急に寒くなってきましたね。

私は風邪を随分こじらしてしまって、

明日のマラソン大会は休もうかと思っています。

(まだ、少し、今日の回復次第と思っている気持ちはあるけれど)

皆様もご自愛くださいませ。

 

さて、連載中の貝印のウェブサイトKai Houseにて

先日木蔵シャフェ君子さんにインタビューしました。

テーマはマインドフルネス。

ここ数年よく聞くようになって、

「瞑想から宗教的要素を抜いたもの」みたいに理解されていたり、

「今ここ」というキーワードが一人歩き?しているようにも見えますが、

私も何度も触れていながら明確に定義できていなくて、今度こそ、という思いもありました。

実際にお話を伺ってみると、やっぱり一言でいうのは難しかったのですが(笑)

結局のところ私たちの心は、自分自身が発するノイズに振り回されている、

そこといかにいい距離で付き合えるか、その心の向け方なのかな・・と思います。

 

不安とか恐れとか怒りとか苛立ちとか焦りとか緊張とか後悔とか期待とか

それらの感情は私たちを守ったり、育てたりしてくれることも多いと思う。

でもそれは結構なリスクを伴うし、

うまくコントロールできないと、自滅してしまうこともあるかもしれない。

デイリーには、振り回されないで行けるにこしたことはない。

そういう感情を無理なく上手に手放す方法を獲得しよう、

という感じなのかなと思います。

 

マインドフルネスについて考えていた時、

いくつかのことを思い出しました。

 

例えば、アイアンマンの途中の気持ち。

レース中はいろんな感情が湧きます。

○○が痛い、最後までもたないんじゃないか、気持ち悪いとか

せっかくさっき何人抜いたのに○○のせいで抜いた分以上に抜かれて台無し、とか、

制限時間までにゴールできないんじゃないかとか、

応援してくれてる友人がこの失速をどう思っているかしらとか、

つらい、辞めたい、寝たい、止まったら楽になれるのに、とか。

もっと練習しておけばよかったのに、とか。

そういうときに私は「右・左・右・左」と唱えることにしています。

トライアスロンなんて結局、右左右左。右手を出し左手を出し、右足を出し左足を出し。

0歳の時からやっているその行為を、繰り返していればいつかゴールにたどり着く。

技巧的なこととか考えるのをやめて、ただ、右左と唱える。

 

仕事中にもそういう時がたまにある。

いくつもの仕事が同時多発的にデッドラインを迎えていたり、

そこに緊急のトラブルがのしかかったりして、

メールの着信のサインを見るたびに心臓が収縮するような時。

もう無理かもしれないとか何から手をつけるべきかわからないとか思って

長い複雑なメールを理解する脳が萎縮してしまう時。

「焦ってもしょうがない。手に触れたものから一個一個こなそう」。

と心を切り替えて取り掛かる。どうせどれも緊急なのは同じ(笑)。

パソコンをタッピングする手は右左、上下に動かすだけ。できる。大丈夫。

必ず終わりは来る。

 

幸い私は営業職ではないので、立ち止まらない限りいつか必ず終わりは来ます。

だから仕事とアイアンマンは結構似ていて、お互いがお互いの励みになることがある。

 

「後先を考えず」という言葉がありますが、

大抵逡巡している時、私たちは「後先を考えすぎている」と思う。

それで脳や心のエネルギーの大多数を使っていると思う。

だから「後先」についてはできるだけ速やかにコンパクトに考えて整理して、

「思考済み」のボックスにしまっておく。

繰り返し引っ張り出してスルメみたいにしゃぶらないように。

 

もう一つ、特に失敗した時などに、時々思い出すのが

グーグルマップのルート検索機能。

最初に提案してくれたルートから道が逸れても、

気にせずその地点からの新しい道を提案してくれる。

その時にはもう、過去の道について彼が語ることはない。

「本当はあっちの道に行くべきだったのに君は選択を間違ったね」とか

「今頃本当ならもうついてるはずなのに」なんてことは絶対に言わない。

実際、私たちにはそれしかできないんだから、その判断は正しいと思う。

常に、今いる地点から新しいルート検索をしよう、と。

 

ちょっと違うかもしれないけど、私流の「イマココ」活用法です。