうしよう?お風呂どうする?…となった。夕飯は近くのスーパーの出来合いを買ってきた。暑くてたまらないのでブロックの氷も何個か買った。子供とお風呂はガスが使えないから暖かいお湯が無いからごめんね…と、話し合ってたら、ケトルでお湯を沸かして暖かいタオルを絞って体を拭こう!ということになった。「お風呂に入れるありがたみがわかるね…。お水と電気だけでも間に合ってよかった。」なんて、質素な環境を体験して、しかしその時間はなぜかとても親子で笑いながら楽しく話しながら過ごした記憶が残っている。子供達が大きくなった今も、たまにその時の話をすることはあるものの、子供達も「あの時、お湯を沸かしてタオルで体拭いたけど、なんだか楽しかったわー。汗いっぱいかいていたから氷の塊もかってたよね。でも、すごく自由な感じがして楽しかったー。」なんて思い出話をしてくれる。怒鳴り声の無い、威圧感の無い空間が何よりも幸せだと感じたのかもしれない。少なくとも私はあの母子の時間が何よりも幸せだった。