木村佳乃さんインタビューを担当しています

アルソアの会報誌「Arsoa Ai」の

春号が配布されています!

愛用者の方のお手元には届いているかと思いますが

ウェブでもご覧になれるので、

興味のある方はこちらからどうぞ。

川上未映子さんのエッセイも楽しめます。

 

 

3月17日(木)

大変な3月であった。

まだ終わっていないけど。

 

2日(水)、午前中の取材予定の方から

体調不良のご連絡があり、

日延にしましょう、と少し時間ができた日。

 

昼に保育園から娘の発熱の連絡があり、

37.4℃とのこと。37.5℃を超えると

翌日休まなくてはいけないため、急いで迎えに。

病院で診察、念の為PCR検査もして帰宅すると

夜、一気に熱が上がり、結局翌日はお休みに。

翌日、2本取材のあった私は

在宅勤務の夫に娘を託し、仕事へ。

 

2本目の撮影の途中で

夫からの度重なるメッセージで

娘の熱が40度に達したことを知り、

同時に保健所からのメッセージで陽性が判明。

私も濃厚接触者になる。感染者かもしれない。

取材先の方やカメラマンさんに

感染させたかもしれない。

そして娘は大丈夫なのか。

私が皆さんに近づくことも

口を開くことも怖く。

気が動転し、その後の取材はそぞろに。

ほとんど覚えていない。

 

帰宅するも、娘は昏睡中。

私は1週間先までの取材を慌てて調整。

スタッフから外してもらったり

編集部の方に

代わりに取材に行っていただいたり

取材日を変更してもらったりと

いろんな人に迷惑をかけながら

在宅勤務体制をつくる。

 

娘は初日こそ1日コンコンと寝ていたけれど

翌朝には平熱になり、

咳や喉の痛みも一切なく、

ただただ元気で暇を持て余し。

それなのに保育園の卒園式に

ギリギリ10日ルールの最終日で

参列できないことが判明した。

そしてまた、未知の病気に罹ったこと

パパママと触れ合えないことで

不安を抱えて甘えたがっていた。

検査の結果両親は陰性。

 

しかしそうこうするうちに

夫が発熱、その後私も発熱。陽性に。

全員熱は1日上がっただけで

ただただ自宅謹慎が長引いた。

 

「世田谷区は1世帯の人数が多いから

なかなか感染者数が減らないんですよ」

とドクター。

「もうこの先半年は、

家族みんな感染しませんから、

GWも安心して過ごせると思って

前向きに捉えてください」という。

娘が感染した時の動転からすれば

こちらもすっかり慣れてきた。

何回も言わされているうちに、

2回めのワクチン接種日も暗記してしまった。

 

聞けばほぼ皆さん、一人罹れば

一家全員感染したというし、

どうせ避けられないのなら、

最初から娘を抱きしめて寝て

早々に感染した方が、

娘も不安を抱えることなく、

一家の謹慎期間も短くて済んだものを。

とも思うが、

運良く感染しないこともあったろうし、

運悪く重症化することもあったろうし、

と考えるとまあ、

やはりわざわざ罹るものでもなかろう。

 

保育園ママのLINEグループで

卒園式の座席表が届いて

娘の名前もあって、

ああ、ここに娘は座れないんだ、と思うと

涙が止まらなくなる。

 

と、卒園式の前日の夕方、

保育園から連絡があって、

ZOOM参列してはどうか、と提案が。

お忙しい中、ありがたい取り計らいに感謝。

 

卒園式に着る予定だった

セットアップを着て、自宅で参列。

画面に映るよう、壁に

「みんなそつえんおめでとう」

などとメッセージを貼ってみた。

みんなが画面越しに娘に話しかけてくれて

チヤホヤされてそこそこ参加できた感。

とはいえ、よそのママさんたちがLINEで

「涙が止まらなかった」

と言い合っているのを見るにつけ

やはり所詮ZOOMではその臨場感は

生まれないものだな、と。

まあとにかく。

小学校に入ってからじゃなくてよかった、

と思うことにしよう。

感動の卒園式、にはならなかったが、

こんな愚痴も、

大事に至らなかったからこそ感じる、

幸せな愚痴なのだ、と。

 

最初のうちは、療養中でもあるし、

「こちらは仕事中」とばかり

娘を放置していたが、

あまりにNetflix三昧なのも気になり

ワークブックをいろいろ取り寄せて

仕事をしている横でやらせてみたら

メキメキ算数や漢字を覚え始め

怪我の功名。

実は勉強したかったらしいのだ。

難しい問題に癇癪を起こしているので、

もうやめて明日にしたら、と言っても

やめない、とむずかっている。

問題が難しいことでなく、

自分が解けないことに苛立っているのだ。

がんばれ。

 

半月電車に乗らなかったので

定期券もほぼ無駄になったが

まあ人生そんなこともある。

夫も在宅勤務をはじめとする

このところの肥満、飲酒喫煙を

見直す契機になり、

食生活をガラリと改めた。

私も無事期日までに

確定申告も終えられたし

小学校入学準備の謎の縫い物もできたし。

兎にも角にも、

これだけで済んでよかったとしよう。

 

さあ、そろそろ暮らしを

立て直さねば。