昨日は晴れたり雨が降ったりでしたが、
今日はいいお天気になりそうですね。
私は午後4時間くらいの枠で予測不能に玄関の扉交換が来るらしくて!
軟禁ライフを楽しみます(笑)
さて、コツコツと告知を。
18日頃公開された、ELLE ONLINEのインタビュー記事。
辛酸なめ子さんをホストにする対談企画。
辛酸さんとは個人的に?Marisolの連載が長年表裏の関係で(笑)
自分の書評ページを切り取ると、裏には辛酸さんとみうらじゅんさんの
お悩み相談コーナーがある、という素敵な構成で、
毎月楽しみに読んでおりましたが、
最近折々、一緒に取材に行っていただいて、
例の1コママンガコラム?を描いていただいたりしています。
ヨシダさんは初対面でしたが、春にagrisの鷺森アグリさんを取材させていただいた際、
ヨシダさんとのコラボというかヨシダさんへの求愛作品を
たくさん見せていただいて、ヨシダさんへの興味が深まり、
その頃「ヨシダナギの拾われる力」が出版されてMarisolの書評で取り上げてみたり、
その後ちょうど渋谷でやっていた作品展を拝見に行ってトートバッグを買って結構毎日愛用し、
ちなみに作品でちょっとおもしろかったのが、EGGを読んでる原住民族の皆様。
タイトル「参考」笑。
その後別のイベントで鷺森さんに登壇していただいた際に、
ヨシダさんと対談を提案してみたのですがその時は次のコラボをされていたので叶わず
じわじわとにじり寄って、今回ついにご対面しました(個人的に笑)。
そんなお二人の対談ですから、私は個人的ににんまりと、役得感満載。
おふたりはとても満ち足りている空気があって、それは何より人と比較をしないからだと思われます。
ヨシダさんいわく、原住民族の言葉には「幸せ」という単語がないのですって。もちろん「不幸」も。
人と比べないから。人と比べるから幸せや不幸という概念が生まれるらしい。
そういえばこの間知人に、とても幸せそうねと言われ、
「幸せって気の持ちようですからねぇ」と答えたのですが
幸せになりたい、とか、幸せになるには、という発想は、とてもやっかいで、
山のあなたになほ遠く幸い住むと人の言ふ、ですよ。(←上田敏)
幸せってなんだーっけなんだーっけ、ですよ。(←ポン酢しょうゆ)
幸せを設定すれば幸せは逃げる。虹の足の中だから。(←吉野弘)
自分が幸せだと思えばそこは幸せ。
虹の足、は吉野弘さんの詩ね。
確か吉野弘さんは転載を許可していると読んだことがある気がするので、
ここに全文を載せて突然締めくくろうかと思います笑。
(関係者の方、問題があればお知らせください―)
虹の足 吉野弘
雨があがって
雲間から
乾麺みたいに真直な
陽射しがたくさん地上に刺さり
行手に榛名山が見えたころ
山路を登るバスの中で見たのだ、虹の足を。
眼下にひろがる田圃の上に
虹がそっと足を下ろしたのを!
野面にすらりと足を置いて
虹のアーチが軽やかに
すっくと空に立ったのを!
その虹の足の底に
小さな村といくつかの家が
すっぽり抱かれて染められていたのだ。
それなのに
家から飛び出して虹の足にさわろうとする人影は見えない。
―――おーい、君の家が虹の中にあるぞオ
乗客たちは頬を火照らせ
野面に立った虹の足に見とれた。
多分、あれはバスの中の僕らには見えて
村の人々には見えないのだ。
そんなこともあるのだろう
他人には見えて
自分には見えない幸福の中で
格別驚きもせず
幸福に生きていることが――。
(『現代詩文庫119続・吉野弘詩集』/思潮社)




