子供が産まれ、慣れない土地での育児。その中での不定期なDVがつづき、どんな流れだったか記憶が漠然としていて警察に行ったきっかけが今となっては思い出せない。ある暴力を受けた時、警察に飛び込んだ。警察署の刑事に言われた事は「ゆりこさん、旦那さんのDVは治らないです。僕らも数多くの事件やDV事案を見てきていますが、女に手をあげる男は今後も99.99…%と言って良いほど治ることはありません。悪い事は言わない。被害届を出した方がいいです。色々な思いはあるでしょうけど…治りませんよ。」と。頭では何となく分かっていた。でも、被害届を出すと夫は捕まるのか…とか、よく分からない思考になり出せずにいた。あの時どうして警察に事実を公にして被害を訴えなかったのか。もしも、それをしていたら間違いなくTVニュースになる様な事案になっていただろう。夫は医者は愚か殺人未遂レベルの行為をしていた。それを我慢していた私もおかしかったなと思う。子供が居るから思い切れなかったのか、先の見えない不安みたいなのがあった様にも思う。被害届を出していたら、その後に受けた暴力は無駄に受けなくて済んだかもしれないけど、今の穏やかな自分の生活もまた違う形として変わっていたのだろうなと。今もDVのニュースをたまに見ると、自分の経験を思い出す。DV事案は逃げたくても逃げれない現象がそこにはある。でも、泥沼化したら本当に命を失いかねない。心身衰弱する方が確率は高い。自分だけじゃなく子供がいれば子供も大きな被害者になると。早いうちに抜け出すのが絶対に正解だと。しかし言葉で言うほど簡単じゃないのが現実。思考の転換、サポートする人や場所、逃げ場が必ず居るなと思う。今でも、あの日の警察署の光景と刑事に言われた言葉は心に深く残っている。あの人の言っていた事は正しかったなと。