25ans本誌で担当しました「花の名言集」

オンラインでもじわじわアップされているので

今日もひとつこちらに。

 

この企画が立ち上がったのは昨年暮れで、

私が熱心に本を取り寄せて、言葉を集めていたのも

年末年始のお休み中。はるか昔。

当時は、春だからという程度の

軽やかな企画でしたが、

世の中が不安に包まれた今、

この一輪一輪の花たちが、

みんなに元気を送るような

言葉になればと思います。

農林水産省も「花いっぱいプロジェクト」

実施していますね。

 

東日本大震災の時、私の大好きな花屋さん

アイロニーが、店先に毎日、

1輪ずつ持ち帰れるように、

小さな水のカプセルをつけて処理した花を、

店のビルの1階の通りに置いて、

「少しでもみんな元気に過ごして」と

メッセージを送っていました。

みんながそこから花を持ち帰り、

ありがとうとたくさんのメッセージを

書き残していました。

きっと家に花を飾る喜びや

人に花を贈る喜びを思い出して、

過ごしたことでしょう。

お花の農家さんは大変な時期に

腕まくりをして、アイロニーさんに

たくさんの花を寄付していました。

あの時あそこに流れていた、

温かくて熱いエネルギーは、震災がなくても

別の形で流れていたとは思うけれど

震災が通り過ぎた後の景色に、

9年経った今もくっきり残っていると感じます。

 

そして星の王子さま。目には見えないもの。

私が30年以上前から愛読している本。

高校生の時に、今思えば好きだった先生がいて、

夜間部の国語の先生だった彼と、

恋人の部活が終わるまで無為に過ごしていた私は

よく、夕暮れの教室で

中二病的な会話をし続けていて、

星の王子さまについて、便箋で十数枚の

手紙を書いた覚えがあります。恥ずかしい。

 

 

 

何度も何度も読んで、

その度に心に響く箇所が変わって、

いっときは一冊のほとんどに

傍線が引かれていた時も。

そんな星の王子さまからの抜粋です。

 

 

3月14日(土)

冷たいみぞれの降る日。

今日は本当は秩父宮で

ラグビー観戦の予定だったけれど

この騒動でステージを

オーストラリアかどこかに移してしまった、が

こんな天気ならどうせ行きたくないので、

結果良かったと、諦めがついた。

 

近々発生しうる退屈な自宅待機のために

買っておいた恐竜のペイントおもちゃ。

年明けのGINGERのインテリア取材先で

恐竜が家の随所にいるお宅があって、

彼女に教えてもらったものだった。

恐竜なので、色が混ざって濁っても

それはそれでカッコよくなる。

上から何度でも塗り重ねられるし、

水彩絵の具なので、濡れタオルで拭けば

ある程度やり直しも効く。

長く楽しめそうだ。

 

 

 

色を塗りながら「絵具って、粘土?」と聞く娘。

うーむ。何でできているのじゃ?

いつもの先生に聞く。Google先生。

絵具については、

武蔵野美術大学のサイトに詳しく書かれていて

鉱物や土、色素からなる顔料と、

それを塗る側のものに定着させるための

アラビアゴムなどを練り合わせたものだという。

一方粘土は、

粘土メーカーCECさんのサイトがわかりやすく、

油粘土は鉱物粉と植物油を混ぜたもの。

そう考えると、

鉱物と、植物の油を混ぜたものという意味では

確かにほぼ同じだ。

 

しかしそう考えると世の中のものの多くは

鉱物だけか、植物だけか、

鉱物と植物を混ぜたものなんじゃないか?

植物は繊維を使うか樹脂を使うかなどで

大きく変わるような気はするが、

デスクを見回しても、机、鏡、パソコン、

小物入れ、ペン立て、紙、ボールペン、

どれもこれもその説明に

ほとんど収まってしまうような気がした。

しかしそれはあまりに乱暴じゃないか。

塗っている絵具も

塗られている恐竜も同じというようなものだ。

 

と私の頭の中でグルグルしている間に

娘は恐竜と、美容室ごっこをしている。

「今日は何色にしますか〜?」

「あ、カッコよくしてください。

 女の子にカッコいーって言われたいんで」

「はいーじゃあちょっと目つぶってくださいねー」

とか言っている。

(途中から私が恐竜役になったが)

彼女の方がなんとなく生産的で健康的だ。

ビジネスに成功するのはきっと

理屈ばかり捏ねる私より、手を動かす彼女の方だ。

 

そうこうする間に、私は

保育園から渡されていた書類の記入。

児童票や緊急連絡カードや勤務証明書。

災害時にお迎えに来た時、引き渡してもいい人

5人まで、顔写真入りで住所や連絡先も記載。

ちょうどよく貼れる写真を

探してプリントして切って貼って。

家から保育園までの地図を書いたり、

4年間で打った予防接種を書いたり

まあまあな作業量。

みぞれの降る土曜日の有効な使い方。

 

夜はスガシカオのインスタライブを聴きながら

晩御飯を作ろうとしたら、

風邪の治った夫が整体の帰りに

外でご飯を食べようというので

インスタライブを聴きながら店選び。

今日もシカオに会えて良かった。

 

お刺身を食べられて、近くて、

ギター2本持ち込める店というので、

食べログで個室×和食×近所で

検索して予約したら

外装も内装もサービスも器も料理も

このところ久しく経験したことのない

およそ愛の感じられない店で、

いつもお世話になっている店の

温かさを思い知った。

何気ない日常に感謝である。