須賀敦子~その静かで美しい文体から学び続けることの楽しさを読みとる | 本音で生きる人生の愉しみ方~ライフナビゲーション

本音で生きる人生の愉しみ方~ライフナビゲーション

【大人のギャザリング】美術館でのガイド付きの観賞ツアーやアートトリップ・起業を目指す人のお金の知識講座・アラフィフ向けの起業スタートアップ講座・枠を外して本音で生きる為の個人セッションをしてます。『明日で命が終わるとしても後悔しない人生を!』

【学び続ける人生の楽しさ~須賀敦子の世界】
Facebookの過去記事としてアップされてきた2014年の10月14日
 
その日は友人と連れ立って
『須賀敦子の世界展』を観に出かけたのだった。
 
台風は後半だということでほぼ晴天だった日。
フランス山公園から眺めるベイブリッジも白く空に映え渡り
広い敷地内をそぞろ歩く人、花を眺めてベンチでお喋りを楽しむ人
皆、思い思いの休日を過ごしていた。
公園の噴水からまっすぐに伸びた道の先に建っているのは
«大佛次郎記念館»
 
その奥にある、霧笛橋と名付けられた赤い橋を渡ると
«神奈川近代文学館»の建物が木立の中に見えてくる
 
この日は関連のギャラリートークもあったらしく
ちょうどその開始時間にあたったからか、館内は休日にも関わらず空いていた。
 
展示は4部構成となっていて
 
宝石赤第1部は
須賀敦子が生まれてから恵まれた少女時代を過ごし
聖心女子大学に入学してから後、慶應義塾大学にて社会学を学び
フランスに留学するまでの時代
 
宝石赤第2部は
フランスで挫折感を味わいつつある中で、イタリアに惹かれていき
一旦パリから帰国後、今度はイタリアに留学しコルシア書店の仲間たちと出会っていく時代
 
宝石赤第3部は
結婚し、イタリアに日本文学を翻訳して紹介する仕事をしながら
次第に”書く人”になってゆく過程を描いた時代
 
宝石赤第4部は
須賀敦子という人の愛した、イタリアの景色、本
場所、人、モノたちを紹介し、軌跡を追う
 
ごく幼い頃から本を読み続け
”読む人”から”書く人”へと変身を遂げた彼女の生き方が
須賀敦子の遺したエッセイを読むと
珠玉のように散りばめられて、そこに美しい陰影を残すのかもしれない・・・
 
忙しいと慌てふためいている日々の中で
ふと、このところ忘れかけていた
「本に没頭する」ことの悦楽を思い出させてくれたひとときだった。
 
私にとって本を読むことは
美術に触れたり
映画を観たり
そういうものの中で一番、幸福なことであり
それは子供の頃から変わらないのだと
 
この過去の記事を読み返しながら
改めてそう思った・・・
 
 
人生はアートで彩られ
人生を生きることそのものがアートなのである。