ドイツ研修では、おもに、動物病院での研修や、ホメオパシー・ホモトキシコロジーを製剤している会社の
工場見学や、獣医師セミナーを受講しました。
工場での薬剤の製造過程は、かなり厳密な滅菌処理をされていて

以前、日本での漢方工場などを見学したことがありますが、同じようにハイテクな設備が整っていました。
ドイツでの、自然療法の現状や、各種製剤の基本事項、臨床治験や最新の症例報告などを聴講。

少人数なのもあり、通訳の先生もいらっしゃったので、ビシバシ質問が飛び交います。


拝聴して思ったのは、ドイツでは、自然療法が特別なもの(怪しいもの)という概念はなくて、

単に治療方法のひとつの選択肢として根付いているということ

西洋医学の大きな病院でも、治療の選択肢として存在していている。普通の薬剤と同じ並列に、自然療法のお薬がおいてあったり。例えば、鎮痛剤として ケトプロフェンなどの西洋医学のとなりに、(ZEEL)と書かれたホモトキシコロジー製剤などが置いてある。それを、普通に獣医師は併用して治療に使っている。という感じです。

また、ドイツでの自然療法薬は、必ずと言っていいほど、エビデンス(臨床結果・治療効果の検証)に基づいて科学的に効果を証明しているようです。だから、西洋医学の先生も、あまり疑うことなく自然に使用されているのだなあと思いました。

この点においても日本はまだまだ。。。

 

動物病院研修においても、飼主さん側も、違和感なく「自然療法」を受け入れている様子でした。
治療のひとつの方法として、自然療法を織り込む、といった感じでした。
色々とご説明してくださった、獣医の先生曰く、やはり西洋医学の治療オンリーよりも

併用した方が治りも早く、再発も少ないそう。
また、自然療法オンリーで治療されるペットもいるそうです。やはり西洋医学の薬での副作用が強く出てしまう場合や飼主側の考えに基づいて行うようです。
 

今回、研修させていただいたのは、フランクフルト郊外の動物病院です。

パッと見、小さな「獣医」のマークがあるだけで、おしゃれなお家に溶け込んでいます。

院内もオシャレ~~。↓中待合室です。


そして、ペットたちもなんの躊躇もなく怖がることなく、院内に入ってきます。
みんな緊張している様子もなく、リラックスしています。(この辺りも日本の動物病院の待合室ではありえないですよね(笑)勤務医時代はガタガタブルブルしている子も多々見てきました)
驚くべきことに、かなり痛みを伴うであろう処置をしている子でさえも、全く鳴いたり暴れたりせず

じっと、我慢して静かにこらえてました。人への恐怖心が全くないからなのか・・・?
飼主さんや獣医側への信頼性を感じました。

座って問診をとってますね。
ドイツの動物病院は、日本での人のお医者さんのシステムに似ています。
いわゆる普通の動物病院は、自院での診察の判断に基づき、専門性が必要な場合や、高度な手術や精密検査を要する場合は、地域の大型の総合病院へ搬送します。そこである程度改善するようであれば、もとの病院に戻すといった具合です。できないことを無理に行わない、ということで医療ミスも無くしますし、より高度で必要な検査や治療が行えるからです。
クリニック、と聞くと小さな病院というイメージがありますよね。(私の病院もクリニックですが(;'∀')
でもドイツでは、クリニックが、おおきな総合病院。という意味合いがあるそうです。

(病院名、改名しようかしら・・(笑)

ドイツ研修を通して、まとめますと・・・
「獣医療」そのものに際しては、日本はそんなに遅れはとっていないように感じましたが、
「統合医療」に関しては、かなり遅れていると思われます。
自然療法そのものが、人々の生活に密接にあるので(ドラックストアにホメオパシーなどが普通に販売されている)
動物への治療も抵抗もない。
自然療法が、きちんとした臨床治験等で証明されている方法なので、治療の選択肢として当たり前に存在する。


また、日本人はストレスを抱えすぎ!?働きすぎ?
ドイツの方々はみなさん、穏やかでニコニコされている方が非常に多かったです。
ドイツに行くまでは、勝手にドイツ人って頑固で怖そうってなイメージだったんですけど、完全に覆されました。

なんだかノンビリ、平和に暮らしているような。通訳の先生曰く、

日本人みたいに過剰勤務がない、休みはきっちり、プライベートと仕事の区別もきっちり!
ストレスという概念があまりない(笑)昼休みにビール飲んでもOK!!(笑)日本ではありえないですよねえ・・(;'∀')

飼主さんからも、それを感じ取れました。ペットが重篤な状態でも、穏やかに優しくペットに話しかけてました。
焦ったり、悲しんだり心配しすぎてオロオロしている様子がまるでなかったのです。

飼主さん側に心の余裕があるから?なのでしょうか・・

でも、ペットにとってはそれは一番の幸せですよね。飼主さんがいつも穏やかで愛を注いでくれることって。

なかなか難しいんですけどね(;´∀`)。

今回の研修を通し、いろいろなことを学ばせていただきました!
知識や、技術面を学んだのはもちろんですが、精神的なこと(表現しにくいのですけど)
ホリスティック獣医師としての在り方なども、色々気が付かされた研修でした。

 

そんなわけで、ドイツ研修について書きましたが、(臨床的なことや専門的なことは省かせていただきました。)

少しでも皆様のお役に立てれば幸いです^^


フランクフルト!ハイジのクララが住んでいたところですね~(笑)