心に響いた言葉 | 奮闘日記

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元JW2世の人生



『正しい事こそ小さな声で』

この言葉を教えてくれたのは今は亡き旦那の祖母(義祖母)です。正論を振りかざしたり、正論で攻撃してはならないよ、相手を追い詰める事になるし、人として醜いことだと親から教わったそうです。

わたしは、この言葉を聞いた時、なんて奥深い言葉なんだと思いました。そもそも人は千差万別であって、自分にとっては正しい事でも他人にしてみれば間違いかもしれません。そういう事がようやく理解できるようになるまで、わたしは本当に長い時間掛かったと思います。
この言葉がずっと忘れられなくて、この言葉の意味を長い事考えてきたし、今では自分の中で大切な言葉の一つになっています。

なにかあった時はこの言葉を思い出し、自分の正しさを人に押し付けていないか、人を批判するような言い方をしていないかなど、自戒するようにしています。

義祖母から教えてもらった言葉を知ってからしばらくして、吉野弘さんの【祝婚歌】という詩に巡り合いました。

素敵な詩です↓

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祝婚歌

二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気づいているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうち どちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気づいているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい

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この詩は夫婦でなくとも、人と付き合う上で大切なことではないでしょうか。

そして自分自身にも、過度に正しさを課さなくていいし、完璧じゃなくていいと思うようになりました。

ちなみに吉野弘さんの詩には【伝道】というのがあって、

私なら
神を信じても
人に、神を信ぜよとは言わない

という一節がとても印象深いです。


エホバの証人に聞かせてあげたいですね。何にも響かなそうですが。


ふとした時に聞いた言葉や教えてもらった言葉で、自分の今までの思考や行動ががおかしかったのかなと気付く事がありますね。わたしは他人から指摘されたり注意されたりしても、きっと深く考えもしなかったし理解できなかったような気がします。


義祖母から聞いた『正しい事こそ小さな声で』という言葉と、それ繋がりで知った吉野弘さんの『祝婚歌』は、わたしには心の奥底にガツンと響いて、生き方を変えようと思わせてくれました。


なぜこの言葉がわたしの心にこんなに響くのか。大切にしているのか。
そういう事を母には知って欲しいです。無理かな。もし今年会うことができたら、そんな事を話してみたいと思っています。