FIFA女子ワールドカップ開幕戦と、なでしこジャパン初戦の解説を終え、フランス🇫🇷からスペインに帰ってきてからというもの、私はずっと「普段」の重要性について考えている。


選手が生きる日常、身を置く環境、それらが大きく改善したからこそ、ヨーロッパ勢は急成長した。


「日々」の積み重ねが、四年に一度の大舞台で形になって現れるのだとしたら、選手の「普段」の基盤である、各国リーグのそれや所属クラブでの慣習などを、今一度見直してみると面白いかもしれない。


私が知る限り、本大会でも今のところ、スペイン代表は🇪🇸スペインリーグのいつものテンポで試合展開しているし、フランス代表🇫🇷もフランスリーグのあのスピード感を反映させている。アルゼンチン🇦🇷も自国リーグでは戦術的にバタつき気味だが、あのインテンシティや局面の本気さはまさに普段のリーグ戦そのまま。


スペインでは「チームは練習時通りゲームをする」と言われる。要は「普段」行なっている練習時のリズム、テンポ、集中力、インテンシティなどが、そのチームの試合時のパフォーマンスそのままである、ということ。


私もそれは本当にそうだと思っていて、だから90分以上ダラダラ練習をしたり、エクササイズとエクササイズの間に無駄な時間を作らないようにしたり、気を使いながらそういう環境作りを提供することで、選手の「あたりまえ」や「スタンダード」の「習慣化」に努めている。


カナダ🇨🇦とメキシコ🇲🇽は、アメリカ🇺🇸との協定を利用して、それぞれ国内の優秀な選手を普段からアメリカリーグでプレーさせているらしい。まさに、国レベルでの取り組みである。


フットボール界の勢力図が、さらに欧州に傾きつつある中、なでしこリーグの強化はもちろん、と同時に、欧州数カ国と提携してなでしこの選手を欧州各国リーグで戦わせる、なんてプロジェクトもありかもしれない、なんて


しかも一カ国に限定せず、フランス、イングランド、ドイツ、オランダ、イタリア、ポルトガル、スペインなど、数カ国のしかもより環境整備されているプロクラブへ特待制度で送り込んではどうだろう。


なでしこの選手は、本当に巧い。選手としての姿勢も素晴らしく、海外クラブは受け入れにウェルカムだろう。決して他国リーグの強化や補強ではなく、なでしこ選手の「フットボール文化を豊かにする」という目的で期間限定での海外移籍でも悪くない、気がする。


世界のなでしこであり続けるために、日本は何ができるだろう。きっとこれからも、私はひとりひたすら勝手に考え続けるんだろうな。