電車で通勤したときのことです。
乗車したあと辺りを見回して空いてるスペースないかなとポジションに迷っていたら、1人分が空いている座席を見つけました。わたしはその場から座席までショートカットしたかった。そこでわたしは目の前のおじさんの前を通ろうとしました。彼はわたしより少し年上くらいだったと思います。おじさんは吊り革につかまっていました。その時の電車は少し混んでるかなってくらいで、ぎゅうぎゅうに人は詰まっていませんでした。
おじさんの前を通ろうとむぎゅっと体をねじこんだら「前通んなよー」と結構大きな声で言われました。それでも、わたし的には迂回するのがめんどくさかったので「すみません」と言いながら通り切りました。その時また「前通んなよー!」と言われ、これまたわたしは「すみません」と謝りました。さらに座席に座ろうとする時に体を反転させなきゃいけなくて前後ろ逆に背負っていたリュックが軽くおじさんの体に当たると彼は「チッ」と舌打ちしていました。まだ何か言い足りなさそうなおじさん。おじさんは全然後ろにポジションを変えないので、リュックが当たってしまう位置なんですよね。
このとき衝撃だったのは、わたしが声を出せたことでした。
もちろん怒られたことでかなり動揺していましたが、以前のわたしだと、たぶん声すら出なかった気がします。あと変な脇汗がすごく出てしまったと思います。
対してこの時は「すみません」と2回も声を出して謝ったし、変な脇汗も出ませんでした。いや、少しは出たかな?
わたしは座ってからジロジロと舐め回すようにおじさんの背負ってる荷物や服装や雰囲気などを見て確かめました。
そんで耳を見るとイヤホンしとるやないかい。
さてはわたしの「すみません」は聴こえてなかったな?
「謝って損したって思いました。」(36歳女性)
その日は一日中、おじさんとの場面がリフレインして集中力が削がれましたが、これは通常運転です。
発達障害が原因の一つだとは思うのですが、普段の生活で昔の嫌な記憶がフラッシュバックしたり、いい思い出ではなく嫌な思い出だけがやけに頭にこびりつくのです。
その日もその次の日も「怖い」という気持ちが拭えませんでした。「もしもあの人がずっと怒っていて、あとをつけられでもしたら」とか頭の中で嫌な妄想が浮かんでは消え浮かんでは消えを繰り返してました。
いまは落ち着いたので、こうして文字に起こせるわけですが、記憶があるうちに嫌なことでも日記に書いたり、文字起こしすると客観的に見られるからいいですね。
次はノーマルに人の後ろを通ろうと思います。
仕方なく通ってまた「前通んなよー」って言われたら今度は車両を変えるか離れようと思います。