とぅるー はぴねす  (49ページ) | 緋鷹由理 

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たぬこと熊太の徒然日記を主に掲載しています。

ほんとうのさいわいをさがしに 3

 

その日一日は、まったく授業に集中できなかった。

今日七星に告白することを考えると、授業どころではなかった。

ちょっとは落ち着けよ。緊張しすぎていいことなんてなにひとつないんだからよ

休み時間に彰はそう言ってくれた。

それでも緊張してしまうのは仕方ない。

告白する当日にリラックスできる程、僕の肝は太くない。

気もそぞろな時間を過ごし、ようやく放課後を迎えた。

ひとつ、ふたつと深呼吸をする。

彰はこっちを見て、無言で親指を立てた。

それを見て、なんだか少し落ち着いた気分になった。

彰が応援してくれるんだ。思い切って行こう。

まずは七星を探しに行こう。

僕は立ち上がった。

とりあえず歩く。

一歩を踏み出さない限り、絶対に前には進めない。

僕は校舎の中を歩いた。真っ先に覘いたのは七星の教室だった。

ここが大本命だったわけだが、そこに彼女の姿はなかった。

もしかしてもう帰ってしまっただろうか?

そう考えて一年の昇降口に行き、七星の靴箱を確認すると彼女の靴があった。

まだ外には出ていないらしい。

じゃあ、どこにいる?

部室……にいることはないだろう。

と、思っていた。

それでも万が一、ということも考えて僕は部室へと足を向けた。

 

〔つづく〕 

                                                             

登場人物

水無瀬弘海   主人公(みなせひろみ) 

高群  七星   主人公と同じ部活の後輩

鈴木  彰    ひたすら筋トレを誇張する、主人公の友人


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草薙香(くさなぎかおり)  の小説


編集掲載・緋鷹由理