黄色い伊豆の踊子 | ゆりかもめのブログ

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 神代植物公園の薔薇園は新しく作られた薔薇の品評会もしているそうで、知らない薔薇(たぶん新しい品種)がたくさんありました。

 

 その中に「伊豆の踊子」という黄色い薔薇がありました。

 

 私の中で「伊豆の踊子」に「黄色」という印象はなかったので、とても意外でした。しかもフランスで作られた品種らしいのです。

 

 伊豆の踊子 

 

 なぜこの名前にしたのか。気になって調べたら、伊豆の公園に送られた花だからのようです。

 

 

 

 

 

伊豆の踊子

明るめの黄色いバラ。このあと本文で説明

輝くような黄色いバラ。

株が充実するまでは半剣弁高芯咲きで、株が充実してくると見事なオールドローズのようなロゼット咲きになります。

咲き乱れるバラ「伊豆の踊り子」

フランスのメイアン社より、静岡県の河津町に贈られたバラです。

別名「カルト・ドール」(Carte d'Or)

2001年バガテル国際バラ新品種コンクール 特別賞受賞。

Dancing Girl of Izu フロリバンダ
2001年 Meilland フランス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 川端康成の『伊豆の踊子』という小説は、大学時代に読んだ際には、「踊り子」がいじらしくて可愛いなぁとしか思いませんでした。

 

 後で、書評で「一高生という、当時のエリート青年が、卑しいとされた旅芸人の女の子を好きになる、とても上から目線で好色な小説」と書く人がいて驚きました。

 

 でも、その手厳しい書評は、「踊り子の無邪気さや、それを見る主人公の視線が小説を清らかなものにしている」といった内容で締められていました。

 

 この小説は作者の実体験が元になっているといわれているだけにに解釈を言いにくい気がします。

 

 私がこの小説を好きになったのは、晩年の川端康成氏が、踊り子の「いい人ね」「いい人はいいね」という台詞をあげて、「本当にそう言ったんだよ」と嬉しそうに人に語ったという話を新聞で読んでからです。

 

 大学時代の恩師から、小説と作者は切り離して読まなければならないと言われたのですが、この小説に関しては作者と重ねて読んでしまうし、本当に心救われる体験をしたと思うと尚更尊い物語に思うのでした。