私のキャリア史上、初の女子チームとなったアトレティコ・マドリッド。


当時は、トップチームから順にA, B, C, D...とカテゴリー分けされていたが、実質の構成はトップ、U21U19U16…くらいの年代設定であった。


私は、そのU21の監督に就任していた。


初日、練習も無事終わり、シャワールームに引き上げようとしたその時、ピッチの片隅に座り込んで泣いている子がいた。


泣かれる理由に心当たりもなく、ワケが分からず、とりあえず近付いて行って、その子に「どうしたの?」と聞くと、彼女は「今日のトレーニング全然出来なかった」とまた泣き出してしまった。


当時14歳だったその子は、クラブから事前に「うちの最有望株だ」と聞かされていたし、「だから大事に育ててね」いう暗黙のプレッシャーもかけられていた。


すでに飛び級でいたU16から、更に飛び級で超昇格したU21のプレシーズン初日、思うようなパフォーマンスが出来ず悔し涙を流していた彼女。


今でも、あの子の悲壮な顔を鮮明に憶えている。


あれから16年。


そんな泣き虫だったあの子も、今や、スペイン代表で10番をつけ、キャプテンとして堂々とチームを率いる。


また国内リーグでも、バルサの選手として活躍。現在23ゴールで得点王。


ジェニーちゃん、来年、日本の女子プロリーグに来てくれないかしら?


#JenniHermoso