2020年から4年の月日をかけて、県内の大学と「アスリートのメンタルヘルス」に関する共同研究を行いました。

ご興味がおありの方は、こちら全文をご一読ください。


“Mental health in first and second division soccer players: a cross-sectional study”

以下、要約です。

ビジャレアルCFのトップチーム(ラ・リーガ1部)、U23チーム(ラ・リーガ2部)、女子トップチーム(女子プロ1部)、合わせて男女54人のプロサッカー選手を対象に実施された。

同一クラブ内における3つの異なるカテゴリーに属する(男子プロ1部、男子プロ2部、女子プロ1部)選手を対象に実施されたハイパフォーマンス・アスリートのメンタルヘルスを体系的に分析した新しい研究である。

抑うつ、不安といった精神病理学的は、スペインの一般人と比較して数値が良かった。

また、衝動性、罰の回避と報酬への接近といった感受性(過敏性)においても、スペイン市民の全体数値よりも良好であった。

この研究がコロナ禍に実施されていたことを踏まえると、自傷行為やそうした思考に陥りやすかった環境下においても、ビジャレアルCFの選手たちが十分な精神衛生レベルにあったことが確認された。

 

これは、ハイパフォーマンス・アスリートが、スポーツを通じてより精神衛生が守られていることを示す。

トップチームとラ・リーガ2部に所属するU23の違いとしては、U23の選手は、不安や抑うつ、て罰に対する過敏性の症状がより多く見られ、トップチームの選手の方が衝動性は高いが、全般的に心理的幸福度も高かった。

レディースにおいては、男子選手と比べ、身体症状症(somatic symptom disorder:SSD)が高い点だけが、他の2カテゴリーとの差異として確認された。

社会人口学的特性の側面からみると、ラ・リーガ1部に所属するトップチームの選手は平均的に年齢も高く、パートナーと同居している割合が高く、子供がいるケースが多く、収入も高い。

トップチームと比較して収入が低いラ・リーガ2部に所属するU23チームの選手の場合は、親と同居する傾向があるのに対し、女子プロ選手は、友人と同居するケースが多い(チームメイトなどとのホームシェア)。