UEFAヨーロッパリーグ、対マッカビ・ハイファ戦。イスラエルでの開催が不可能なため、中立国キプロスにて厳重な警備体制のもと無観客開催となった。


キッフオク前には、パレスチナ武装勢力との衝突で亡くなった方々の追悼のため1分間の黙祷が捧げられた。


私たちビジャレアルは、事前にメディア関係者に対し「今日の黙祷はイスラエル情勢を受け命を落とした全ての犠牲者に捧げるものとする」ことを明確に伝え試合に臨んだ。


両チームのイレブンがセンターサークルに集まったその黙祷には、ムスリムの数選手が不在で行われるなど、この問題の深さを物語っている。


ホームタウン外、しかも国外にホームゲームを持ち出して、よそ様のスタジアムで試合を開催するということが何を意味するのか。


フットボールにおいて、ホームタウン&ホームスタジアムで試合を行うことはある種「神聖な儀式」であり、「ホームゲームを外に持ち出す」ようなことはあってはならない。


「安心安全にスポーツイベントが通常開催されること」は「平和な社会が保たれている」ということでもある。


マッカビ・ハイファは国内リーグが無期中断しているため、約1ヶ月試合もできず、外国籍選手は今日の試合のためにチーム合流したと聞く。


また今夜の試合は、4名の審判員がいずれもウクライナの審判団だった。


ひとたび試合が始まればクリスチャンも、ムスリムも、ユダヤ教徒も、ロシア人も、ウクライナ人も共に同じピッチに立つ。


それぞれが痛みや悲しみや不安を抱えながら、それでもひとつのボールを90分追いかける。


フットボールは、きっとそんな心を鎮めてくれるはず。


争いは嫌だ。憎しみ合いは嫌だ。