あゆみの美術作品 1
お昼ごはんを食べ終えた後、あゆみと二人きりで美術室に来ました。
普段から騒がしい彼女ですが、雰囲気は悪くありません。
ああ~……これが幸せなのかぁ
今の瞬間を堪能していると、少女は僕の腕を引っ張りました。
「香! ほら、あの絵だよ!」
「どれどれ?」
いつもと違う彼女に付き合いながら、僕は美術の絵画を観賞します。
すると、綺麗な曲線を描いたボールが描かれた素朴な絵でした。
案外、あゆみにもこういったものを感じ取るセンスがあるものだと感心しました。
「へぇ~。綺麗だなぁ」
しかし、あゆみは僕の頬に手を当てて角度修正。
僕の見ていた絵の隣にある絵画に焦点が合います。
そこに描かれていたのは、無数にいる裸のおじさんらしき人々が天から降り注いでいると思われる下着を頭に装着し、隠すべき下半身はあらわになって踊っていました。その信じられない絵を眺めながらタイトルも確認してみます。
『女パンツ祭り』
きもおおぉぉぉぉ――い! な、何が起こったの!? あゆみの頭の中って、こんな感じなのか!?
「し、信じられん!」
僕は思わず本音を吐きました。
すると、あゆみは綺麗な曲線を描いた胸を張ります。
「そう! これはボクもびっくり! 突然ね。
スワローの神様が光臨したと思ったくらいだから!」
そんな神様は要らないだろ!?
だって女パンツ祭りって、ただの変態達の大集合じゃないか!
さすがに、口に出すにもためらわされる意見しか浮かびません。
そして、あゆみは調子に乗り始めました。
「そう! この一人一人を見事に再現した想い!
きっとボクの気持ちが、この絵に込められたはずだよ!」
それはまずいだろ!
「いや……これはただの変態祭りだろ」
出来るだけ小さな声でつぶやきます。
すると、あゆみは文句を言い返してきました。
〔つづく〕
登場人物
草薙 香 主人公 健忘症が病的な高等部二年
真田刃(剣) 香の親友(ある事情で兄を演じる香の彼女)
宮司 破魔 眼鏡の学級委員長
西藤あゆみ 迷惑な同級生 時に不思議なことをする
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草薙香の小説 グランディオーソ の紹介と登場人物
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