5月22日(水)
母が亡くなってちょうど1ヶ月が経つ。
不思議な1ヶ月だった。
今では母はすっかり呼吸も苦しくなくなって、
こっちで信仰深く過ごしていたので
あちらでは特待生として快適に暮らしているに違いない。
先に上京した先輩みたいだ。
こっちでうだうだしている私たちのこともたまに思い出してね、と話す。
早朝から、午前中締め切りの原稿。終わらず。
書評の打ち合わせがあって本を10冊ほど持っていたこともあって、
そして時間がないこともあって、娘を保育園にタクシーで届け、
さらにタクシーに乗り換えて神保町へ。
タクシーの中で原稿。でも終わらず。
お互いママなので、
出版社なのに9時からミーティングが叶う。
マスコミ時間じゃなくて保育園時間で回る。
打ち合わせ2本、終えて白金台へ移動。
地下鉄で原稿。でも終わらず。
ファッションスタイリストをしている知人の
「センスを作る」というセミナーに参加。
私を軸に人を集めてくれたという小さなワークショップ。
普段自分に思考を向ける時間がなかなか取れていないので、
良いひと時だった。
とは言え原稿が終わっていない。
事務所に戻って原稿、夕方になってしまったけれどなんとか終え、
校正戻し、レイアウト回しなどもいくつか終えて保育園へ。
明日の朝までの原稿を「一部でも今日もらえないか」と
問い合わせが来たけれど、着手自体が
今日無理ということでごめんなさいメールを。
夜、絵本が3冊も届いた。
ひとつは、たまたま本のカバーに載っていた広告で
娘が「ほしい」といった「もうねんね…」。
内容自体はもっと小さい子向けの絵本だが、イラストも可愛いし、
勝手に歌を作って楽しんでいる。
もうひとつ、以前から再三目についていた
「ちいさなあなたへ」。
母を亡くしたばかりの私にはとても苦しい本。
娘に朗読しながら涙で声が震える。
3つ目は、クレヨンハウスさんからの絵本定期便。
「かいじゅうたちのいるところ」。
絵も綺麗だし、面白おかしく読むのにちょうど良くって
「すごい歯をガチガチ鳴らして…」と読んでいたら
「こうやって?」と娘も獅子舞みたいに歯を鳴らしてみせる。
絵本を読み聴かせるのは楽しい。
小さい頃、ラジオや舞台で朗読する人に憧れていたんだった。
気がついたら、なっていたじゃないか!
何度も読んでいる絵本は娘が読んでくれる時もある。
セリフを丸暗記しているものもあれば、
ストーリーをざっくり覚えていて、
絵を見ながら「男の子はリンゴも食べて踊りました」
などと自作で読んでくれることもあって、
それはそれで異常に可愛い。
パパが帰ってきて、保育園で描いた塗り絵を見せる娘。
最近塗り絵にはまっていて、保育園にお迎えに行くと
まずリュックサックから、今日の作品を取り出して見せてくれる。
なかなかサイケなペイントをする。
急いでご飯を作って食べて、2時間目の課外授業はワークブック。
今日はかなの練習。「し」とか「へ」とか「く」とか、
なんでもないと思える線を書くのがこんなに難しいのか!
ワナワナした線で書いている。
し、は何?しじみのし、しめなわのし、新幹線のし、お箸のし、と連想ゲーム。
イラストを見て「くまさんのし!」と叫ぶ娘。
どこに「し」やねん!しろくまさんじゃ!
「て」と「2」が似てるとか、「ろ」と「5」が似てるとか、
私が気づかなかった相似性を味わったりしている。
人の成長していく過程ってなんて面白いんだろう。
明日は明日で宿題山盛りだが、
まずは今日も良い日であった。

