加熱されてラップでぐるぐる巻きされた食器を

開く時の指の力だけでなく、

身体すべての部分を自分で動かす力が

最初はものすごく、努力を要した。

ベッド上にベッドごと上体を引き上げて

しばらく座った姿勢にしておくことじたい、辛かった。

だいたい、それ以前にベッド上で、

身体を自分の力だけで仰向けから横向きに寝返りうつことじたい、

努力していた。

ICUにいた頃から、

もらった肝臓が定着してなくてふわふわ浮かんでるように思えて、

右側が下になるように常に緊張して注意していた。

それなのに、できるだけ、身体は自分で動かす方が早く良くなると思い、

恐る恐る体位変換に挑戦していた。

部屋の中の位置と、

ベッド上の自分の位置を意識して常に肝臓のある右側が下になるように、

横向きになるには?と考えているうちに頭が混乱している。

逆さま状態で寝ているときはこっちが右だから~と試行錯誤状態になり、

頭がパンクしそうになった。

時々、看護師さんに、『あたし、ちゃんと右向いてる?』

と確かめずにはいられなかった。

ずっと、仰向け状態では背中が痛くて辛いので、

横向きになる一瞬にほっとしていた。

そのうち、横向きでしばらくいられるようになって、

徐々に眠れるようにもなっていくようになった。

そうなるとどんどん、回復が加速していく気がした。

昼間は、できるだけ上体を起してベッド上でも

座る体勢をとっている時間をとろうと試みた。

口から食事を摂れる様になっても点滴があるうちは

すぐにお腹がいっぱいになって苦しかった。

それでも食べるようにしないと、

次の段階に食事内容が移っていかないから頑張った。

無理しすぎて、せっかく食べても吐き出してしまったりもした。

食後は大量の薬の服用に、それだけでもお腹一杯になるけど、

頑張った。

食後の歯磨きも毎回の嫌な記憶だ。

歯磨き粉が口に残ったままなのに飲み込まされてる気がした。

ICUのときは歯磨き粉が口にあるのに、薬を飲まされた。

食べちゃったんよと母親に訴えたりして、

『なんでよ~』と母親がいぶかしがってた記憶もある。

病棟の個室に戻ってからも、

ベッド上生活の間、歯磨きもベッド上で、

手鏡を見ながら磨き、うがいはコップに水を入れてもらってて、

オーバーテーブルの上の膿盆にグジュグジュパッと吐き出す。

お水が足りないし、なかなか満足できなくて

早くベッドから立ち上がって洗面台のところまで行きたいと思った。

何より、ベッドから降りたいと願ってやまなかったのは、

個室内のトイレに自分で行きたいという思いだった。

左足の甲の部分にICUで受けてた点滴漏れのせいで

皮膚が水ぶくれみたいに大きく腫脹していてひどく、

痛くて力が入らず、立ち上がって体重を支えるのを妨害していた。

それで、最初はベッドを降りて移動を要する時は必ず、

看護師さんを呼ぶことという条件がついていた。

最初はトイレにひとりで行きたいが為に始まり、

どんどん、できれば助けを呼ばずにできることを増やしていこうと

怒られながらも動いていった。

ベッドから降りて椅子にすわろうとしたり、

ちょっと、他へ移動しようとして腰を持ち上げるのに、

にっちもさっちもいかなくなって転びそうになったとき、

たまたま夫が来ていて引き上げの力を貸してもらったこともあった。

自分の身体が自分のものでないみたいな時期は本当に口惜しいものだ。

それでも、時と共に身体が自分のものに戻ってきて

12月18日には、大部屋に移った。

病棟の廊下を回数ではなく、30分歩くという目標を立てて

その日から実行した。

階段は看護師さんに付き添ってもらって練習した。

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関係ないけど、海外ドラマの『スーパーガール』シーズン1から

観てて、今シーズン2に入ったとこです。

人生のこと、考えさせてもくれるし、面白いです。

カッコイイだけじゃないよ。

お義姉さんも、人間なのにめっちゃ、強いよ。

気持ちイイくらい。(*''▽'')