ちさたきは やはり 存在している
舞台リコリコ第1弾から約1年、待望の続編を観てきた。結論としては、「すばら」
何より凄かったのが今回の会場なのだが、場所は前回の天王州とは違い東京ドームのすぐ側にある
「シアターGロッソ」という箱である。
ここはどうやらヒーローショー会場として名高い場所だそうで、下段、中段、上段と舞台のY軸の幅があるので可動域が大きく、アクションシーンにもってこいな感じだった。
そんな舞台で私達観客が最も没入できたコトは
圧倒的な臨場感であろう。
私は最前ブロックのちょうど中央の座席を陣取れたので、展望は完璧だった(下段は正直見にくかった)
しかも無限に目が合って(いるような気になれて)ドキドキが止まらねえんです。
開演時間に会場BGMが変わり照明が暗くなっていくところでまず泣きそうになり、サクラの負傷シーンからのop。ここでは先週ライブで生身を見たばかりのClariSのALIVEが流れる。
opの中でフキに銃口を向けられて興奮。ずっと目合ってたような気もした。
席の関係上、キャラの発言が自分に対して言われてるような気がして「お、おう...」になってしまった。人一倍怖い席だった。
真島がこちら側を見た時は殺されるかと思ったし、千束が「救世主さん、チーズ!」と言って写真を撮るシーンではガチで撮られたかと思った。
しかし臨場感はこの程度に収まらない。
いきなりたきなが客席に向かって走り出したのである。
シアターGロッソは、演者が客席の間を通れるよう通路が広くなっているそうなのだ。が、私は舞台に対する知識がほぼゼロなので、まさか演者がステージを飛び出してこちら側の世界に入ってくるとは思わず...。
そのような我らの世界に介入する場面は何度かあり、千束が私の席の真後ろまで回り込んできた時は思わず身体が仰け反ってしまったし、その後真島一味がワイヤーを使って真後ろに降りてきてスゴすぎた。なんなら客席後方からも一般ピープル役の人が出てきて、「トイレに行くために立ち上がった客だと勘違いした」と言っていた人も居た。
観客までもが演出の一部となってこの舞台は作られているのだな、と感動モノである。
そしてストーリーの上でも今回は期待していた部分がいくつかあり、まずリコリコという作品において最もネタ枠となっているたきなスペシャルについて。
まじでうんこ。でっけえうんこが出てきた。
たきながうんパフェを持ち上げた瞬間に上から光が指してオモロかった。
ミズキ姉さんが思わず「うんッ...」とギリギリで止めたにも関わらず、すかさずミカが「コラァ〜〜!」と叱るセリフが完全に意図的で良かった。しかも再度擦られてた。
SNSでうんこうんこ言われてるのを見て絶望しているたきな(本西さん)の表情が素晴らしかったです。
次に、たきながシャッターをぶち破る11話のシーン。
ここは当時本編を観て「キャーーーー!!!」と叫んだところなので、舞台ではどのように再現するのかなと思っていたのだが...。
銃口がシャッターに当たるエフェクトが出たあと、まさかのアニメ本編の映像が映し出され、「!?」
そこから扉が開いて本西たきなが登場!
後光が指しながら登場する姿はカッケーでした。
次に、私が本編でもいちばん狂わされ、古傷として残っているシーン。たきなが人工心臓を得ようと吉松を狙う伝説の12話。
千束が行く手を阻もうと必死に止めようとするもたきなは狂犬のごとく追おうとする。
普段はクールで感情を表に出そうとしないたきなであるが、このシーンではたきな史上最大の叫びが放たれる。
「心臓が逃げるッ!!!!!!!!!」
シオンヌの声にかなり似ていて、本西氏が本当にたきなとシンクロしていた。
あの時の熱演が完全に再現されていて、役者ってすげえンだな(小並感)と思う。
〜追記〜
一晩経って思い出したのだが、私が劇中で最も興奮した部分、演出について触れることを忘れていた。
それは、過去真島とロリ千束が出てきた場面である。
真島と千束の会話から旧電波塔で起きた事件の回想シーンにフェードインしていったのだが、
二人が下段の両端に居ながら、突如昔の真島が登場してきたのである。
「真島が二人いる!?!?」
もしや下にいる真島はマネキンに成り変わったのでは?と思わず勘繰ってしまった(真島ならやりかねない)
まさか別の役者を出してまで再現するなんて…と硬直。
声も似てるし、シルエットは真島そっくりだった。
そして、中心の扉が開いたかと思うと、一人の少女が空中で回転しながらその場に降り立った。
「ロリ千束だ!?」
えげつない登場の仕方から、俊敏な動きで駆け巡る様は千束そのものだった。
何より表情を観客にあまり見せないようにしていたのも、当時のロリ千束の覇気が感じられてカッコよかった。
吉松との回想シーンでも再度登場したのだが、ロリ千束の声はかなり幼い雰囲気があり、あどけない声色に胸を痛めずにはいられなかった。
アンサンブルの誰がやっていたのか知りたい限りである。
そして、舞台においてもうひとつ、私たちを楽しませてくれる工夫がある。
舞台ならではのアドリブと掛け合いだ。
アニメ本編に詰って展開されるキャラの掛け合いは、原作の雰囲気を上手いこと残しつつオモロPartとして作り出される。
ロボ太が「観葉植物にお水あげよっと!」
「萌え萌えきゅーん」
と言いながら真島の髪に向けて水やりしている場面はボケが効きすぎていて良かった。
真島「おかえりなさいませ」
楠木司令が千束にカメラを返す場面
千束「ドロボーッ!!!!(クソデカボイス)」
楠木「...」(胸に手を当てて傷心そうな表情)
休憩後の回想シーンにて
千束「それ、男物のパンツじゃん!!」
吉松「やあ千束ちゃん、パンツがどうかしたのかい」
千束「これ思い出したくない記憶だよ!!」
千束「帰って帰って!!!」
一旦帰ろうとする吉松、しかし戻って
吉松「本当に帰っていいのかな??」
しぶといパンツマンだった。
千束の件でしょんぼりしているたきなに向かって
ミカ「HEYたきな!!!!!(爆音)」
実際に映像を見ないと面白さが伝わらないであろう場面だ。ぜひまた観たい。
役者面々も前作と同じメンバーで、とても適役だったと感じる。全員演技や言動が原作そのままで、特にミカとクルミは声が似すぎ。
クルミ役の大渕さんは、私の大好きなプロコの作品にも出演しているので特に注目して見ていたが、そこで演じているキャラとのギャップがすごく、演技の幅が広い方だなーと思わされる。
ちさたきはもう存在が強すぎて、そこにいるだけでもうちさたきなんだよね。
ミズキ姉さんはマジで小清水をコピー出来ていてスゴいしなんなら小清水より癖が強いまである。
身体の動きからうるさくて最高
フキ、サクラ、エリカの3人も表情の違いが見て取れて、憑依してる...になった。
吉松はかなり細みだが雰囲気そのまま
姫蒲はミステリアスな感じが似ている
真島はマジ真島
最後にちゃんとワイハの服を着て出てきたリコリコメンバーに大興奮。全体的に服の再現度が完璧すぎた。
花の塔で締めるラストは、どんな状況でも上手くまとめられてしまう最強ソングだと思う。
edでテキパキ踊る楠木司令が可愛かった。
そして最後にちさたきが扉の中に戻って行き終了。
本当にすばらだった。アニメ本編を全て描ききってくれたのは感謝でしかない。
次に我々が待つのは、未だに続報が出ない新作アニメーションである。それがTVアニメなのか映画なのかは分からないが、是非それも舞台で表現してほしい。
しばらくリコリコのコンテンツに触れていなかったが、今回の舞台でやはり私はリコリコが大好きだと再認識させられた。
ちさたきは そこに いた
20240609凹た