漫画のコウノドリ、楽しみにしてちょこちょこ読んでます。
※23巻のネタバレあります。中絶の話です。自分の心は自分で守ってください。
23巻に、NIPTと羊水検査を受けて胎児がダウン症だとわかった女性が、中絶する話が出てきます。
始終暗い決意を固めているように見える女性が、むかし自分が中絶したときに重なって、自分もあんな表情だったかなぁと、思い出しました。
わたしが中絶したのは学生時代、当時付き合っており、のちに結婚した元夫との間の子どもでした。
当時、わたしには夢があって、中絶するかどうかは、あまり悩まなかった記憶があります。
いろいろ病院を調べて、女性医師のいるところを選びました。
はい。
○○レディース・クリニックを。。
この大間違いを、恐ろしいことに、最近わたしは気がついたのですが、このブログジャンルにおられる方は、おわかりでしょう。
その病院は、不妊治療をやっているところでした。
最近思い出して調べたら、不妊治療専門ではなかったのですが、わたしは女性医師+母体保護法指定医資格ということでしか検索していなかったので、そこそこ大きなサイズでホームページに記載されていた「不妊治療」の文字が、目に入らなかったんでしょうね。
もう女性の医師になんと言われたのかは覚えておらず、説教されたりはなかったのですが、彼女の怒りだけははっきりと伝わってきました。
内診のとき、看護師さんが、わたしの青ざめた足を優しく撫ぜて、「あら、寒かったわね」と声をかけてくれたのを覚えています。
そのとき初めて、自分が震えていたのに気がつきました。
診察室に戻って、医師が、「出産予定日は、○月○日です」と吐き捨てるように言いました。
わたしは、中絶するつもりだと告げました。
5週で診断を受けて、中絶したのは8週でした。
胎芽から胎児と呼ばれるようになる時期です。
まだ、人間じゃないよね、って自分に言い聞かせていた。
でも、わたしが中絶して、数ヶ月もたたないうちに、友人が妊娠したよとわたしに告げました。
学生結婚をして産むという決意と、8週のエコー写真とともに。
なんの心の準備もなく、エコー写真をみてしまって、もう小さな人の形をしているように見えるそれは、わたしに脳裏に焼きついてしまった。
わたしにエコー写真はなかったから、まるでそれが自分のおろした胎児のように思えた。
脳のところが黒く写っている胎児を「わたしと○○の子だからさー、頭空っぽかもー」とジョークを言いながら、しあわせそうな友人の声を聞きながら、心の底から見たくなかった、と思っていた。
友人は、わたしが中絶したのを知らなかったので、責める気持ちはないのですが。。
そんなわけで、長い間、テレビやなんかで不意に現れる胎児画像を、見ないように避けてきました。
いまふりかえると、当時の自分の無責任さはもちろんなのですが、元夫に、お前どうなのよ、と問い詰めたいですね。
しかしそれは、また別のお話。