6月28日発売もう1冊。ELLE8月号。
ルイヴィトンの創業者生誕200周年記念別冊つき。
私は連載「BVLGARI AVRORA AWARD」の
インタビューを担当しました。
本当はこの連載、
先月号から始まっているのですが、栄えある初回、
私だったか娘だったかがコロナ感染中で
インタビューできず…
今号からの参加となりました。
毎年10名のアウローラを選出するこのアワード。
毎月2名(受賞者と推薦者のペアで2組)を
ご紹介します。今月は推薦者の
キャスティングディレクターの奈良橋陽子さんと
受賞者の俳優の杉咲花さん、そして
推薦者の現代美術家の宮島達男さんと、
受賞者で同じく美術家の宮永愛子さんに
ご登場いただきました。
真摯に生きる方々の生き様と言葉が
多くの方のもとに届き、新たなエネルギーとして
日本中のあちこちで光を放ちますように…。
6月29日(水)
朝、1ヶ月半ぶりに朗読教室に。
新しい会員の方を迎え、今日も1時間半。
一人ひとりの声、
その言葉にのせられた思いが
あまりにもカラフルで、
お花畑に埋もれているような贅沢。
単語ひとつのイントネーション、
アクセント、語尾の重さ、間のとり方で
その人の願いや価値観や美意識まで
全部ビリビリと伝わってくる。
久しぶりのレッスン参加だったので
先生に感想を求められた。
一人ひとりの個性豊かな声に包まれて
幸せな時間でした。
このクラスには、並外れた個性的な方ばかり
集まっているんでしょうか。
それとも、きちんと耳を傾けると、
人というのはこんなにも
豊かな個性や魅力に
溢れているものなんでしょうか。
そう言うと、先生は、
きっと後者でしょうね、とおっしゃった。
私たちは日頃いかに、
言葉の端っこのYES NOや
大まかな意味を捉えてわかった気になって
大切な、豊かな部分をスルーしているか。
もちろん、発する側としてもそうだろう。
日頃、こんなにも丁寧に、正確に、
聞く相手と、伝えたい内容に
寄り添おうとしているだろうか。
伝えること。聞くこと。
簡単そうに見えてとても奥深い。
6月30日(木)
そんなことを考えていた翌日、
取材でお会いしたのは
メタバースの第一人者のような方。
私たちが実体だと思っているもの、
感情だと思っているものも含めて、全て、
プログラムに置き換えられるかもしれない、
という仮説でお話をされる。
それは例えば思考と感情を
切り離すべきときに、とても効果的だ。
その方は不用意に怒ったり、恥じらったり
することはないのかもしれない。
相手の言動と感情、自分の感情の
メカニズムを全て理解しているから。
その方はとてもスマートでジェントルで
いかにもリアル社会でもモテそうだったけれど
もしかして「モテるためのプログラム」を
実装しているだけなのかもしれない。
…でも、だけだとしたら、何なのだ?
水曜日の朝の朗読教室で感じたものと
木曜日の夕方メタバースの取材で感じたもの
両極端のようにも見えるけれど
目の前の事象のミクロに迫って
丁寧に、緻密に、寄り添って
解像度を高め理解を深める、という
アプローチは、とても似ているとも思う。
まあ結局の所、全てのものは
いろんな切り取り方ができるのだ。
経済学の人は経済学の世界で
社会学の人は社会学の世界で
それは偏っているとか一面的だとかではなくて
どこから見るかという視点のお話だ。
面白い。
