養育費の強制執行のデメリット | 円満離婚カウンセラーゆらこのわかりやすい離婚の話

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こんにちは。離活サポート行政書士のゆらこです。

養育費の強制執行は思ったほど簡単にいかない場合が多いということを書きました。
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養育費の強制執行は簡単ではない


仮に相手方の勤務先もわかり、給与差押の手続をしたとします。

給与の差押をすれば、相手方の会社から自分の方に直接払ってもらう形になりますから、当然相手方の会社に通知が行きますし、その会社の協力も必要になります。

もしそうなった場合、相手方がその会社にいられなくなるというリスクもあります。


給与差押などという面倒なトラブルを起こす人間にはいてほしくないと考える会社は、日本では決して少なくはありません。

つまり、給与差押により、相手方が退職を余儀なくされることもあるのです。

差押の手続を行うことで、せっかくお金を取るところがあったのに、わざわざそれをなくしてしまうという皮肉な結果になってしまうということです。

そんなことになれば、相手方との関係が余計こじれて、さらにややこしいことになるということも想像できるでしょう。


そういうことがありますから、たとえ公正証書を作っていたところで、養育費の不払いがあっても、弁護士は普通はいきなり強制執行をかけたりしません。

強制執行するよりも、相手方と交渉した方が、依頼者にとってメリットがある場合が多いからです。

相手方と交渉するだけなら、勤務先まで調べる必要もなく、住所さえわかればいいですから、それほど困難でもありません。


とは言っても、養育費の不払いがあった時点で弁護士に相談に行くお金もなければ、自分では交渉も不可能なことが多いでしょう。

あと自分でできることがあるとすれば家庭裁判所に養育費請求調停を申し立てることくらいですが、それも最初に公正証書を作っていようがいまいが関係なくできます。


結局、養育費の取り決めをして公正証書にするメリットというのは、相手方に対して心理的強制力を持たせることができるという一点に尽きると私は思います。

もちろん、そのメリットは大きいですから、可能であれば公正証書にした方がいいと思います。


けれど、離婚するときに公正証書を作ったから安心とか、それで自分と子どもの生活が守られるというわけではありません。

また、公正証書を作っていなくても、養育費が支払われなくなった時点で弁護士に相談したり、自分で調停申立したりすることはできますから、心配する必要はないのです。


時々、離婚の際の公正証書の有無で運命が変わりそうなことを書いてあるサイトがありますが、実際はそんなことはありません。

公正証書作成が無理であれば、普通の離婚協議書で問題ありませんから、とりあえず作成しておきましょう。



離婚協議書作成の相談はゆらこオフィスへ。

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