ほんとうのさいわいをさがしに 3
その日一日は、まったく授業に集中できなかった。
今日七星に告白することを考えると、授業どころではなかった。
「ちょっとは落ち着けよ。緊張しすぎていいことなんてなにひとつないんだからよ」
休み時間に彰はそう言ってくれた。
それでも緊張してしまうのは仕方ない。
告白する当日にリラックスできる程、僕の肝は太くない。
気もそぞろな時間を過ごし、ようやく放課後を迎えた。
ひとつ、ふたつと深呼吸をする。
彰はこっちを見て、無言で親指を立てた。
それを見て、なんだか少し落ち着いた気分になった。
彰が応援してくれるんだ。思い切って行こう。
まずは七星を探しに行こう。
僕は立ち上がった。
とりあえず歩く。
一歩を踏み出さない限り、絶対に前には進めない。
僕は校舎の中を歩いた。真っ先に覘いたのは七星の教室だった。
ここが大本命だったわけだが、そこに彼女の姿はなかった。
もしかしてもう帰ってしまっただろうか?
そう考えて一年の昇降口に行き、七星の靴箱を確認すると彼女の靴があった。
まだ外には出ていないらしい。
じゃあ、どこにいる?
部室……にいることはないだろう。
と、思っていた。
それでも万が一、ということも考えて僕は部室へと足を向けた。
〔つづく〕
登場人物
水無瀬弘海 主人公(みなせひろみ)
高群 七星 主人公と同じ部活の後輩
鈴木 彰 ひたすら筋トレを誇張する、主人公の友人
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編集掲載・緋鷹由理