1か月ほど前、スペインのスポーツライターからメールが届いた。

2021-2022年度のスポーツ関連本で販売数ナンバーワンに輝いた著者さんだ。

「いま執筆中の本の1章に『YURIKOのストーリー』を書き留めたい」と。

「喜んで!」と気楽にお受けしたら、30項目にわたる質問書が送られてきた。

スペインのライターにしては珍しく(笑)、私の歴史をしっかりリサーチしたことが伝わる彼の真摯な姿勢に嬉しくなった。

これまでの私の歩みを、局面ごとに時系列で整理してくれた30の問い。

お互いになかなか時間が取れないので、私が休憩時間などを利用しながら、ひとつひとつの質問にボイスレコーダーで独り語りする形で答え、ファイルを共有している。

つい調子にのって、質問ひとつにつき最低でも15分ほど喋ってしまうし、長いものは30分を超える。

普段、あまり自分の過去など振り返ることがないので、忘れていた出来事やエピソードが記憶の底にたくさん埋葬されていたことに気付く。

自分の人生を顧みる作業なんて、『情熱とサッカーボールを抱きしめて』以来、18年ぶりだ。

「1章どころか本が1冊書けそうだ!」とライターの彼は笑うが、「素敵な出逢いやお世話になった人たちを久しぶりに思い出しながら、回想記録にもなっていて貴重な機会だから気長に付き合ってよ!」と、私の回顧作業に付き合ってもらっている。

質問22まで収録したけれど、30全ての質問に答え終わるのは、まだもう数日かかりそう。