TVドラマ『女はそれを許さない』を見ていたら、今日は司法修習生バッジが出てきました。
今まで、弁護士バッジはごく身近で見たことがあり、検事バッジもキムタク主演のドラマ『HERO』で見ましたが、司法修習生にもバッジがあったとは今日初めて知りました。



ドラマで上川隆也演じるベテラン弁護士が司法修習生に言う台詞で、バッジのことを説明していましたが、赤は検察官、青は裁判官、白は弁護士を表しているのだそうです。図案はアルファベット大文字のJから来ていて、法学者を意味するJURISTの頭文字だそうです。

なるほど、なるほど。

そういえば、アメリカ人弁護士の履歴書にJuristという単語がよく出てきていました。

ドラマ中で、しがない町の弁護士事務所で修行中の溝端淳平演じる司法修習生は、

「いくら検事や弁護士が地道に色々調べて裁判に臨んでも、最後に決定するのは裁判官だから、かっこいいよね。僕はやっぱり裁判官になろうっと。」

とミーハーなことを言っています。

同期の司法修習生達は

「やっぱり今はドラマ『HERO』の影響もあって、かっこいいのは検事じゃない?検事がトレンドよ。」

などと、これまた信じがたいことを言っています。

こんな人達が法曹になって日本は大丈夫なのか。むかっ

何を優先して進路を決めるかは人それぞれですが、「かっこいい」って言うのが基準とは寒いです。

そもそも検事も裁判官も公務員なので、少なくとも給料はエリートの割にはすごーく少ないです。更に、国家公務員として日本中を転勤し続けなければならないので、好きなところにも住めないですし、子供は転校が多くて勉強が遅れパパほど優秀に育たないことが多いそうです。あと、公務員なので仕事を選べずあてがわれた事件はどうしても担当しなければならないです。悲惨な事件の担当になったら辛いですよね。

裁判官に至っては、公平を期すために人付き合いも厳しく制限されます。

こういう職業を全うする人は、心から公の精神を持ち、天職意識をもっていないといけないとできないと思います。それがきちんと一貫して出来ている人は本当に立派だと思い尊敬します。そうであって欲しいという意味でもありますが。

一方で、弁護士は民間人なので、有名大手法律事務所などに勤務すれば、年収は数千万円から数億円に上ります。民間人だから、勤務先も住むところも引き受ける仕事も自分の意志で選べます。渉外弁護士しかしたくない、とか、刑事事件は引き受けたくない、とか選ぶことができます。自分の専門領域だけを扱うことも可能です。(弁護士なら何でもわかるだろうと思わず、何を専門にしている弁護士か確認してから弁護士を選んでくださいね。弁護士とは一生縁が無いのが一番ですが。)あるいは、社会派弁護士として、恵まれない人達のために損得を度外視した活動もできます。はたまた、売れない弁護士だと生活も苦しく、クライアントのお金を横領してしまう弁護士も時々います。犯罪ですけどね。

とにかく裁判官と検事に比べると、弁護士は選択肢が随分と多いです。

以前、拙ブログで書きましたが、検事は司法試験上位合格者でないとなれないのが現実で、裁判官に至ってはトップ3%で合格した人しかなれないと聞いています。

だから、このドラマみたいに、

「やるなら裁判官かな。かっこいいから。」とか「今なら『HERO』の影響でかっこいいのは検事でしょ。検事になりたいわ」などと言っていられる選択の幅が広い人は、ごく少数なのが現実だと思います。

法曹界に属する人は、どの立場にあっても、是非心ある仕事をして頂きたいと切に願っています。