18年連続で遠征に訪れてくれている鹿島学園サッカー部の練習に、あのマルコス・セナが一緒に入ってくれました。しかも、90分フル参加で汗だくになるほど頑張ってくれました。

そしてその後、練習の反省も含め(?!)マルコスと私は「フットボールにおけるスピード」についてじっくり語り合ったので(笑)、ここに記しておこうと思います。
 

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鹿島学園の選手はスピードがあって上手だね。本当に今日は楽しかったよ。

でもさ、フットボールにおけるスピードについて、みんな正しく理解することが大事だよね。

僕が現役だった頃もそうだったけど、育成組織からトップチームにあがってきた若い選手は、そのスピードを勘違いするんだ。

トップチームのプレースピードについて行きたい一心で、アクションスピードを上げる選手が多いんだよね。

そして、プレーがドタバタする。ボールを失う。ベテランから叱責受ける。自信無くす・・・の悪循環。

でね、フットボールにおいて求められるスピードって何だと思う?

僕はね、現役の時に「こいつの球だけは取れない」っていうチームメートが何人かいた。それは、ビジャレアルだと、リケルメ、サンティ(カソルラ)、そしてブルーノだった。スペイン代表では、イニエスタ、そしてチャビだったね。

こういう選手はさ、もう、彼らがボールを持ったら、本当にどうやってボールを奪えばいいのか分からないんだ。僕からは奪えないし、彼らは失わないんだよ、ボールを。だから、どうしていいかさっぱり分からない。

でも僕はね、スピードってそういうことだと思ってるんだ。

僕たちフットボーラーは、決して足は速くないし、動きが速いわけでもないでしょ?笑←(うん、足遅いひと多いよね、とは、さすがに言えなかった私)

僕たちは、プレーの中で情報を得て、状況を把握して、解決策となりうる選択肢を洗い出し、そこから最適な選択肢を選び決断する。更にそれをアクションにおこす。プロだから、そのおこしたアクションも精度が高くなければいけない。

その一連のプロセスを、より速く実行することこそが、フットボーラーに求められるスピードなんだよ。要は「あ・た・ま」だよね。

いや~、本当にリケルメ、サンティ(カソルラ)、ブルーノ、イニエスタ、チャビは凄かったな~。

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まるで子供が憧れの選手を想うかのようなマルコスに対し、私は、「いえ、あなたこそ偉大でしたよ。」とは、何となく言い出せずにいた・・。