8月5日(月)

明け方に起きる娘。

「ママ、お水。飲ましてください。」

枕元の水筒の口を娘の口元に寄せると、ごくごく。

その物音で夫が目を覚ます。

「りおちゃんは可愛いなぁ。ごくごくって音も可愛いなぁ」

ほんまか!

熱を測ると37.8℃。さて、この調子だと保育園は厳しい。

 

朝、平熱に下がったものの、不安定感は否めない。

とりあえず病児保育園の予約にトライ。

8時開始の1園め、10分後に電話つながって、6人キャンセル待ち。

8時半開始の2園め、5分後につながって、予約が取れた!

保育園に欠席の連絡をして、大慌てでお弁当を作って、

今年度はまだ病児保育にかかってなかったので登録書類作りから。

生まれた時に何週で何グラムでどんな分娩法で生まれたかとか、

3歳になっても必要なのか。私にはようわからん。

寝返りは何ヶ月?人見知りは何ヶ月?意味のある発語は何ヶ月?

パパの会社の住所と電話番号がわからん!など、ドタバタ。

私のイライラを察して、娘がまとわりついてくる。

「え、ちょっと邪魔!」「ママ?ママ、大好き…」

はっと我に返り、娘を抱きしめ「ママも。ごめんねイライラして」。

この人の愛情のスキルが高すぎて、怖い。

 

いつもの保育園より遠いし、着いてからも書類記入に診察、

なんだかんだ1時間半くらい遅れをとる。

気を取り直して原稿を1本書いて、午後は半蔵門へ。

 

社会起業大学の個人コンサルティングを受けに。

自分の働き方の悩み、働く上での信条、これからのことなど

いろんな話を聞いてくれた。

本当に久しぶりに、自分の話をした。

 

昼は毎日取材でいろんな人の仕事の話を聞く。

夜は毎日夫の仕事の話を聞く。

昼も夜も人の仕事の話を聞いて過ごして、

私の仕事の話を誰かに聞いてもらう機会はない。

ごく稀にインタビューを受けたり、登壇で話すことはあるが、

その時私のスイッチは、読み手、聞き手を想像して、

私の中の役立ちそうな情報を探して話すので、

私の話したい話を話すわけではない。

多分、6年前にコーチングを受けた時以来だ。

 

話したいことを話し、

目の前の人が耳を傾けて、うなづいてくれるというのは、

こんなにも癒されるものなのか。

コーチングでもコンサルティングでも

カウンセリングでもいいから、定期的に行きたい。

私の話をしていい、わがままな場所に。

愛なんかなくていい。金なら払う。

むしろ愛はいらない。お金を払いたい。

その方が安心して話せるから。

ほぼ、風俗だ。行ったことはないが。

どうやら私は誰かに聞いて欲しかったんだ。

母の写真でなく、パソコンの画面でもなく、生身の人間に。

友人や家族が冷たいわけではなく、いざ話すとなれば

この話は相手にとってつまらないんじゃないか、メリットがないんじゃないかと

気を遣いながら話してしまうに決まっている、

コンパクトで、起承転結やオチのある話にしなくてはと

思うに決まっているから、却ってしんどいのだ。

 

何のために働いているのか、誰にどんなふうに貢献したいのか、

いろんな思いが明確になって、そのことについてもっと考えたいが

まずは今日の原稿だ。

病児保育園の近くまで移動してカフェを探すと、

目の前にスターバックスリザーブロースタリー東京。

ちょうど良いじゃんと入ろうとしたら

隣のビルで整理券をもらって45分待ちだという。

あほな。コーヒー5杯飲めるわ。

グーグルでカフェと検索すると、150mほど先にいい感じのカフェが。

PARADISE TOKYO

全然いい。むしろいい。パラダイストーキョー。

早くて静かで空いててイカしてる。

4人がけのテーブルを悠然と使って原稿に取り掛かる。

みんな、あちらの観光名所に入れるまでの45分、

ここでお茶でもして待っていればいいのに。

 

病児保育園のお迎えはいつもより45分早い。

朝の、お弁当作ったり書類作成したりも合わせると、

娘健常時より3時間くらい仕事時間が削られた。

しかしまぁ、預かってもらえるだけ感謝。

病院も併設していて何かあってもケアしてくれるし、

突然の呼び出しの恐怖からも解放される。

娘は小康状態で過ごした模様。

 

帰って宅配便の再配達依頼電話をする。

「これ以降は家に居ります」と言ったら、

娘「え?今ママ、オリマスって言った?何をオルの?」

母「居ます、ってことを丁寧に言うと、居りますってなるの」

娘「ここに居りますっていうの?

  折り紙も、ここを折ります、って言うよね。

  あ、あとさぁ、タクシーも、ここで降りますって言うよね」

おお、同音異義語を楽しんでいるじゃないか。

ママ、今日行ったところどこ?と聞くので「病児保育」と教えたら

「ビョウジホイク、ビョウジホイク。ビョウジホイク楽しかったよ」と

舌の上でビョウジホイクを転がしていた。

言葉の好きな子に育っている。

 

明日は延長保育しても中抜けになる遅い取材がある。

どうか娘の体調がよくなりますように。