朝日デジタルに掲載されたロシア史研究者の池田嘉郎氏の寄稿文を一気読みした。
 

ウクライナ侵攻に駆り立てた 権力者プーチンの破局的な時間観念

偶然目にしたツイートがきっかけで出会えた記事だが、共有してくださった東野篤子さんに感謝したい。

 

さて私は、この池田嘉郎氏の寄稿文を一気読みしながら、スポーツ界における組織マネージメントと重ね合わせて読み進める自分に気付いた。

 

下記引用

権力者はルールをつくり、やぶる。ルールを自分でつくり、かつ一方的に変えられる点にこそ、権力者の権力者たるゆえんがある。
 

権力者は個人として力を振るっている。
 

権力者は、非人格的に続いてゆく法や制度に未来を託すことはできない。個人の有限の人生において何事かを成し遂げねばならないからだ。
 

権力者は「超越的な力」を示すことで地位を維持しようとする。
 

先代の方針を否定することを通じて権勢を振るいがちになる。継承や引き継ぎでは権力は維持できないからだ。

 

最近私たちの間でも、会話の中で皮肉交じりに「プーチン的マネージメント」という表現を使うようになった。

これは、小さな規模でいうと「チーム」というひとつの集合体にあてはめることができるし、もう少し大きな規格だと「クラブ」という組織でも同様だ。

また、さらに広域な「スペインフットボール界」という捉え方で「組織」を理解することもできる。

2021年、コロナ禍に突然発表された「スーパーリーグ構想」のニュースは、ヨーロッパ中に激震を走らせた。

スペインのプロクラブ42クラブ中40クラブはいまもなお、「公に」「水面下」で推進しているスーパーリーグという脅威、私たちにとってクラブの存続さえも致命的となるこの構想を横目に、自クラブおよびフットボール産業の成長、発展、再開発に必死に取り組んでいる。

ラ・リーガはこれら40クラブに対し、新時代のスポーツビジネスに欠かせないテクノロジー、デジタル化、ブランディング、クラブの国際化といった重要分野におけるセミナーや研修を提供。

また、「メガクラブがフットボール産業界全体を牽引する」とするスーパーリーグ構想側の言い分について、そのロジックに何ら根拠がないことを各種データを提示しエビデンスと共に指摘。猛烈に反論し立場を明確にしている。

"Building a new era from a collective perspective"


"共同体としての視点から新しい時代を築く"
 

「コレクティブ」 これが、私たち40クラブがいま最も大事にしているキーワードである。

どの市場においても、競合他社とのシェアーの「奪い合い」ではなく、産業界全体の発展に注力することで自クラブの成長は成し遂げられるもの。

「一部クラブが突出し他のクラブを引っ張るだなんて、そんな成長ストーリーはあり得ない」というのが一貫したメッセージ。

スポーツ界ではよく「プーチン的」組織リーダーを散見するが、幸運なことに私たちは、産業の発展を優先しながらクラブの成長を目指す経営者の方針でここまでやってこれた。

一見華やかにみえるその裏で、どのクラブもいま、スペインにおけるフットボール産業の生き残りのために必死な努力を続けている。